「HQトリビア(HQ Trivia)」に対する最初の評判は下火となり、いまでは類似番組が続々登場している。そんななか、HQは新番組のフォーマットをリリースすることに決めた。この10月に「HQワーズ(HQ Words)」を開始するという。HQは、ひとつの芸当しかできないものではないことを証明したいと思っている。
HQは、ひとつの芸当しかできないものではないことを証明したいと思っている。ほぼ1年前、ヴァイン(Vine)の共同創設者たちの新しいスタートアップ、インターメディア・ラボ(Intermedia Labs)内でローンチしたモバイルアプリは、同社初の番組「HQトリビア(HQ Trivia)」でよく知られる名となった。
HQに対する最初の頃の口コミ評判は下火となり、いまでは類似番組が続々登場している。そんななか、HQは新番組のフォーマットをリリースすることに決めた。この10月に「HQワーズ(HQ Words)」を開始するという。HQ Wordsは、「ホイール・オブ・フォーチュン (Wheel of Fortune:Wiki)」に似たクイズ番組だが、スマートフォンでのライブのゲームプレイを想定している。
HQワーズでは、隠されたフレーズのうちの1文字が一度に1つずつ表示される。プレイヤーには、ヒントと文字を埋めて回答すべき空白のタイルが提示される。その下に選択肢となる文字が与えられ、プレイヤーはそれをタップしてパズルを完成させていく。
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ミスできるのは3回まで。正しい文字を選ぶたびにポイントが与えられ、一番多くポイントを稼いだプレイヤー(またはプレイヤーたち)が賞金を獲得する。

「成長する準備ができた」
HQはトリビアを超えて成長する準備ができた、と語るのは、HQの元最高技術責任者(CTO)で、現在は最高経営責任者(CEO)となったコリン・クロール氏だ。前任のCEOだったラス・ユスポフ氏はいま、最高クリエイティブ責任者に就任している。これは、(ヴァインにいた頃、同僚の女性に対して不適切な行動をしたという報道が「リコード[Recode]」に出て、3月に謝罪文を出した)クロール氏が日々の業務の管理を担当し、ユスポフ氏が新番組の構想やデザインを担当するという戦略に基づく人事だ。
「我々は少しばかり多様性を出そうとしていて、そこでは、私のスキルセットが役に立つ。ここの仕事で私が気に入っている点は、我々が実行していることで、あなたの想像力がどんどん膨らみ、それをあなたがどんなアイデアにも応用できる点だ。上限はないが、それをどのように組み立てるかは課題だ」。
クロール氏は、紫色のHQのロゴ入りの黒いパーカーを着て、ソーホーに新しくできたHQ本社の会議室からこのように語った。クロール氏の後ろには、ひっくり返すと新しい番組のコンセプトのいくつかを明らかにするゲームプレイの模型を映した、大きな黒いポスターが2枚貼られていた。
マネタイズと多角化
なぜ、いま新番組なのか? まず、HQはいくつかの技術的課題を克服しなければならなかった。ひとつは、初期のHQをプレイしたことがある人なら誰でも知っている誤作動だ。それとは別に人々は、アプリの裏をかき、素早く回答して、賞金を獲得できるようにするプログラムを作っている。HQは過去1年、数百万人の同時視聴者が誤作動を体験せず、なおかつ不正行為を防止するためのソリューションに投資してきた。
HQはさらに、創設者たちの以前のアプリ「ヴァイン」とは異なり、お金を稼げることも証明した。3月に初のスポンサー付きゲームを発表して以来、HQは1000万ドル(約11億円)以上の売上をもたらした。HQはワーナー・ブラザース(Warner Bros)、ナイキ(Nike)、NBCユニバーサル(NBCUniversal)、バイアコム(Viacom)、ナショナル・ジオグラフィック(National Geographic)、JPモルガン・チェース(JPMorgan Chase)、ミラー・クアーズ(Miller Coors)、Google、ターゲット(Target)と仕事をしている。売上のほとんどはスポンサー付き番組を通じてのものだ。HQは伝統的なコマーシャルの実験、アプリ内購入機能の提供、限定商品の作成も進めている。
これまでのところHQは、HQトリビアでのスポンサー付きゲームから売上の半分以上を得ている。同時に、HQは英国にもオフィスを構え、同国で毎日トリビアゲームの番組を提供。5月には、スポーツに焦点を当てたトリビア番組「HQスポーツ(HQ Sports)」を開始した。
「未来を作っている」
HQは現在、HQワーズのホストのキャスティングを進めている。HQトリビアのメインホストを務めるスコット・ロゴウスキー氏は、クイズダディーに変身したおかげで、ネットの有名人になった。クロール氏は、今後はじめる番組がすべて、HQトリビアのようにパーソナリティーの力で牽引される必要はないと述べる。
「新しいゲームでは、新しいタイプの才能、いままでとは違う雰囲気を採り入れる、いい機会があると思う。テレビをつけると、コメディアンが映っていて、だがそれはもっと真面目なタイプに見える。我々が作りたいのは、そういう多面的な体験だ」と、ユスポフ氏はいう。
クロール氏にとって、HQトリビアそのものが、子供の頃からの夢だった。それは、テレビをよりインタラクティブにすることだ。彼はいま、チャンネルをもっと増やしたいと思っている。
「我々のフォーカスは、イノベーションをリードし、継続していくことにある。ゲームをするとき、我々は未来を作っているのだ」と、クロール氏は語った。
Kerry Flynn(原文 / 訳:ガリレオ)