X(Twitter)*に特化したオランダ発のターゲティングソリューション「SuperAudiences(スーパーオーディエンス)」が2022年7月に日本でローンチして、1年が経過した。さらに広がりを見せるデータプライバシー保護規制や、大元となるプラットフォームXの急速な改革など、X広告を取り巻く環境が大きく変化するなか、ファーストパーティデータのみを活用した精度の高いセグメントを強みに、着実に成長を遂げている。
その鍵を握るのが、日本市場の特性を掴んだアプローチだ。日本市場の特性として、ダイレクトレスポンスを求める獲得型広告の案件が多いと指摘するのは、SuperAudiencesを開発したテクノロジーベンダー、Socialdatabase(ソーシャルデータベース)のCOOデューコ・ヤンセン氏だ。獲得済みユーザーの重複を避けるため、同氏は、「関連コミュニティや類似ユーザーにもリーチさせるなど、プランニングの段階で効果的な設定を提案することが重要だ」と強調する。同じ行動パターンのユーザーを見つけてターゲットを拡張することができるのも、SuperAudiencesの特徴だ。
このSuperAudiencesをローンチまもない昨年8月から導入し、獲得型広告として活用しているのが、新感覚Vtuberアプリ「IRIAM(イリアム)」**だ。「ユーザーとの親和性が高く、獲得効率もよい」ことから、以前からX広告に注力し、SuperAudiencesを使い続けているのだという。
めまぐるしい変化のなかで、SuperAudiencesは日本市場にどのようにアプローチし、X広告にどのような成果をもたらしているのか。そして、広告主の視点から見たSuperAudiencesの魅力とは何か。Socialdatabaseのデューコ氏とAPAC担当の上田裕梨氏、X(Twitter Japan)の湯川大輝氏、SuperAudiencesの日本販売代理店Legoliss(レゴリス)でセールスを担当する堤ユキナ氏、さらに、IRIAMでマーケティングを担当する庄嶋洋祐氏、親会社DeNAでX媒体の担当を務める辰巳佳衣氏が一堂に会し、この1年を振り返るとともに、X広告の可能性について語った。
X(Twitter)*に特化したオランダ発のターゲティングソリューション「SuperAudiences(スーパーオーディエンス)」が2022年7月に日本でローンチして、1年が経過した。さらに広がりを見せるデータプライバシー保護規制や、大元となるプラットフォームXの急速な改革など、X広告を取り巻く環境が大きく変化するなか、ファーストパーティデータのみを活用した精度の高いセグメントを強みに、着実に成長を遂げている。
その鍵を握るのが、日本市場の特性を掴んだアプローチだ。日本市場の特性として、ダイレクトレスポンスを求める獲得型広告の案件が多いと指摘するのは、SuperAudiencesを開発したテクノロジーベンダー、Socialdatabase(ソーシャルデータベース)のCOOデューコ・ヤンセン氏だ。獲得済みユーザーの重複を避けるため、同氏は、「関連コミュニティや類似ユーザーにもリーチさせるなど、プランニングの段階で効果的な設定を提案することが重要だ」と強調する。同じ行動パターンのユーザーを見つけてターゲットを拡張することができるのも、SuperAudiencesの特徴だ。
このSuperAudiencesをローンチまもない昨年8月から導入し、獲得型広告として活用しているのが、新感覚Vtuberアプリ「IRIAM(イリアム)」**だ。「ユーザーとの親和性が高く、獲得効率もよい」ことから、以前からX広告に注力し、SuperAudiencesを使い続けているのだという。
めまぐるしい変化のなかで、SuperAudiencesは日本市場にどのようにアプローチし、X広告にどのような成果をもたらしているのか。そして、広告主の視点から見たSuperAudiencesの魅力とは何か。Socialdatabaseのデューコ氏とAPAC担当の上田裕梨氏、X(Twitter Japan)の湯川大輝氏、SuperAudiencesの日本販売代理店Legoliss(レゴリス)でセールスを担当する堤ユキナ氏、さらに、IRIAMでマーケティングを担当する庄嶋洋祐氏、親会社DeNAでX媒体の担当を務める辰巳佳衣氏が一堂に会し、この1年を振り返るとともに、X広告の可能性について語った。
*Twitterは2023年7月末、その進化を加速させていくという方針のもと、「X」へのリブランディングを発表した。
**1台のスマホと1枚のイラストがあれば、キャラクターライブ配信ができるアプリ。APAC地域における優れたパブリッシャー・モバイルアプリ/ゲームを表彰するSensor TowerのAPAC Awards 2022で、日本のベストバーチャルライブ配信アプリ賞となる Best Virtual Live Streaming App in Japanを受賞するなど、若い世代を中心に高い支持を得ている。
◆ ◆ ◆
——SuperAudiencesが日本でローンチしてからの1年は、プラットフォーム自体が大きく変わった時期と重なります。
湯川大輝(以下、湯川):イーロン(・マスク氏)による新体制になった昨年10月以降、「世界でもっとも正確な情報源となり、コミュニケーションにおけるグローバルタウンスクエアとなる」というミッションのもと、プロダクトの開発や改革を進めてきました。具体的には、オーガニックでは有料サブスクリプションサービスであるX Premiumへの機能追加、Verified Organizations(認証済み組織)のローンチなどです。
広告商品についてはキーワード広告やバーティカルビデオ広告、アカウントユーザー名やキーワードを設定することで、意図しないポストに隣接する形で広告ポストを表示させないようにコントロールするブランドセーフティ管理機能など、この半年で非常に多くの機能をローンチしました。変化のスピードが速いため、何かと話題になりますが、現在も日本のMAU(月間アクティブユーザー)は6650万人と成長を続けており、日本でもっとも活用されているオンラインプラットフォームのひとつであることに変わりありません。
(左から)湯川 大輝/X(Twitter Japan株式会社)API JAPAC Lead / Revenue Product Specialist。大学在学中にTwitter(現X)のサンフランシスコ本社にて1年間インターンを経験後、日本でJAPACのライブ配信ビジネスの立ち上げに携わる。現在は、ライブビジネスに加えて、新たなAPIの仕組みの整備や普及に努めている。
堤 ユキナ/Legoliss プロダクトソリューション事業部 アカウントマネージャー。新卒でLegolissに入社。プロダクトソリューション事業部でX広告向けソリューション「SuperAudiences」をはじめとするSocialdatabase社のソリューションセールスを担当。また、その他の動画広告ソリューションや、位置情報ソリューションのプロダクトセールスにも従事。
デューコ・ヤンセン(以下、デューコ):ユーザーにとって興味のある広告を表示することができれば、広告は迷惑スパムではなく役立つ情報になり得ます。Socialdatabaseも創業以来、ユーザーと広告の関連度を上げることをビジョンとして掲げ、SuperAudiencesというソリューションを展開してきましたが、Xのめざすものによりマッチしつつあるので、いまの変化を前向きに捉えています。
——さまざまな変化を受けて、国内外の広告主はどう反応していますか?
上田裕梨(以下、上田):海外では、広告を停止するなどセンシティブに対応する企業もあったようですが、日本ではそこまでのインパクトはなかったように見受けられます。
(左から)デューコ・ヤンセン/Socialdatabase COO。大手コンサルティング会社を経て、2013年にデータアナリストとしてSocialdatabaseに参画。その後、クライアントパートナーとして事業の開発・発展に従事。現在は同社COOとして、グローバルに渡るXチームやパートナーと密に連携し、X上のすべての広告主に自社のオーディエンスを利用していただくことをめざしている。
上田 裕梨/Socialdatabase APAC担当 Business Development。大卒で電通アイソバー(現電通デジタル)に入社。主に外資クライアントのSNS領域を中心としたデジタルマーケティングを支援。2021年にワーキングホリデーでオランダに移住後、Socialdatabaseにビジネスデベロップメントマネージャーとして参画。APACにおける事業開発および日本展開の推進を担当。
湯川:グローバルブランドが重視するブランドセーフティ機能を強化するなど、これまでにない新しい機能を次々に出したことで、広告主の皆様の不安を解消しつつあると感じています。それは、しばらく様子を見ていた海外の広告主が、徐々に戻ってきている状況からも見てとれます。
デューコ:イーロン自身も広告主の存在は重視していましたし、今年6月に就任したCEOのリンダ・ヤッカリーノ氏も同じ考えではないでしょうか。広告主にとって、より使いやすいプラットフォームに変化したことが海外のクライアントが戻ってくるきっかけになった。日本でも、データプライバシーやブランドセーフティに関する意識が強くなり、関連性のあるユーザーにターゲティングする需要が高まるなかで、SuperAudiencesは受け入れられてきました。日本でローンチする際には、言語の問題や日本独特のXの文化の壁があって苦労しましたが、1年経ったいま、導入が進んでいることを嬉しく思います。
——「日本独特のXの文化」とは具体的にどのようなことでしょうか。
堤ユキナ(以下、堤):bio(プロフィール欄)に勤務先を書く人がとても少なく、また、自らポストする割合よりも、フォローやいいねのアクションの割合の方が高いというのが、独特であると言えます。海外でもパッシブユーザーといわれる受け身のユーザーが比較的多いものの、日本では情報収集を主な目的として利用する人が圧倒的に多い印象を受けます。
bioに記載しない、ポストしないユーザーが多いということは、単にbioやポストされるキーワードを抽出するだけではターゲティングのボリュームが不足してしまいます。そのため、オーディエンスを作るにあたり、エンゲージメントやフォロー・フォロワーの繋がりなど多角的な行動分析を重要視しています。
上田:タイムリーな情報源として認識されていることも特徴的です。放送中のテレビ番組やスポーツ中継についてポストしたり、地震・台風や交通機関の運行状況を確認するなど、そのときに必要な情報を得る手段として利用されます。もちろん、海外でも同じように使われることがありますが、日本ほど連携の強さはありません。だからこそ、日本のユーザーはコミュニティの行動を分析することによって、類似コードや類似オーディエンスを見つけやすくなるという側面があります。
——日本でのローンチ後に見えてきた傾向やそれに対する施策などはありますか?
デューコ:この1年を通して、2つの課題が見えてきました。ひとつはオーディエンスのデータをどう可視化するかということ。データベース内の翻訳はできていて、現在はアウトプットする際の翻訳のアップデートを進めているところです。もうひとつは、日本では獲得系の案件が多いこと。コアなターゲットに絞ると獲得済みのユーザーと重複するので、関連コミュニティや類似ユーザーにもリーチできるよう、プランニングの段階で効果的な設定を提案することが重要だと感じました。一定の行動パターンに基づいて分類したユーザー群をさらに深く掘り下げてターゲットを絞り込んだり、同じような行動パターンのユーザーを見つけてターゲットを拡張することができるのが、SuperAudiencesの強みでもあります。
湯川:海外では認知目的での広告配信に利用されることが多い印象ですが、IRIAMさんのようなパフォーマンス系の事例は日本特有ともいえます。SuperAudiencesを活用した日本独自のX広告の事例が増えるのはうれしいことです。
——IRIAMがSuperAudiencesを導入したきっかけは?
庄嶋洋祐(以下、庄嶋):IRIAMユーザーにもっとも利用されているコミュニケーションツールがXであり、親和性が高く獲得効率も良いことから、以前から広告を出稿していました。ちょうど昨年、新規ユーザー獲得にさらに注力し、X広告にも力を入れていくことになりました。ターゲットを広げつつ精度を上げるための施策について検討していたところ、代理店様に提案していただいたのが、SuperAudiencesでした。X広告にはポテンシャルを感じていましたし、現状を打破するためには試してみる価値があると感じ、昨年8月に導入を開始しました。
(左から)庄嶋 洋祐/IRIAMプラットフォーム事業部グロースマーケティンググループ。インターネット広告代理店から2017年12月にDeNAへ入社。複数のゲームタイトルやヘルスケア、新規事業などのデジタルマーケティングを担当。2022年1月に株式会社IRIAMに出向し、デジタルマーケティングを含む新規ユーザー獲得を担当。
(左)辰巳 佳衣/DeNA ソリューション事業本部ストラテジックマーケティング統括部マーケティング部。事業会社、インターネット広告代理店、出版社のマーケターを経て、2023年2月からDeNAの全事業を横断してマーケティングに携わる。 Xの媒体担当と併せ、IRIAMとは別のライブストリーミング事業のマーケティング業務推進に従事。
——実際に導入してみて、どのような成果がありましたか?
庄嶋:想像以上の効果が得られました。CTVRが上がり、継続率も改善し、獲得数も1.5倍ほど伸びました。もともとXは、「いま」を切り取る力が強く、トレンドに応じた切り口でターゲティングができるところが魅力です。そのため、独自に立てた仮説と自ら抽出したターゲティングをテストしていく取り組みは、やればやるほど成果が出る可能性があります。SuperAudiencesを導入することで、そうした作業を手間や工数をかけずに進めることができ、ランニングコストに見合う効率を実感しています。今後は、「ターゲットを広げる」ことをポイントに、興味関心への関連度を少し下げたターゲティングも試してみたいですね。
上田:庄嶋さんがおっしゃるように、Xの既存ターゲティングでは、デスクリサーチのような形で、アカウントやハンドル、キーワードを独自でターゲティングしていただく必要がありましたが、SuperAudiencesは、コアオーディエンス内で頻繁に使われているキーワードやエンゲージされているハンドルなどをデータ化し、数値で出すことができます。タイムリーかつ効率的に関連性の高いオーディエンスをターゲティングできるので、そこにバリューを感じていただけたのだと思います。
——IRIAMのほかにも、DeNAグループ内でSuperAudiencesは活用しているのでしょうか。
辰巳佳衣:DeNAグループ内では、ライブストリーミング系のアプリなどで導入しているのですが、「精度の高さ」が魅力だと感じています。グループ内で活用する際には、IRIAMの結果も見つつ、どのようなターゲティングがいいのかを代理店様を通して相談できますし、母数や精度についても具体的なアドバイスをいただきながら進められるのも安心できるところです。
堤:私もクライアント様とのコミュニケーションが結果に直結することを実感しています。Xユーザーの特徴を十分に考慮した上で、狙いたいターゲットや、ターゲットに対するアプローチについて事前によく話し合うことで、良い結果が得られる。IRIAMさんのケースでは、都度ご相談いただき、ターゲティングをアップデートしていったことが、効果を実感していただけた一番の要因ではないかと思います。
この1年でIRIAMさんやDeNAさんのほかにも、PC関連・通信・化粧品・アパレルなど幅広い業種や業界でSuperAudiencesを導入していただきました。既存のターゲティングオプションではリーチできなかった興味関心の高いユーザーをSuperAudiencesならターゲティングできるということで、職種や役職、具体的な企業名といったセグメントのほか、「学生」「お子さんのいる母親層」「高所得層」といったかなり具体的なターゲティングを希望されるB2Bのお客様からのお問い合わせも増えています。
——海外ではすでにB2Bサービスを展開されているそうですね。
上田:はい、リーチしたい企業別リストをもとに、企業名やその企業の従業員か意思決定者かなどをセグメントすることができるABM(アカウント・ベースド・マーケティング)をヨーロッパやアメリカ、シンガポールやマレーシアなどのAPACで展開しています。まさにいま、日本国内でのトライアルを進めているところです。
SuperABMの仕組み
SuperAudiencesが役職、業界、業種、職種などに基づいてオーディエンスを抽出するのに対し、SuperABMは、特定法⼈企業(ABMターゲット)に広告を表⽰できる、世界初のサービスだ。
堤:日本でのローンチは、今秋を予定しています。日本では、B2B向けのソーシャルメディアが少ないなか、XをB2Bコミュニティとして利用しているケースが多くあります。海外でビジネス向けターゲティングを実施している企業から、日本でも同様の施策ができないかとご相談をいただくことも増えているため、Xでもビジネス向けターゲティングを強化することで、新たなB2Bチャネルとしての立ち位置を築いていきたいと思っています。
SuperAudiencesはXのあらゆるデータを複合的に読み込み、分析することによってオーディエンスを抽出できるソリューションです。多様性のあるプラットフォームで、届けたいユーザーにきちんとメッセージが届けられるのが最大の魅力です。日本でABMがローンチされれば、ビジネス向けターゲティングを希望する企業にとって、大きな武器になると期待しています。
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Written by DIGIDAY Brand STUDIO(山本千尋)
Photo by 高村瑞穂