インスタグラムは2022年後半、メディア企業に報酬を払って「リール(Reels)」投稿を促していた。だが、メタ(Meta)傘下のインスタグラムが最近、リール広告を拡大・強化すると発表したことにより、この1年で多くの変化が […]
インスタグラムは2022年後半、メディア企業に報酬を払って「リール(Reels)」投稿を促していた。だが、メタ(Meta)傘下のインスタグラムが最近、リール広告を拡大・強化すると発表したことにより、この1年で多くの変化が起きる可能性がある。
TikTokの人気に対抗する答えとしてかつては物議を醸していたリールは、存続可能な広告ソリューションとなってパフォーマンスを向上するのに十分な勢いを得てきたようだ。
進化するリール広告
今年6月、カンヌライオンズ国際クリエイティビティフェスティバルの場で、メタはリール広告の拡大を発表した。メタのブログ投稿によると、「クリエイターのリールに掲載された広告収入ではなく、クリエイターの公開リールのパフォーマンスに基づいて支払いモデルを進化させる」という(これに先立ち、メタはFacebookとインスタグラムでのクリエイターに対するリールのボーナス提供を終了している)。
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また、Facebookとインスタグラムのリールにアプリプロモーション広告(以前はアプリインストール広告として知られていた)を導入し、Facebookリールでの音楽の最適化をテストしている。
「リールはこれまで我々にとって絶対的な存在だった」と、メタで米国およびラテンアメリカのグローバルビジネスグループ担当バイスプレジデントを務めるアルビン・ボウルズ氏は話す。「オーガニックに利用されているが、現在はマネタイズの側面に注力している」。
6月初めまで、ビジネスエコシステムパートナーシップ担当バイスプレジデントだったボウルズ氏がこの役職に就いたのは、ごく最近のことだ。カンヌのフランス風なボードウォーク沿いにあるメタ・ビーチで、DIGIDAYはボウルズ氏とリール、そしてWhatsAppのマネタイズについて話し、測定やAIがメタの将来にどう適合するかについて質問した。
わかりやすくするために、この会話は少し編集している。
◆ ◆ ◆
――リールとWhatsAppのマネタイゼーションが、メタの最新の焦点だ。この最近の動きについてブランドと広告主が知っておくべきことは?
今のところ焦点の多くはリールだ。フォーマットとしてリールに注力しており、現在はリールのユーザーに従っている。明らかにブランドやエージェンシーなどのためのものだが、プラットフォームでのアクティビティを促しているクリエイターやインフルエンサーのためのものでもある。オーディエンスを抱える誰もが、望めばリールをビジネスに変える力がある。我々はまた、おそらくブランドが考えもしなかったであろうかたちで、彼らが関心を抱いていることを提供できる。
これは多くの点でブランドにとって安全だ。我々はこの業界とエコシステムにこれまで多額の投資を行っており、WFA(世界広告主連盟)や、GARM(世界広告主連合によって設立された業界横断的なグローバルアライアンス)などの団体と肩を並べて全面的に協力している。
また、自社の課題を採点するために、多くの測定主体を持っている。我々の事業が人々にとって正しい取り組み方であるかどうかを確認するものだ。 我々は規模を拡大したため、より多くの人々が快適に活用できるようにしたいと考えている。
――測定、それもとくにメタの最新の「Advantage+(ASC)」など、AIベースのサービスについて、ブラックボックス化したソリューションというレッテルを貼られていることにどう対応しているか?
それの測定面については、実はかなり前から対応してきたものだ。既存のあらゆる測定主体と協力している。WFAやさらにはGARMにも参加することで、この点に関して基準を設けられる。我々はあらゆるかたちの管理と測定を歓迎している。プラットフォームの有効性の理解に関して、多くの点で明確に自社の課題を評価しているが、それはサードパーティの機関によって検証されている。そうした測定がどのようなものかを理解する点で、我々はここ数年、多くの逆風にさらされてきたと思うが、興味深い進展があった。
測定主体やエージェンシー、ブランドと話せば、競争力のあるソーシャルメディアという観点から、当社は業界における有力企業であり、この問題を極めて真剣に受け止めていることが分かるだろう。プライバシーは実に重要だ。我々は実際に、消費者とブランドをプラットフォームで行っていることの最前面に置き、そのうえでプラットフォームが結果を出せるようにしている。それはもう逆風ではなく、当社の事業の中核となる強みだ。
――Advantage+やリール広告、WhatsAppのマネタイゼーションは、メタの売上多様化にどのように組み込まれるのか?
これらのものを自由にできると、思考やソリューションを多様化できる。我々は常に、次にすべき正しいことを明らかにしようと自らを駆り立てている。リールを例に取ろう。リールは消費者向けエンゲージメントツールで、リールを軸に事業を構築している。消費者の行動、そして視覚、聴覚、動きが我々のプラットフォームで時間を過ごす場であることを示唆しているという事実に基づいて、消費者を追っている。
リールというこのキャンバスをどのようにマネタイズの手段に変えれば、ブランドがターゲットにしようと努めている消費者の注意を、真にエンゲージしながら集め続けることができるのだろうか。我々はブレずに、常に新しいものに挑んでいる。ASCは我々が今実際にもっとも注力しているものだ。加えてリールは、前述のようにビジネス向けメッセージツールだ。
――メタは何らかのプロジェクトやマネタイゼーションの機会を棚上げして焦点を移したのか?
我々は、動画についてただの進化と考えがちだ。何かを棚上げしたとは思わない。この業界で競争していくためには、シェアをシフトするだけではなく、拡大して人々に無限の選択肢を提供しなければならない。
我々は新製品提供の代わりに、我々が考えるソリューションを伝える。これは、コンサルティングの要素が強いものだ。なお、ASCに関する目標はない。ASCは個人が(我々を利用して)成果を出せるツールキットのひとつに過ぎないからだ。
[原文:Meta’s Alvin Bowles on next steps for Reels ads]
Kimeko McCoy(翻訳:矢倉美登里/ガリレオ、編集:島田涼平)