2015年11月30日、Snapchat(スナップチャット)は、同サービス内でコンテンツ提供を行うパブリッシャーに対して、FacebookやTwitterにてコンテンツ拡散を行うための「ディープリンク」の発行を許可した。
「ディープリンク」(Deep Link)とは、Webサイトのページではなく、アプリ内の特定のコンテンツへユーザーを誘導するリンクのこと。これにより、パブリッシャーはほかのプラットフォーム上に集まる人々を、ダイレクトにSnapchatへ呼び込むことができるようになった。
これまでDiscoverチャンネルのパブリッシャーたちは、アプリ外部からSnapchatへリンクを貼ることができなかった。しかし、今回Snapchatがリンクを認めたことで、トラフィックの増加が期待できるはずだ。
2015年11月30日、Snapchat(スナップチャット)は、同サービス内でコンテンツ提供を行うパブリッシャーに対して、FacebookやTwitterにてコンテンツ拡散を行うための「ディープリンク」の発行を許可した。
「ディープリンク」(Deep Link)とは、Webサイトのページではなく、アプリ内の特定のコンテンツへユーザーを誘導するリンクのこと。これにより、パブリッシャーはほかのプラットフォーム上に集まる人々を、ダイレクトにSnapchatへ呼び込むことができるようになった。
Snapchatとは、アメリカのミレニアル世代に絶大な支持を受けるメッセージアプリ。画像や動画、メッセージをユーザー同士で共有できるものだが、送付データは閲覧された後、10秒以内には消失してしまう。
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そのなかに設けられたDiscoverチャンネルとは、現在は16の限られたパブリッシャーがSnapchat専用の動画や記事コンテンツを展開するコーナーだ。単なるメッセージアプリという枠を超えて、アメリカの10代たちの貴重な情報源のひとつとなっている。
しかし、これまでDiscoverチャンネルのコンテンツを楽しむには、ユーザー自らアプリを起動させる以外になく、外部から誘導する手立てがなかった。アプリ外部から同サービスへリンクを貼ることができず、パブリッシャーたちはせっかくSnapchat専用に作ったコンテンツを拡散する術がなかったのだ。
しかし、今回ディープリンクが認められ、トラフィックの増加が期待できるようになった。
新たなユーザーの流入経路
「Snapchatは、ユーザーがアプリを起動して利用する以外に、流入を増やす新たな方法を模索している」と、Discoverでコンテンツ運営を手がけるパブリッシャーの情報筋は話す。
ソーシャルメディアへのリンクは、ユーザーエンゲージメントを測定する新たな手段となるため、とても重要なカギとなる。ユーザーは友人とコンテンツを共有できるからだ。「いいね!」を押したりコメントも残せることで、これまでSnapchatが提供できなかった広がりを見せることができる。
今回の施策に至るまで、Snapchatはほかのソーシャルメディアと切り離されていた。そのためアプリ内のコンテンツを拡散させるには、パブリッシャーの対応策に委ねる以外の方法がなかったのだ。
ソーシャルマーケティングエージェンシーのデルモンド(Delmondo)でCEOを務めるニック・シセロ氏は「より多くの人がSnapchatのコンテンツをほかのソーシャルプラットフォームで共有できるようになった」と話す。
Voxによるディープリンク例
メディア企業のVox Mediaも、施策発表の当日(2015年11月30日)からディープリンクの運用を開始した。
Check out our #WorldAIDSDay edition on @Snapchat and help end the stigma: https://t.co/LGA9hrvXTz pic.twitter.com/6q7ETMy3vB
— Vox (@voxdotcom) 2015, 12月 1
ディープリンクを掲載したツイート
さらにSnapchatは、「パートナー企業たちの素晴らしいコンテンツを広める方法」として、Discoverチャンネルとディープリンクを可能にした、独自のQRコード「Snapcode」を発表した。 同社は「『Snapcode』とはSnapchat内のコンテンツに直接にリンクするもので、アプリ内のカメラでスキャン可能だ」と話す。
独自のQRコード「Snapcode」
Snapchatに残された欠点
現在、16のパブリッシャーから構成されているDiscoverチャンネル。設立された当初は、Snapchat上に埋もれるような形で存在していた。それが2015年の夏、アップデートでメインページに移動し、より存在感を発揮している。
しかし、Snapchatには、まだ欠点が残されている。たとえば、ユーザー名が分からないアカウントの検索機能や、簡単にチャンネルを登録する機能が存在しない。そのため多くのパブリッシャーたち、特にDiscoverチャンネルに登録されていないメディア企業は、Snapchatのアカウントコードをほかのソーシャルメディア内に貼り、フォロワーに見つけやすくしている。
ディープリンクが促す活性化
このような問題に対して、新しいディープリンクは、さらなる活性化を促すための小さな一歩となる。FacebookにあるYouTubeへのリンクがユーザーをダイレクトに動画へ誘導するように、ディープリンクによってまったく同じ働きをさせることができると、あるパブリッシャーの情報筋はいう。
しかし一方で、「理想はSnapchatに限定したコンテンツを制作し、TwitterやFacebookで話題にしてもらうことだ。だが、実際には、ユーザーを誘導させるのが難しい」と、情報筋はコメントした。
Discoverチャンネルのメディア企業たちは、広告収入をSnapchatと分配している。そのパブリッシャーのなかには、広告販売に成功し、大勢のビジターを記録したと報告するものもいた。一方で、Discoverチャンネル以外のメディアにはどれだけのチャンスが残されているのか、またチャンネルによっては広告の割合が多すぎるなど、不透明なことも多々あるという。
また、Discoverチャンネルのトラフィック量は、Snapchatの「Live Stories」などと比べると多いとは言えない。MTV Music AwardsやNFLの試合がある日の「Live Stories」のトラフィック量は1000万人を超えているのだ。
Garett Sloane(原文 / 訳:BIG ROMAN)