LINE世代に向けた多面的なプロモーションへの、次の一手とは?
日本の若年モバイルユーザーにリーチするにあたって、すでに巨大プラットフォームへと急成長を遂げたLINEの存在は無視できない。しかし、LINE以外にこうした世代と強い接点を構築できるプラットフォームは存在しないのだろうか。
ソフトウェア開発会社ジャストシステムが2015年11月20日にリリースした、『10代のスマートフォン利用に関する実態調査』。15歳から19歳のスマートフォン利用者の男女600名(うち、学生532名)を対象にした、このレポートには、そのヒントが隠されているようだ。
LINE世代に向けた多面的なプロモーションへの、次の一手とは?
日本の若年モバイルユーザーにリーチするにあたって、すでに巨大プラットフォームへと急成長を遂げたLINEの存在は無視できない。しかし、LINE以外にこうした世代と強い接点を構築できるプラットフォームは存在しないのだろうか。
ソフトウェア開発会社ジャストシステムが2015年11月20日にリリースした、『10代のスマートフォン利用に関する実態調査』。15歳から19歳のスマートフォン利用者の男女600名(うち、学生532名)を対象にした、このレポートには、そのヒントが隠されているようだ。
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以下、日本の10代後半におけるスマホ行動を見ていこう。
スマホ接触時間は152分/日
各メディアの接触時間(分)
まず上図は、1日における各メディアに対する接触時間の対比である。男女ともにテレビが検討しているが、当然ながらスマートフォンが1位だ。
その利用時間は、男性:140.38分、女性:164.85分、全体:152.98分と、日本の10代は2時間半強もスマホと接している。テレビの全体は、117.92分なので2時間弱とすると、30分以上もスマホのほうが長い。
LINE利用は110分/日
目的別のスマホ利用時間(分)
こちらは目的別に見た、一日のスマホの利用時間を表すグラフだ。一見LINEの利用時間は、ほかと変わらないように見えるが、単一のサービス名を記してあるのは「LINEだけ」。その他のカテゴリーには、さまざまなタイトルが含まれている。
また、これはスマホ利用時間の「内訳ではなく」、単に各カテゴリの「量を比較している」だけなので注意したい。注目すべきは、10代の男女とも「1日における152.98分のスマホ利用時間のうち、LINE利用者は110.19分も同サービスに費やしているという」事実だ。
好きな情報源はTwitterが39%
もっとも好きな情報源
しかし、「もっとも好きな情報源」は、次のような結果になった。Twitter:39.0%、テレビ:19.2%、LINE:10.3%、インターネット記事:10.2%、ニュースアプリ:4.3%。
テレビにダブルスコアで、Twitterの支持が高い。LINEと比較すると、約4倍だ。ちなみFacebookは1.2%と、惨憺たる結果となっている。
信頼できる情報源はテレビが38%
もっとも信頼できる情報源
その一方、「もっとも信頼できる情報源」では、次のような結果になる。テレビ:38.0%、新聞:18.2%、インターネット記事:7.8%、LINE:6.2%、Twitter:5.3%。
こちらは、圧倒的にテレビの信頼度が高い。トラディショナルメディアでは新聞も健闘しているが、そもそも購読者が少ないのでイメージが先行していると思われる。また、LINEとTwitterがほぼ同じ数値になっているのも興味深い。「どちらも基本的にはクチコミメディア」という距離感を意味しているのだろうか。
まとめ:10代にリーチするには
日本の10代をマーケティングするにあたって、幅広くリーチするには、いまでもやはりテレビが圧倒的に有利という結論になる。しかし、費用の面でもテレビ広告は圧倒的なため、おいそれと実施できるものではない。また、テレビでプロモーションしても、親近感を抱いているわけではないので、どこまで効果を得られるか疑問な部分もある。
その分、好感度がずば抜けて高いTwitterのマーケティング利用は、かなり期待ができるはずだ。本調査において、その接触時間は不明だが、ブランドのメッセージを届けるのに時間は、最優先事項ではないだろう。
対して、LINEのマーケティングももちろん見捨ててはおけない。特にここ数日、タイムラインにおける広告表示や、メディアプラットフォームなど、マーケティング利用にも大きく関わるニュースが相次いだ。これをどう利用していくかは、マーケターの資質が問われる。
まだ、日本の10代にはまったく浸透していないSnapchat(スナップチャット)という化物もいる。もしこれが本格的に日本展開をはじめれば、大きな変化が訪れるだろう。タテ型動画という革新的なUIは、ここまでスマホに馴染んだ10代にもきっとウケるに違いない。いまのところ、その噂は聞こえてこないが、期待したいところだ。
Written by ワタナベダイスケ
Photo by ぱくたそ