Snapchat、パブリッシャーとコマース機能のテストを実施

DIGIDAY無料メルマガに登録しませんか?

平日朝9時にマーケティング業界の最新情報をお届けします。利用規約を確認


Snapchatを運営するスナップ(Snap)は、パブリッシャーのご機嫌取りに本腰を入れている。この背景には、パブリッシャーがFacebookのニュースフィード改変の影響を感じているという現実がある。同社の新しい口説き文句は「コマース」だ。

Snapchatのテストの内情に詳しい数名の関係筋からの情報によれば、スナップはSnapchatのコンテンツセクション「ディスカバー(Discover)」の一部参加パブリッシャーのチャンネル内で、コマース機能の試験を開始したという。このオプションにより、ユーザーは画面をスワイプアップすると、ディスカバー内につい先日導入されたストア(Store)から製品を購入できる。また、ストアではスウェットシャツや帽子などSnapchatオリジナルのアイテムも販売されているという。一部のディスカバー参加パブリッシャーはすでにこのオプションをテスト済みだ。情報筋によれば、現時点でスナップは売上の一部を自社の取り分として差し引いてはいないという。

Snapchatのディスカバー内でコマース機能をテストしたパブリッシャーとは別のディスカバリー参加パブリッシャー2社が、最近スナップからコンタクトがあったことを明らかにしている。その目的は、コマース機能導入の連絡と、同機能に関心があるかの様子を伺いだ。

スナップは公にコメントすることを控えているが、以前米DIGIDAYの取材でSnapchatでのコマースは自社にとって最優先課題だと語っている。「コマース」には、ディスカバーで製品を販売するため大手スポーツメーカーであるナイキ(Nike)などの広告主と連携することも含まれている。

壮大な「ゴマすり」計画

ディスカバー参加パブリッシャーによるコマース機能のテストは、ちょうどパブリッシャーと最大のソーシャルメディアプラットフォームであるFacebookの関係がもっとも悪化していた時期にあたる。4月10日、Snapchatはニューヨークシティで初のパブリッシャーサミットを開催している。このサミットは、スナップがパブリッシャーを対象に行っている壮大な「ゴマすり」計画の一環だ。

パブリッシャーサミット開催を伝えるため、今年はじめにディスカバー参加パブリッシャー宛てに送られた文書のなかでスナップのプラットフォームコンテンツ責任者マイク・スー氏は「エバン(スナップのCEO、エバン・スピーゲル氏)が前回の収支報告で述べたとおり、コンテンツは2018年の3つの最優先課題のひとつです。そして、みなさんのSnapchatでの成功がその核心です。ですから、我々は今後、より積極的にみなさんの成功を後押ししていくつもりです」と綴っている。

情報筋によればスナップは、パブリッシャーがディスカバーでさらに収益を上げられるようサポートするため別の方法も取っているという。それが、スナップ初となるブランド名やロゴの入ったコンテンツに関するガイドラインの設定だ。このガイドラインによりパブリッシャーははじめてSnap Ads(スナップ広告)ユニットとして、ブランド名やロゴが入った動画を配信できるようになる。スナップがブランド名やロゴ入りのコンテンツを承認したというニュースをいち早く報じたのは米広告業界誌『アドエイジ(Ad Age)』だった。

あるディスカバー参加パブリッシャーによれば、ブランド名やロゴが入ったコンテンツについて、スナップから以下の規則がパブリッシャーに送られたという。

  • ブランド名やロゴが入ったコンテンツは、スナップ広告ユニット内でライブ配信する必要がある。これらのスナップ広告のテーマやデザインは隣接するエディトリアルコンテンツに合わせて調整されることがある。
  • ブランド名やロゴが含まれるスナップ広告には、ほかのスナップ広告同様「Ad」(広告)のラベルが付けられる。追加の開示が必要な場合があるため、自社の弁護士に相談すること。
  • エディトリアルコンテンツ内にブランド名やロゴを組み込むことやタイルに広告主のブランド名やロゴを組み込むことは今後も禁止する。
  • その他の標準的なスナップ広告の仕様と機能に変更はない。これには、パフォーマンス指標、サードパーティータグの許可、効果測定調査の実施機能が含まれる。

パートナーに対する責任

さらに情報筋によれば、Snapchatはパブリッシャーに対して、ディスカバリー版とは異なる「プロモーションストーリー」を展開するため、広告主との連携を許可しているという。

「収益を後押しし、より有意義なものにするためパートナーと連携する方法について[スナップ]は関心を持っている」と、Snapchatの某ディスカバー参加パブリッシャーのエグゼクティブはいう。「話し合いはコンスタントに行われており、言うまでもなくスナップにはパートナーシップに対する責任感やあらゆる課題の解決策をともに見出そうとする責任感がある」。

スナップの取り組みは、すべて同社が自社のメディアパートナーに支払っている金額に貢献している。同社の年度末収益報告書によれば、2017年スナップは、ディスカバー参加コンテンツパートナーに1億ドル(約107億円)を上回る額を支払っている。あるディスカバー参加パブリッシャーは、2017年スナップ関連の収益が前年比で50%以上増加したと明かしている。

さらにこのパブリッシャーのエグゼクティブは次のようにコメントしている。「Snapchatはここしばらく、パートナーとしての価値が上がっている―これは特に、オーディエンス拡張やエンゲージメント強化を実現する方法を見出し、プラットフォーム(ディスカバリー)登場後、早い段階から参加していたディスカバリーのパートナーに共通していえることである。ここで言う価値とはSnapchat、そしてディスカバリーの利用に直接関連させることができる収益のことで、その価値は何百万ドルもの収益に相当するのだ」。

Sahil Patel(原文 / 訳:SI Japan)