Facebook上におけるカルーセル広告が、通常の画像広告より10倍もクリック率が高いことが、企業のソーシャル・マーケティング展開を支援するキネティック・ソーシャル(Kinetic Social)による調査で判明した。同広告は回転木馬(カルーセル)のように横に回転し、複数の画像を閲覧できるもの。画像1枚の投稿よりエンターテインメント性にあふれており、高いエンゲージメントが期待されていた。
広告オートメーションソフトウェアを提供する企業ナニガンズが2015年10月23日に発表したFacebookに関するレポートによると、2015年の第4四半期、カルーセル広告に対する支出が前年同月比55%増となっているという。現在米国のマーケターはFacebook、インスタグラムでカルーセル広告を採用しており、より効果的な広告メニューの組み合わせを模索している最中だ。
Facebook上におけるカルーセル広告が、通常の画像広告より10倍もクリック率が高いことが、企業のソーシャル・マーケティング展開を支援するキネティック・ソーシャル(Kinetic Social)による調査で判明した。同広告は回転木馬(カルーセル)のように横に回転し、複数の画像を閲覧できるもの。画像1枚の投稿よりエンターテインメント性にあふれており、高いエンゲージメントが期待されていた。
広告オートメーションソフトウェアを提供する企業ナニガンズが2015年10月23日に発表したFacebookに関するレポートによると、2015年の第4四半期、カルーセル広告に対する支出が前年同月比55%増となっているという。現在米国のマーケターはFacebook、インスタグラムでカルーセル広告を採用しており、より効果的な広告メニューの組み合わせを模索している最中だ。
前出のキネティックによると、複数の写真を表示し、最終的に次のアクションへ誘導するカルーセル広告は、企業サイトへのアクセスが通常より10倍多い。同社は過去3カ月間の各種のプラットフォームでのキャンペーンを通じ、トレンドを調査していた。
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キネティックの支援対象は、Facebookや、ピンタレスト(Pinterest)、インスタグラムやTwitterなど多岐に渡る。同社の最高経営責任者ドン・マティス氏は「カルーセル広告は、Facebookでもっとも推薦したい広告だ」と話した。「価格が魅力的だし、結果が素晴らしい。だが、今後もずっと良いかはわからない。というのも、新しく出たばかりの広告形式だし、初期段階で受けが良くなる傾向があるからだ」。
キネティックによると、現在、カルーセル広告のクリック率は1%。そうでない広告は0.1%である。通常の広告よりはるかに好ましい数字である。
マーケティング調査のeMarketerも同様の調査結果を明らかにしている。モバイルでの広告としては最適で、小売りのような業種では消費者の反応が1番良く、クリック率にして0.5%だったという。
「とどめのカルーセル広告」が効果大
今回のキネティックのデータは、Facebookの広告事業が成長しているひとつの証で、なかでもカルーセル広告が受け入れられていることを示した。一方、多くのパブリッシャーはアドブロックと戦いながら、モバイル広告で苦戦を強いられている。
多くのブランドが、Facebookやインスタグラムでカルーセル広告を実施。デジタルエージェンシーのVMLは、ハンバーガーチェーン「ウェンディーズ」のインスタグラムにおいてカルーセル広告を採用し、成功した事例を挙げた。広告想起(アド・リコール)率が画像広告では14ポイントだったのに対し、カルーセル広告だと20ポイントになったという。ポイントの差は、カルーセル広告の方が20%想起されやすいという意味だ。
VMLのソーシャル・エマージング・メディア担当ディレクターであるチャド・マーティン氏は、クライアントはまずインスタグラムで広告を打つべきだと話した。その後、関心を持つオーディエンスに対し、Facebookでオーディエンスターゲティングを利用し、カルーセル広告のリターゲティングを実施する。
「特にユーザーがインスタグラムでエンゲージされたならば、Facebookのカルーセル広告でリターゲットできると言えるだろう。こうした広告は、さっさと見られて終わってしまう広告よりも、はるかに話題になりやすい」とマーティン氏は語った。
自動再生動画向けのクリエイティブ
キネティックは直近では動画広告にも着目している。なかでも自動再生広告はデスクトップよりもモバイル機器で好成績を収めていることも分かった。同社のレポートによれば、Facebookのモバイルニュースフィードにおける自動再生広告のクリック率は、デスクトップより高い一方、コストは低いという。
さらに、15秒から30秒の短いビデオの視聴完了率が高いことも判明している。マーティン氏によると、効果的なデジタル・ビデオについて模索しているクリエイティブ(制作)にとって、ムービーの尺は重要な目安になっているという。「15秒か12秒ですべてを見せなさい、ということだ」。
企業とエージェンシーは、こうしたプラットフォームに合ったクリエイティブに知恵を絞っている。音に頼らないメッセージが、その好例だ。自動再生広告は無音のため、最初にスクロールされる3秒以内に要点を提示するのもトレンドだ。マーティン氏は、テレビのコンテンツをそのままデジタル・ビデオで配信する、「悪癖」は止めるべきと注意を促した。
Twitterの動画広告費用、Facebookと同水準
キネティックは、2015年第2四半期におけるTwitterでの展開状況も観察している。Twitterでの動画広告配信費用は下がりつつあり、ビデオの視聴コストは、CPV(視聴1回あたりのコスト)は10セント。縦画面での視聴は5セント近くになっており、Facebookでの配信と同水準になろうとしているとのことである。
また、TwitterでのCPE(1エンゲージメントあたりのコスト)は、約50%下落しているという。1年前には1回当たりのクリックに支払う広告料金が45セントだったのが、今では23セントになっていると、キネティックは見ている。
Garett Sloane(原文 / 訳:南如水)
Image courtesy of VML and Wendy’s