メッセージアプリのSnapchat(スナップチャット)は、広告主やエージェンシーが、頻繁に正確に広告を購入できるようにするため、API(アプリケーションプログラミングインターフェース)を開発していると、多数の情報源が明かしている。
SnapchatはAPIをめぐってアドテク企業やエージェンシーと接触し、円滑なデジタル広告取引を行うために、両者が求めるものは何かを探ってきた。潜在パートナーとの会話により、2016年の春までにテスト運用の準備が整いそうだ。
「Snapchatの2016年の野心は、eコマースによりたくさんの機会を与えることと、オーディエンスを拡大させることだ」と、事情に詳しいとある代理店役員は話す。
メッセージアプリのSnapchat(スナップチャット)は、広告主やエージェンシーが、頻繁に正確に広告を購入できるようにするため、API(アプリケーションプログラミングインターフェース)を開発していると、多数の情報源が明かしている。
SnapchatはAPIをめぐってアドテク企業やエージェンシーと接触し、円滑なデジタル広告取引を行うために、両者が求めるものは何かを探ってきた。潜在パートナーとの会話により、2016年の春までにテスト運用の準備が整いそうだ。
「Snapchatの2016年の野心は、eコマースによりたくさんの機会を与えることと、オーディエンスを拡大させることだ」と、事情に詳しいとある代理店役員は話す。
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Facebook、Twitterが通った道
API公開は、Facebook、インスタグラム、Twitterなどを追走するために重要なステップだ。アプリのインストールや商品購入を誘導するCTA(コールトゥアクション)を含む、より多くの種類の広告商品を用意できる。直接的な反応を呼び覚ますフォーマットは、マーケターの目を引くのに不可欠だ。
一般的にAPIのインターフェイスを介して、アドテク企業やブランドは、キャンペーンの執行、買い注文の自動化、クリエイティブの配信、オーディエンス・ターゲティング、効果測定などを実施する。そのため、Snapchatにとって、これは大きな船出となる。なぜなら、これまで直接的なやり取りという、とても時代遅れの方法で広告を販売してきたからだ。
ターゲティング精度向上へ
広告ソフトウェアはより効果的なターゲティングをもたらす。ブランドはデモグラフィック(人口統計学的)データや位置、閲覧履歴などのデータに基づいて、広告を打てるからだ。
デジタルプラットフォームにとってAPI公開は、共通する進化過程といえる。たとえば、インスタグラムはFacebookからノウハウを得て、2015年に公開。アドビ、セールスフォース、ケンショー、ナニガンズなど、APIを利用する代理店も41社が揃った。
主要なAPI構築に携わってきたオンラインサービス、アダプトリーのプレジデントを務めるショーン・オニール氏はこう説明する。「APIがもたらす成果は、テクノロジードリブンなパートナーとのエコシステムを創出できることだ」。
新規参入者特有の壁
Snapchatのアプローチは、インスタグラムが最大限の効果を生む広告と、できる限りユーザー体験を損ねないようにしていたのに似ている。ただし、インスタグラムの場合はバイイングは簡単になったものの、広告の質をコントロールはできていない。
まだ試験をはじめたばかりなので、ローンチには数カ月から1年ほどかかるとみていいだろう。関係者によると、2015年にAPI公開したPinterest(ピンタレスト)の場合、少なくとも9カ月を要したという。
Snapchatは新規参入者特有の壁に直面するかもしれない。自動取引の導入には投資が伴うため、広告主は広告のもたらす利益を確かめたがるからだ。
維持が困難、高価になる面も
「APIが過去3年間でより一般的になった理由は、Facebookにある。FacebookはAPIにより成功を収めてきた」と、Facebook広告販売で成功を収めたナニガンズのビジネス開発シニアバイスプレジデント、ベン・トリグ氏は話した。「ただし、バイイングプラットフォームとして、APIを開発し維持することが、ますます難しく、高価になっている」と指摘した。
Garett Sloane(原文 / 訳:吉田拓史)※[日本版]編集部で加筆・編集した