Snapchatは10月、UIデザインにおいて「ディスカバー」コンテンツの配置を友人たちの投稿が集まる「ストーリー」の下に移動。だが、その後まもなく、「ディスカバー」の複数のパブリッシャーから、1日の閲覧者数が減ったという。取材を受けてくれた2社は、変更が行われて以来、1日の閲覧者数が33%落ち込んだそうだ。
Snapchat(スナップチャット)の「ディスカバー(Discover)」に参加しているメディアパブリッシャーは、このプラットフォームに助けられることもあれば、泣かされることもある。
Snapchatは10月、UIデザインにおいて「ディスカバー」コンテンツの配置を友人たちの投稿が集まる「ストーリー」の下に移動。だが、その後まもなく、「ディスカバー」の複数のパブリッシャーから、1日の閲覧者数が減ったという声が聞かれるようになった。そのうちの2社は、変更が行われて以来、1日の閲覧者数が33%落ち込んだという。別の2社も、割合はもっと小さいものの、やはり変更後に閲覧者数が減少したとのことだ。
一方、Snapchatの広報担当者は声明のなかで、「フィーチャーされた(『ディスカバー』の)コンテンツを『ストーリー』のページ上に表示する変更を行って以来、『ディスカバー』の1日のアクティブユーザー数は増え続けている」と述べている。
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予測されていた悪影響
閲覧者数の減少に見舞われた「ディスカバー」のメディアパートナーにとって、この減少は驚きではなかった。多くの人が、10月の変更は「ディスカバー」の1日の閲覧者数に悪影響を及ぼすと予測していたからだ。
Snapchatアプリには「ディスカバー」専用画面が用意されているものの、ユーザーがそこにたどり着くにはスワイプ操作を2回行う必要がある。しかし、「ストーリー」ページの上部に移動した「ディスカバー」のチャンネルは(注:チャンネルは上部、コンテンツは下部に表示)、1回のスワイプ操作で表示できるため、パブリッシャーにとって非常に重要なゲートウェイとなった。
「我々は(コンテンツが)発見されにくくなると予想していた。なぜなら、(コンテンツが)画面の上のほうにあったためにヘッドラインを見つけてクリックしていたような人たちにリーチできなくなったからだ」と、「ディスカバー」パブリッシャーのある幹部はいう。
減少幅はそれぞれ異なる
ただし、「ディスカバー」のすべてのパブリッシャーが閲覧者を減らしたわけではない。米DIGIDAYが5番目に話を聞いた「ディスカバー」パートナーは、コンテンツの場所が下に移ったあとも閲覧者数をほぼ維持しているという。ここでいう閲覧者数とは、パブリッシャーが1日に獲得を期待できる最低限の閲覧者数だ。
Snapchatは、10月の変更前にも「ディスカバー」のデザインを変更し、丸いロゴではなく、フィーチャーされたヘッドラインが表示されるようにした。この変更によって閲覧者数が大きく変動するようになり、1日で倍増したり半減したりすることもある、とこのパブリッシャーは述べている。
このパブリッシャーの幹部によれば、「忠実なオーディエンスと関連する、ユニークビジター数の変動が最も大きい」という。「その数は、ヘッドラインの内容によって毎日のように変化するが、最低のラインが存在する。これが我々の期待できる最低限の数だ。そこからどう上積みしていくかということに我々は注力している」。
重視すべきはリピーター数か?
ほかの「ディスカバー」のメディアパートナーも、こうした考え方に同意する。ユニークビジターの数に毎日一喜一憂するのではなく、リピーターのようなデータを重視するというわけだ。「ディスカバー」のパブリッシャー2社は、オーディエンスの50%が少なくとも週に5日は再びやってくると話す。
また、Snapchatは「ディスカバー」のデザインを刷新した際に、ユーザーが好きなチャンネルをアプリ上で購読できるようにした。ユーザーに購読してもらうメリットのひとつは、購読したチャンネルが「ストーリー」ページに表示されることにある。
「この機能は、購読者の多い『ディスカバー』のパートナーに対してすぐメリットをもたらした。彼らのチャンネルがアルゴリズムによって表示されるからだ」と、「ディスカバー」パブリッシャーのある幹部は語った。
Snapchatを擁護する声
「ディスカバー」パブリッシャーは、Snapchatがプラットフォームの変更を頻繁に行うことに相当な苛立ちを感じているが、彼らの多くはその苛立ちを口に出さないようにしている。
「このプラットフォームへの参加を決めたときから、そこがどういう場所なのかは承知している。我々は、突然何かが変更されることに慣れている」と、「ディスカバー」パブリッシャーのある幹部はいう。
さらに、別の幹部はこう付け加えた。「オーガニックなつながりを優先するために『ディスカバー』が犠牲になったと不満をいう人がいれば、私はこう答えるだろう。数カ月前、彼らはタイトルやヘッドラインを(『ストーリー』のページ上に)表示するという大規模な変更を行った。この変更は、我々が閲覧者をさらに増やしたりコンテンツを管理したりするうえで大きな助けとなったのだ」。
回復しつつあるところもある
実際、スナップチャットはタイトルを中心としたデザイン変更を行ったあとに、「ディスカバー」のメディアパートナーに対してプレゼンを実施し、平均的な「ディスカバー」のチャンネルで1日の閲覧者数が50万人から100万人に倍増したと述べている。
また、公平を期すためにいえば、「ディスカバリー」パブリッシャーのうち少なくとも1社は、ゆっくりではあるが閲覧者数が回復する傾向にある。あるパブリッシャーは、1日の閲覧者数の3分の1を失ったものの、そのおよそ半分を「取り戻す」ことができたという。「ただし、以前の状態に完全に戻ることはないと思う」と、この幹部は語っている。
Sahil Patel(原文 / 訳:ガリレオ)