オンライン食料品店 に、 新型コロナ が与えた影響とは?

コロナ禍は2月末以来、米国でもその広がりを加速させてきた。そんななか、オンラインでの食料雑貨購入の需要が高まっている。購買客が特定の商品を買いだめせざるを得ないと感じていることから、消費者の購買行動が大幅に増加しているのだ(※原文記事は3月4日公開)。

ここ数日の間に「粉ミルクや缶食品といった保存食、ビタミン材や手指消毒剤のようなケアプロダクトの需要が急増している」と、インスタカート(Instacart)は声明で述べた。Amazonは先日、プライムナウ(Prime Now)、そしてAmazonフレッシュ(Fresh)の宅配サービスは、通常よりも対応スピードが遅くなっていると顧客に通告した(Amazonはコメントへのリクエストには回答しなかった)。英国では、食料雑貨ビジネスのオカド(Ocado)が、通常よりも早いスピードで宅配枠が埋まっていると顧客に伝えている。フレッシュダイレクト(FreshDirect)の最高商品責任者であるスコット・クロフォード氏はここ数日のあいだに、既存そして新規の顧客からの「はるかに大きな」注文の増加を確認していると述べた。

もちろん、企業たちはコロナウイルスが主因であるとは述べないが、ロサンゼルス・タイムズ(the Los Angeles Times)からシアトル・タイムズ(Seattle Times)に至るまで、トイレットペーパーやペットボトルの水といった必要品を、市民がますます買い溜めしていると報じている。いずれ、コロナウイルスの罹患者報告が、これらの地域で増え、店舗への直接の訪問を避けたくなった際に備えてだ。

購入パニックからのプレッシャー

この購入パニックは食料雑貨デリバリーサービスに、需要に応えるのに必要なスタッフと商品を揃えるプレッシャーを与えている。しかし、人々が何を買い溜めしたいと思うか、予測するのは難しいことが明らかになりつつある。

食品業界グループであるFMIの企業関係部門バイスプレジデントを務めるダグ・ベイカー氏は、食料雑貨店において鶏肉と袋ラーメンが週末で売り切れてしまったという西海岸の人物と会話したという。

「消費者は何かを耳にし、それがキッカケとなって、『OK、じゃあ食料品店に行って、このプロセスを乗り切るために必要だと思うものは、何でも買う』というようになるだろう」と、彼は説明する。

FMIは先週、卸売食品リテーラーと店舗に対して、パンデミックの可能性に備えるためのガイドを公表した。そのなかでは、手指消毒剤やペットボトルの水といった高い需要を生む商品のために、必需品ではない商品のうち、どの在庫を減らせるかについて、そして宅配やクリック・アンド・コレクト(click-and-collect:ネット注文&店舗ピックアップ)といったオプションの利用可能度を高めること、またスタッフの確保が困難になった場合は、開店時間を縮小するもしくは修正するといった対応について指摘してある。

中国の先例から学ぶべきこと

アメリカでは、ほとんどの消費者がまだ、オンラインでの食料雑貨購入が常態化していない。しかしeコマースビジネスを構築しようとする企業が増えるなか、利用経験がある人の数は増えている。コアサイト・リサーチ(Coresight Research)によよると、2018年の段階で、アメリカの購買客のうち食料雑貨をオンラインで過去1年間に購入したのは37%のみだった。特にウォルマート(Walmart)は、オンライン食料雑貨ビジネスを成長させようとアグレッシブに取り組んでいる。先月の時点で、アメリカのウォルマート4750店舗以上のうち3200店舗近くが食料雑貨のピックアップを提供しており、1600店舗からは宅配サービスも行っている(ここ数日の間に需要の急増があったかどうかには、コメントを返さなかった)。

ここ数週間のあいだ、アジア、そして中国における宅配アクティビティは、米国において罹患者が増えた場合、消費者やリテーラーがどういう行動を見せるかの示唆を与えることになった。たとえば、米と小麦の売り上げが1月24日から2月2日までに5%増加したと、JD.com(京東商城)はアドウィーク(Adweek)に伝えており、また食料雑貨配達プラットフォームであるフレッシッポ(盒馬鮮生)の顧客の平均購入のボリュームは、「極めて大きく増加した」とアリババ(阿里巴巴)は述べた。

ガートナー(Gartner)のスペシャリストであるアサ・メイザー・フリードマン氏は、中国でマクドナルド(McDonald’s)、スターバックス(Starbucks)、そしてKFCといった国際チェーンが「無接触」の配達システムを展開していると述べた。食品を袋のなかに入れ、それを可能な限り建物の入り口近くにおいてピックアップができるようにするといった具合に、通常よりも手間をかけて、顧客が人と接触しなくて済むようにしている。スターバックスはまた、WeChat(微信)において、病気にかかることを避けるために自宅に滞在している人々向けのコンテンツをプロモーションしはじめた。自宅でのコーヒーの淹れ方が、その一例だ。

「まるでバウンスボールのよう」

アメリカにおける困難さは、次に潜在的に買い溜め行為が発生する、コロナウイルスの罹患者数が増える地域がどこなのか、食料雑貨ビジネス経営者たちが予測するのが難しい点だと、ベイカー氏は言う。

「ハリケーンであれば、その進行方向が理解できる。アメリカの南東部に向かっていれば、リソースはその部分に注がれる。この病気はバウンスボールのようだ」と、彼は言う。

Anna Hensel(原文 / 訳:塚本 紺)