米オラクルは22日(米国時間)、イスラエルのクラウド・スタートアップ、ラベロ・システムを買収することで合意したと発表した。オラクルは取引の金銭面の条件を公開していないが、関係者は買収額が5億ドル(約550億円)に上ったと言う。
テックメディアのベンチャービートによると、ラベロは総額5400万ドル(約60億円)を集めている。2011年創業、本拠地は米カルフォルニア州パロアルト。ラベロの社員はオラクル・パブリック・クラウド (OPC)に所属することになる。
クラウド分野では、AmazonのAWS(アマゾン・ウェブ・サービス)が業界の開拓者であり、トップ企業。Amazonはストレージやクラウドコンピューティング市場を開拓し、企業は自社のデータセンターを閉鎖し、AWSに乗り換えてきた。Amazonの第4四半期決算によると、AWSは2015年、売上高を前年比69%増の79億ドルまで伸ばした。IoT(インターネット・オブ・シングス)などにも事業を多様化させる方向だ。
米オラクルは22日(米国時間)、イスラエルのクラウド・スタートアップ、ラベロ・システムを買収することで合意したと発表した。オラクルは取引の金銭面の条件を公開していないが、関係者は買収額が5億ドル(約550億円)に上ったと言う。クラウド分野で先行するAmazonを追走するため、買収による強化を行った格好だ。
テックメディアのベンチャービートによると、ラベロは総額5400万ドル(約60億円)を集めている。2011年創業、本拠地は米カルフォルニア州パロアルト。ラベロの社員はオラクル・パブリック・クラウド (OPC)に所属することになる。
クラウド分野では、AmazonのAWS(アマゾン・ウェブ・サービス)が後続に差をつけている。Amazonはクラウド・インフラストラクチャー市場を開拓。企業は自社のデータセンターを閉鎖し、AWSに乗り換えてきた。Amazonの第4四半期決算によると、AWSは2015年、売上高を前年比69%増の79億ドル(約9000億円)まで伸ばした。IoT(インターネット・オブ・シングス)などにも事業を多様化させる方向だ。
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成長が約束された市場で、AWSをマイクロソフト、Googleなどが追走しており、後発のオラクルは買収で「時間を買った」格好だ。IDCによると、クラウド・インフラストラクチャー支出は年平均15.1%で伸び、2019年までに企業ITインフラ支出の46%、531億ドル(5兆8400億円)に達する見通し。
200億ドルの現金、次の買収も視野?
オラクルは2016年1月にオーディエンストラックツールを提供するアッドジス(ADDThis)を買収した。買収額は非公開だが、一部報道では1億〜2億ドルと言われる。アッドジスはオラクルのデータクラウド部門に入った。この分野ではオラクルは2014年にブルーカイ(BlueKai)とデータロジックス(Datalogix)という影響力のある2企業を買収している。
近年買収した企業(一部)、オラクルホームページより
オラクルは200億ドル(約2兆2000億円)を超す、潤沢なキャッシュをもっており、2016年もモバイルアプリのデベロッパーに親和性の高い、クラウド・スタートアップなどを買収するなどの観測が出ている。
Written by 吉田拓史
Photo by Thinkstock/Getty Image