オンラインコンテンツ企業であるポップシュガー(PopSugar)の最高経営責任者(CEO)ブライアン・シュガー氏は、Snapchat上での商取引を可能にし、最終的にはマネタイズする手段を見つけたという。
シュガー氏が開発したのは、eコマースアプリ「エモティコード(Emoticode)」だ。これはSnapchatなどと組み合わせて利用するアプリで、Snapchatユーザーのソーシャル行動の中心である「スクリーンショット」を活用している。
Snapchat(スナップチャット)のアプリをブランドやパブリッシャーがクラックして自社のデジタルセールス戦略に組み込むのは簡単ではない。インスタグラムのように美しくキュレーションされていないし、Twitterほど簡単にフォロワーを集められない。Facebookほどシームレスに共有できるわけでもない。
しかし、ハックする方法は必ずある。
オンラインコンテンツ企業であるポップシュガー(PopSugar)の最高経営責任者(CEO)ブライアン・シュガー氏は、Snapchat上での商取引を可能にし、最終的にはマネタイズする手段を見つけたという。シュガー氏が開発したのは、eコマースアプリ「エモティコード(Emoticode)」だ。これはSnapchatなどと組み合わせて利用するアプリで、Snapchatユーザーのソーシャル行動の中心である「スクリーンショット」を活用している。
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「エモティコード」誕生の経緯
ブロガーやブランドは、「エモティコード」を使うことで、Snapchatのストーリーに商品へのリンク(エモティコード)を簡単に挿入可能となり、ファンはそのスクリーンショットから外部のWebページへ遷移できるのだ。ポップシュガーには「ショップスタイル(ShopStyle)」という美容、ファッション、小売りのブロガーが多数参加するプラットフォームがあり、参加ブロガーは「エモティコード」のリンクをいち早く利用し、Snapchatのコンテンツをマネタイズすることになる。
シュガー氏によると、「ポップシュガー」も自らのSnapchatストーリーに「エモティコード」を挿入しているという。また、ローンチ時のパートナーにはユニクロ、ノードストローム(Nordstrom)、セフォラ(Sephora)などのブランドが名を連ねている。
「我々のスナップをきっかけに行動を起こしたいと思う人がいるのは明らかだったが、それを実現する簡単な方法がなかった。そこで『エモティコード』を考えついた」と、シュガー氏は述べる。「エモティコードは、ショッピングに利用できる。レシピ、トレーニング、記事などにも有効だ。スナップやインスタグラムの投稿という枠を超えて、もっとエンゲージしたいものなら何にでも役に立つだろう」。
「ポップシュガー」をはじめ多くのパブリッシャーが、Snapchatの人気を利用する方法を見つけ出そうとしているが、当のSnapchatはスポンサーやブランデッドコンテンツのルールをはっきりさせてない。そのため、人気のあるSnapchatユーザーにお金を出してブランドに言及してもらう広告主もいれば、自らチャンネルを運営している広告主もいる。Snapchatは、有料広告を除けば、まだブランドの取り込みを系統立てて行っていないのだ。
「エモティコード」の仕組み
「エモティコード」は事実上、アフィリエイトリンクのプログラムだ。「ショップスタイル」に参加しているインフルエンサーのコミュニティでは、商品、記事、WebページなどへのあらゆるURLリンクを「エモティコード」変換することができる。「エモティコード」は、最初の2文字が絵文字になった短縮URLだ。インフルエンサーは、そのエモティコードをSnapchatのストーリーにコピーする。
ユーザー側は、コードが表示されたSnapchatストーリーのスクリーンショットを撮影。それを「エモティコード」のアプリから読み込むと、短縮URLのリンク先へ遷移できる仕組みとなっている。「エモティコード」はインスタグラムにも利用可能だ。ちなみに、Snapchatで商品を宣伝したインフルエンサーは売上の約15%を受け取れる。
シュガー氏によると、「ショップスタイル」のコミュニティはすでにSnapchatでリンクを実験していたが、これまでは手作業であり、販売をきちんと追跡したり、ブロガーへの売上分配に役立てたりすることができなかったという。
利用ブロガーからの意見
「ギャルミーツグラム(Gal Meets Glam)」のブロガー、ジュリア・エンゲル氏は、自身のWebサイトやインスタグラムなどのソーシャルチャネルで、アフィリエイトマーケティングを約5年間行ってきた。旅行、ファッション、美容といった女性のライフスタイルについてのコンテンツを作っている。
エンゲル氏は、「Snapchatは、どのソーシャルプラットフォームともまったく違うオーディエンスとやりとりができる点が独特だ。ブログですらそれほど個人的というわけではない。しかし、Snapchatは超個人的なものだ。Snapchatでは、あまりキュレーションができない。直接的であり、インスタグラムのように美化がされない」と話す。
「ショップスタイル」のネットワークに参加しているエンゲル氏は、「エモティコード」について、Snapchatに注いだ労力からお金が稼げるはじめてのケースになるだろうと語った。
エンゲル氏は、Snapchatのフォロワー数を把握していない。Snapchatアプリはフォロワー数が簡単にはわからないからだ。しかし、ストーリーの閲覧数は1本あたり平均3万5000くらいだという。そして、エンゲル氏によれば、ファンは必ずスクリーンショットを撮影し、彼女がストーリーのなかで身につけている商品についてもっと知りたいとメッセージを送ってくる。「『エモティコード』のアイデアは本当に気に入っている。だってスクリーンショットを撮るのは自然な行為だから。私は何でもスクリーンショットを撮る」と、エンゲル氏は述べた。
エンゲル氏のブログである「ギャルミーツグラム」では、ギャップ(Gap)、エクスプレス(Express)、ノードストローム、アンスロポロジー(Anthropologie)などのブランドを取り上げている。
マーケターサイドの見立て
ファッションのデジタル専門店エバーレーン(Everlane)は、Snapchatを使い、1本あたり約8000ビューのストーリーで取り扱いブランドを宣伝している。エバーレーンのソーシャル責任者、レッド・ガスケル氏によると、「ショップスタイル」のブロガーはエバーレーン商品の宣伝にも協力しており、「エモティコード」のベータテストを実施したという。
ガスケル氏は、「適切なパートナーと組んでターゲティングする、オーディエンスについて戦略的な人ならば、非常に効果的なのではないだろうか。我々が商品に関するストーリーを作ると、こちらが何もしなくても人々はスナップショットを撮り、その商品を購入できるところや商品があるサイトを見つけている。だから、Snapchatがこうした反応の起きる場所だということは明らかであり、あとは、その反応ができるだけスムーズに起きるようにしてやるだけでいい」と語った。
Garett Sloane (原文 / 訳:ガリレオ)