複数の情報筋によると、Snapchat(スナップチャット)もメッセージ表示の優先順位を決めるアルゴリズムを開発しているという。
たくさんのパブリッシャーとブランドが、若く活発なオーディエンスへのリーチを求めて、いまもっとも注目されているプラットフォーム、Snapchatにリソースを割いてきた。同サービスでは現在、フォローしているアカウントからのメッセージ表示は時系列となっているが、今後はパブリッシャー、そしてブランドからのコンテンツに対し、キュレーションがなされるようになるかもしれない。
複数の情報筋によると、Snapchat(スナップチャット)もメッセージ表示の優先順位を決めるアルゴリズムを開発しているという。
たくさんのパブリッシャーとブランドが、若く活発なオーディエンスへのリーチを求めて、いまもっとも注目されているプラットフォーム、Snapchatにリソースを割いてきた。同サービスでは現在、フォローしているアカウントからのメッセージ表示は時系列となっているが、今後はパブリッシャー、そしてブランドからのコンテンツに対し、キュレーションがなされるようになるかもしれない。
Snapchatをよく知る、とあるパブリッシャーの幹部は、「Facebookのものと同じモデルになりそうだ。誰もが無料でコンテンツをシェアできるが、誰にペナルティを与え、優遇するかはアルゴリズムが決める。だから、こういうプラットフォームには、どこの世話にもなるべきではない。ルールが変わったとたん、にっちもさっちももいかなくなるのだから」と語る。
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この変更が、いつ実施されるのかは明らかなっていない。だが、パブリッシャー関係の情報筋によると、Snapchatは商用アカウントに影響するアルゴリズムについて、2016年の初頭から議論しているという。プラットフォームは通常、コンテンツがユーザーにとって役立つような並び順になるよう、アルゴリズムを利用する。また、ブランド(およびパブリッシャー)がより目立つ場所を購入できる方法がセットになっているのが普通だ。
どうしても活用したいSnapchat
1日あたり1億人を超える、若者が圧倒的に多いSnapchatのオーディエンスを、パブリッシャーとブランドはどうしても活用したい。そのオーディエンスに無償で接触できる方法としては、プライベートアカウントがあり、投稿したスナップを可能な限り多くのフォロワーに届けるために、パブリッシャーとブランドはオーガニックなプレゼンスの強化に努めている。
たとえば、オンラインコンテンツ企業のポップシュガー(PopSugar)によると、同社のSnapchatメッセージは動画がほとんどで、1日に平均約100万回観られている。動画制作部門であるポップシュガー・スタジオ(PopSugar Studios)のプレジデントを務めるデビッド・グラント氏によると、オーディエンスは1カ月あたり平均75%増加しているという。
「プラットフォームは常に、表示するコンテンツを管理しようとするが、これはそうすることがプラットフォームの力になるからだ。Snapchatもその方法を考え出すだろう」と、グラント氏は語る。
アルゴリズムはメディアに有利?
Facebookはニュースフィードを、ユーザーが適切だと思うだろうとFacebookが判断する基準に基づいて運用している。Googleの検索順位を決定するアルゴリズムは、いまだに最大の謎のひとつだ。
Facebookは、明白なマーケティングにFacebookを利用するブランドには支払いを求めており、広告主がお金を出したブランデッドコンテンツの共有を一部のパブリッシャーに認めたのは、つい最近のことだ。また、ポップシュガーなどのパブリッシャーによると、Snapchat上のコンテンツのスポンサーになることに関心をもつ広告主が増えているという。Snapchatがディストリビューションの管理を強化すれば、あらゆる公式なブランドキャンペーンに影響があるだろう。
Snapchatには、BuzzFeed、コスモポリタン(Cosmopolitan)、Vox Mediaといった有力なパートナーパブリッシャー向けの「ディスカバー(Discover)」というセクションもあり、そこではパブリッシャーがコンテンツと一緒に広告を販売できる。ディスカバーは、パブリッシャーのいわば「会員制クラブ」であり、どのパートナーを会員として迎え入れるかについて、Snapchatは強気の姿勢だと言われている。
Vox Mediaのパートナープラットフォーム担当ディレクターであるクワイア・シチャ氏は、「我々が一緒に仕事をしているほとんどのプラットフォームには、イノベーションを求め、高い品質には報いたいという願望があり、それにはもっともな根拠がある。適切な判断だ」としたうえで、Snapchatのアルゴリズムは知らないが、ほかのプラットフォームではアルゴリズムは質の高いパブリッシャーの力になる傾向があると語っている。
視聴は増えたが、完了率は減った
Snapchatはこの記事に対するコメントを拒んだが、キュレーションを簡単に組み込むことができる変更がSnapchatにはなされている。
2016年3月のリニューアル後は、写真か動画をひとつ開くと、ほかのアカウントからのメッセージを開くために見ているコンテンツを閉じる必要がなくなった。画面をタップすることですべてのコンテンツを見ていくことができるように変わったのだ。
Snapchatとインフルエンサーに関するアドテクプラットフォームであるデルモンド(Delmondo)の統計によると、この変更ですでにパブリッシャーに影響が出ているという。デルモンドが追跡したところでは、パブリッシャーとブランドは視聴数が40%増加したが、完了率が20%減少したのだ。
優れたコンテンツが勝つだけ
若者向けのデジタルパブリッシャーであるコンプレックス(Complex)は、Snapchatのさらに深い所で、オーガニックなフォローを構築してコンテンツを実験している。同社のソーシャルメディア担当ディレクターであるジュリアン・パターソン氏によると、コンプレックスはSnapchatでコンテンツを1本シェアするごとに何万人もの読者にリーチしているという。
パターソン氏は、「アルゴリズムが導入されても驚きではない。その場合、とりわけ優れたコンテンツが勝つだけだ」と語り、もっとも反響のあるコンテンツを求めて、コンプレックスはSnapchatで実験をしてきたと続けた。
プラットフォームが投稿をいかに評価しているかという問題では、パブリッシャーは全般的にブランドより有利な立場にある。たとえば、ブランドはほとんどの場合、Facebookのどこにコンテンツを表示するのにもお金を払わなければならない。
Snapchatはブランドに対して厳しいことで知られており、Snapchatのユーザーはフレンドになる気分ではないと言って譲らない。しかし、ある情報筋によると、お金を払ったブランドをプロモーションアカウントの広告でSnapchatに表示できるようにすることについて、Snapchatは話し合いを続けているという。
Garett Sloane (原文 / 訳:ガリレオ)