広告業界は岐路に立っている。データとアイデンティティのソリューション、消費習慣、テクノロジープラットフォームの断片化により、バイヤーとセラーが将来に向けて成功するための戦略的なロードマップを設定することが、非常に困難になってきているのだ。ーーXandr(ザンダー)のマイク・ウォルコン氏による寄稿。
本記事は、米通信大手AT&Tのアドテク部門、Xandr(ザンダー)で企業戦略&開発のシニアアソシエイトディレクターを務めるマイク・ウォルコン氏による寄稿となります。
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広告業界は岐路に立っている。データとアイデンティティのソリューション、消費習慣、テクノロジープラットフォームの断片化により、バイヤーとセラーが将来に向けて成功するための戦略的なロードマップを設定することが、非常に困難になってきているのだ。
そのために重要なことは、統一性を重視するマインドセットである。バイヤーとセラーのニーズは、かつてないほど明らかに異なってきている。バイサイド、セルサイド両側でサービスを提供するプラットフォームは、独自の視点をもっているため、これらの多岐にわたるニーズをまとめて統一的な戦略を確立するという、重要な役割を担っている。
アイデンティティの統一
昨年から、データとアイデンティティのあり方に大きな変化があり、業界を揺るがしている。バイヤーはサードパーティCookieによって実現していたパフォーマンスを維持しようとしており、セラーも同様に、消費者のプライバシーを維持しながら在庫の価値を最大化しようとしている。サードパーティCookieの廃止が間近に迫るなか、プロバイダーによって選択肢は異なるが、広告目的を達成するための柔軟性、透明性、バイヤーとセラーの両方との協力関係を優先する常識的なソリューションが優位に立つだろう。
Xandrのアプローチの特徴は、顧客や業界全体とのオープンなパートナーシップにある。それは、膨大なファーストパーティとサードパーティデータを扱ってきた、Xandrの長い歴史によって支えられている。これらのデータを大規模な広告テクノロジーのマーケットプレイスでインテリジェントに活用することによって、サイロを取り除き、この業界のすべての取引において、プライバシーを最優先にして消費者に適切な広告を提供し続けることができるのだ。
コンバージェンス(融合)のための統合
オーディエンスがコンテンツを消費する方法が変化していることは周知の事実である。コネクテッドTV(CTV)とオーバーザトップストリーミングサービス(OTT)の台頭により、プレミアムコンテンツを1日中、いつでもすぐに視聴できるようになった。消費者は、簡単にアクセスできるコンテンツには多くの不満をもたない。ただし、広告主やパブリッシャーにとっては、オーディエンスが視聴している瞬間に、一貫性のある気にならない方法でリーチできる統合プラットフォームが必要になるという、新たな課題が生じる。
デジタルとTVのコンバージェンス(融合)はいまだ初期段階にあり、ターゲティング、アクティベーション、測定の方法がそれぞれ異なるソリューションが、さまざまな角度から登場している。その結果として生じた断片化により、バイヤーがサプライにより良い方法でアクセスできるように、オープンインターネットや「ウォールドガーデン」の外側にあるプラットフォームを求める声が高まってきた。
キュレーションや、リニアとデジタルのオーディエンスの統一など、ユニークでクリエイティブなサービスが普及し始めており、それらのサービスによって、統一化された購買戦略がより広く適用されるための道が拓かれているのだ。
未来へ向けた統一
業界が、断片化に対処し、異なるフォーマット間の取引を簡素化する方法を模索しているなかで、アドテクのエコシステムにおける長期的な戦略を成功させるためには、ディスプレイだけでなく、CTV/OTT、データドリブンリニア、オーディエンスベースの機能などをサポートするソリューションが必要となる。
業界は、ニッチでゲート化されたデータを増やして「底辺に向けた競争」のような統合のパターンを続けるのではなく、むしろ、既存の在庫にデータを重ねるための、インテリジェントで消費者に安全な方法を必要としている。メディアやデータのパッケージ化が進展するなかで、バイヤーは、カスタマイズ性や最適性を求めている。パブリッシャーは、さまざまなフォーマットでオーディエンスを予測し、パッケージ化するための新しい方法を模索している。広告主、パブリッシャー、消費者のニーズが刻々と変化する状況に対応するために、業界はこの1年で大きく進化してきたが、多様でバラバラなデータセットやサプライソースが続々と登場したために、苦戦を強いられている。
このような進展を踏まえて、精緻で統一的な広告戦略を可能にする柔軟なソリューションを提供できるかどうかが、業界でのシェア拡大を目指すプラットフォームにとって、重要な差別化要因となるだろう。
Sponsored by Xandr
Written by Mike Wolkon、Senior Associate Director、Xandr Corporate Strategy & Development