Googleがモバイル検索結果に、アプリコンテンツの直接表示を開始した。これによりアプリ開発者は、マーケティング戦略を練りなおし、検索結果の上位を競い合うことが、今後の重要な戦略となるかもしれない。
ストリーミングされるアプリ内の情報は、ほかの検索結果と同様に青字のリンクで表示されるが、遷移先はモバイルサイトではなく、アプリそのものだ。ユーザーはそのアプリをモバイル端末にインストールしていようがいまいが、該当のコンテンツを直接ブラウザで閲覧できる。
ただし現段階では、Google検索のアプリストリーミングの機能は限られていて、アプリ内で提供されるすべてのサービスをカバーしているわけではない。たとえば、「Hotels Tonight」アプリ内のホテル情報は閲覧できるが、予約まではできない。
Googleがモバイル検索結果に、アプリコンテンツの直接表示を開始した。これによりアプリ開発者は、マーケティング戦略を練りなおし、検索結果の上位を競い合うことが、今後の重要な戦略となるかもしれない。
ストリーミングされるアプリ内の情報は、ほかの検索結果と同様に青字のリンクで表示されるが、遷移先はモバイルサイトではなく、アプリそのものだ。ユーザーはそのアプリをモバイル端末にインストールしていようがいまいが、該当のコンテンツを直接ブラウザで閲覧できる。
ただし現段階では、Google検索のアプリストリーミングの機能は限られていて、アプリ内で提供されるすべてのサービスをカバーしているわけではない。たとえば、「Hotels Tonight」アプリ内のホテル情報は閲覧できるが、予約まではできない。
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「Hotels Tonight」アプリ内のホテル情報をGoogle検索してみた様子
いまのところ9つのアプリだけ
Googleは、将来的に大々的な統合を実施するだろうが、現在のところ、検索結果でのアプリのストリーミングはあくまで実験段階。参加しているアプリは9つだけで、前述の「Hotels Tonight」のほか、米国の国立公園の案内アプリ「Chimani」、お天気アプリ「Weather」、ニューヨークの地下鉄情報アプリ「New York Subway」など。そのほか占いアプリなどがラインナップに名前を連ねている。
この試みは、サーチエンジンのモバイル端末への親和性をより高めるべく、Googleが推し進めている試みのひとつだ。その背景には、モバイルユーザーの端末利用時間のほとんどをアプリが占めていることがあげられる。
検索トップをめぐる戦い
Google検索がデスクトップを支配できたのは、それが実質的にWebの世界への入口であり、すべてのWebサイトがPV数を維持するためにGoogle検索に最適化したからだ。そしていまや、同じダイナミクスがアプリの世界にも拡大し、開発者たちが検索トップへの表示をめぐって、しのぎを削るようになる可能性が出てきた。
「もしコンテンツの一部を検索結果に浮上させ、アプリ内の動作を確認してもらって、リンクを踏ませることができれば、それは計り知れないほど大きな一歩だ」。そう語るのは、モバイルマーケティング企業アーバンエアシップの共同創業者であり、同社の製品担当シニアディレクターを務めるマイケル・リチャードソン氏だ。
同氏は、Webサイトがサーチエンジン最適化(SEO)を検討するように、開発者とマーケターは、どうやって検索結果のトップに立つかを考えなくてはならなくなると説明。「トップに表示されないなら、存在しないも同然」になるかもしれないと言及している。
アプリ開発者の反応
とはいえ、Googleの業界への影響力拡大に抵抗するアプリが現れる可能性も多いにある。そう指摘するのは、アプリ検索のパイオニア、キクシー(Quixey)で製品担当バイスプレジデントを務める、ラジャット・ムカージー氏だ。「開発者は、こういった大手へのデータ提供に警戒心を抱くものだ」と指摘する。
Googleは、デスクトップ検索においては、いまも独壇場だ。ライバル企業の一部には、検索結果をGoogleへ有利になるよう操作していると、批判するところもある。このような状況では、開発者はアプリ検索への参加意欲をそがれるかもしれない。
しかし、モバイル端末では、Amazon、Pinterest、Facebook、Twitterといったアプリ上で情報を求めて検索する人が増えてきた。それに対抗する意味もあるのだろう。
モバイル機能向上に励むGoogle
ユーザーをつなぎ止めようと、Googleはモバイルでの機能向上に励んでいる。同社は最近、モバイルメディアサイトのスピードを向上するコードを開発し、無償公開した。また、もっとも「モバイル・フレンドリーな」ページが検索結果のトップに表示されるよう、アルゴリズムの修正もおこなった。
さらにGoogleは11月9日、インドのネット通販最大手Flipkartと提携。アプリのように操作できるモバイルeコマースサイトのデザインを公開した。
一方、アーバンエアシップのリチャードソン氏は、アプリとWebページを同列に扱うべきではないと、アプリ開発者に警鐘を鳴らす。「アプリのランディングページは、検索順位を上げることだけが目的のものであってはいけない」。
広告収入型に転換すべき
しかし、今後このようなダイナミックにアプリが巻き込まれていくのは必然かもしれない。
デジタルアドプラットフォームであるエンゲージ:BDR(engage:BDR)のCEO、テッド・ダーニック氏は、このようなGoogle対アプリの動向から引き起こされる結果として、アプリ開発者はダウンロード数よりもトラフィック数を増やすことを目標とするかもしれないと指摘。アプリ会社は、検索ユーザーの誘導と、広告収入を重視するようになるということだ。
ダーニック氏は、「アプリ会社はこのシフトの波に乗るため、ビジネスモデルを有料ダウンロード型から広告収入型に転換すべき。このシフトが本格化すれば、有料ダウンロード型モデルは利益がかなり少なくなっていくだろう」とコメントした。
Garett Sloane (原文 / 訳:ガリレオ)
Photo by Roland Tanglao(CreativeCommons)