Pinterest(ピンタレスト)が、より収益性の高い動画広告の販売に乗り出そうとしている。FacebookやTwitterなど、ライバル企業が同分野に進出したのを受けての動きだろう。
米DIGIDAYにもたらされたエージェンシー向けのブリーフィング文書によると、同社は動画広告ユニットの提供を計画していることが示されている。しかし、対応フォーマットがどうなるのかは、明らかにされていない。この計画を告げられたエージェンシーの役員は「ほかのプラットフォームの進化と同様に動画対応していくことは、Pinterestにとって理に適ったことだ」と、話す。
FacebookとTwitterは、メニューの提供開始時から、ミュートがデフォルトな自動再生の動画広告を展開している。関係筋によると、Pinterestは、自らのプラットフォームにふさわしい、そのユーザー体験にブランド企業がフィットする、ハウツービデオや料理ガイドなどをプロモートできるようなメニューを展開するだろうと、話している。
Pinterest(ピンタレスト)が、より収益性の高い動画広告の販売に乗り出そうとしている。FacebookやTwitterなど、ライバル企業が同分野に進出したのを受けての動きだろう。
米DIGIDAYにもたらされたエージェンシー向けのブリーフィング文書によると、同社では動画広告ユニットの提供が計画されているという。しかし、対応フォーマットなどの詳細は、明らかにされていない。この計画を告げられたエージェンシーの役員は「ほかのプラットフォームの進化と同様に動画対応していくことは、Pinterestにとって理に適ったことだ」と、話す。
FacebookとTwitterは、メニューの提供開始時から、ミュートがデフォルトな自動再生の動画広告を展開している。関係筋によると、Pinterestは、自らのプラットフォームにふさわしい、そのユーザー体験にブランド企業がフィットする、ハウツービデオや料理ガイドなどをプロモートできるようなメニューとなるだろうと、話している。
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動画視聴という慣習
だが、Pinterestがプロモーテッドビデオを成功させるためには、まず同サービスのユーザーに動画視聴という慣習を根付かせる必要があると、ニューヨークのデジタルエージェンシー、アール・ジーエー(R/GA)社の戦略担当ディレクター、ディブ・サーガン氏は指摘する。主なPinterestユーザーが求めているのは動画視聴ではなく、美しい写真や真似したいレシピの投稿だからだ。ユーザーの好みやスタイル、または購入意識を反映させたデジタルピン(投稿)こそが、ピンタレストでは重要だという。
加えて、サーガン氏は「我々は、Pinterestが動画コンテンツで良い体験を作り出し、それに広告プロダクトが続くことを期待している」と語る。「まずは、自社プラットフォームのユーザー行動が、動画広告を受け入れるのかの確証を掴まなければならない」。
サーガン氏が指摘するようなビデオ戦略は、もとはFacebookが行っていた。最初にオーガニックビデオをユーザーのフィード上に提供し、ユーザーによるビデオ視聴習慣が浸透したところで、プロモーテッドビデオを導入するというものだ。その結果、Facebookビデオは現在、1日80億回の視聴を獲得している。
主なクライアントは小売業者
サーガン氏のアール・ジーエーにおける、Pinterestの主なクライアントは小売業者で、同社の成長見通しの重要な部分を占めるという。また、調査会社eマーケター(eMarketer)によると、小売業界はアメリカでもっともデジタル動画広告に投資をしており、2015年の全体の投資は16億ドル(約1832億円)となっている。
ビデオの製作は、Pinterestの体験の大きな一部となる可能性をもっていると、サーガン氏は話す。「Pinterestはひとつのピン(投稿)で深い体験を得られる。そして、GIFやビデオを含められるチャンスもある」。
なお、この記事の執筆に際して、Pinterestへの取材を試みたが、コメントは拒否された。そのため、いつ動画広告がローンチするのかは不明だ。
ブランドはこの動きに意欲的
2015年、Pinterestはシネマティックピンを導入した。同社として最初の動画広告ユニットだ。GIFに似たスタイリッシュな機能性によって、ユーザーは画面を上下にスクロールさせた時にだけ動き出すようになっている。この広告フォーマットは芸術的かつ革新的だと評価され、小売大手のターゲット(Target)やハンバーガーチェーンのウェンディーズ(Wendy’s)など、多くのブランド企業がチャレンジしているが、その効果については明かされていない。
メディアエンターテインメントグループのNBCユニバーサル(NBCUniversal)社のデジタルマーケティング担当エグゼクティブバイスプレジデント、ダグ・ネイル氏は「ビデオの訴求力はとても強い」と話す。同社では新作映画のプロモーションを、Pinterestで展開することを計画中だ。
Pinterestは、これまでにも広告テクノロジーを開発してきた。そのため、FacebookやTwitter、インスタグラムなどの競争相手と同程度のオファーができるはずだ。同社は、サードパーティーがクライアントのためにプロモーテッドピン(投稿)を購入できる広告APIを公開している。データを応用し、広告のターゲットを絞り、キャンペーン結果の測定が可能だ。
最高のビジュアルプラットフォーム
また、Pinterestはプロダクト計画の仕上げとして、2015年に「購入(buy)ボタン」を導入した。これはブランディングキャンペーンにおいて、シネマティックピンを呼び水に、さらに確実に購入へ結びつけるためオプションとして機能している。
Pinterestで、ブランド企業の広告展開を仲介しているアダプトリー(Adaptly)社のプレジデント、ショーン・オニール氏は、動画広告というオプションの追加は、同サービスにとって当然の選択だという。
「これはブランドにとって、またとない好機のようだ。Pinterestは、Web上で最高のビジュアルプラットフォームのひとつだから」。
Garett Sloane(原文 / 訳:南如水)
Image by Thinkstock / Gettyimage