今週のトピックはアリババはインドネシア最大級ECのトコペディア(Tokopedia)の11億ドル(約1200億円)の投資ラウンドをリードしたことだ。アリババは近年、中国外の投資を拡大している。インドはAmazonが大きなプレゼンスを築きつつあり、Amazonが本格参入していない東南アジアは「譲れない市場」と言える。
今週のトピックはアリババはインドネシア最大級ECのトコペディア(Tokopedia)の11億ドル(約1200億円)の投資ラウンドをリードしたことだ。アリババは近年、中国外の投資を拡大している。インドはAmazonが大きなプレゼンスを築きつつあり、Amazonが本格参入していない東南アジアは「譲れない市場」と言える。
東南アジアのテック企業投資は案件の大型化が目立っている。eコマースやライドシェア、モバイル決済などグローバルで先行例がある「クローン」に対しては大型投資がされる傾向がある。持株比率によっては今後は支援が組み合わさるケースが考えられる。
アリババはトコペディアの競合であるシンガポールECのラザダには2回に分けて累計20億ドル(約2200億円)を投資。ソフトバンクとその投資先である滴滴出行はマレーシア発のライドシェア「Grab」に20億ドル(約2200億円)を投資。アリババのライバルであるテンセントは、インドネシアのライドシェア「Go-Jek」に12億ドル(約1320億円)を注入している。
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アリババが17日(米国時間)に発表した6月期・四半期決算は同社の好調をアピールするものだった。収益は前年同期比56%増の500億人民元(約8200億円)。マーケットプレイスの年間アクティブユーザー数は4億6600万人。
Amazonは今年、時価総額を大きくせり上げたことで注目を浴びたが、アリババも急激に追いかけている。8月17日午前3時ごろの段階で、アリババの時価総額はAmazonの87%まで上昇した。両社の評価水準は40兆円超で、日本最大企業の2倍以上に達している。

アリババはAmazonのモデルを取り入れることに注力する。アプリでコードスキャンし、アリペイで支払いのできる実店舗の生鮮食品スーパーマーケット「Hema」を上海、北京などで13店舗展開した。無人スーパー「淘咖啡(TAO CAFE)」のコンセプト店舗を開始している。
以下、その他のトピック。
▼LINEと博報堂DYデジタルが広告効果測定で共同プロジェクト
LINEと博報堂DYデジタルは、LINEが提供する各種広告サービスでの広告効果測定に関する共同プロジェクトを開始したと発表した。リリースによると、博報堂DYグループの強みである「生活者データ・ドリブンマーケティング」を活かすことで、ユーザーと企業・ブランドとの結びつきの発生や上昇を表すエンゲージメント指標において、LINE独自の指標を確立・可視化するという。
▼デロイトがスウェーデンのクリエイティブエージェンシー買収
デロイトデジタルはスウェーデンのクリエイティブエージェンシー「エイクニー(Acne)」を買収した。IKEA、Spotifyなどのスウェーデンの巨大広告主をクライアントにしている。直近の決算で、エイクニーの収益規模は3200万ドル(約35億円)と言われる。
▼ViceとAirbnbが協働
Vice MediaとAirbnbが提供する顧客カスタマイズ型ツアー「エクスペリエンス」をめぐって提携。Vice傘下のメディアで放送される世界旅行番組と35カ国で展開される「エクスペリエンス」を絡めた番組などを検討しているようだ。
▼グループエムがビューアビリティ基準を緩和
取扱額世界最大エージェンシーのグループエム(GroupM)はソーシャルメディア上のビューアビリティ(視認性)基準を緩めた。動画は100%視認可能、無音オートプレイあり、ディスプレイは1秒間100%視認可能となった。GroupMとユニリーバはこれまでメディアに対し業界標準より厳しいビューアビリティ基準を要求してきた。
▼ビットコイン衛星の誕生
ビットコインコア開発者を多数抱える、技術者集団ブロックストリームは「ビットコイン衛星」を発表した。すでに稼働している衛星からビットコインのネットワークを地球上の各地に飛ばせる。インターネットインフラがなく自国通貨の信頼性が低い開発国にビットコインの流通を提供できるようになると観測されている。
Via Blockstream
Written by 吉田拓史
Image via Alibaba