FacebookとTwitter、「広告透明性ツール」を突如公開:マーケターが知っておくべき10のこと

6月28日(米国時間)、FacebookとTwitterはそれぞれに、プラットフォームに掲載されるすべての広告を表示する、広告の透明性(アドトランスペアレンシー)ツールを公開した。これらのツールは独立して運用されるものだ。これはつまり、ダークポストが終わりを迎え、消費者や広告主にとっては情報へのアクセスが増え、願わくば選挙で外国から干渉を受けるリスクが減ることを意味している。

広告透明性センターの登場は、2016年の米大統領選挙期間中にロシアのネットトロールがFacebookやTwitterなどのオンラインプラットフォームを利用して米国の有権者を操作していたことを受け、世の中をなだめようとする(規制当局者たちよ、ここをよく読んでくれ)両社の取り組みの一部だ。FacebookもTwitterも、政治的な内容の広告を掲載する場合は登録制にするなど、政治広告に関する新ポリシーを5月に発表したばかりだ。これからの手順についてマーケターが知っておくべきことを以下に紹介する。

1. ツールの公開は突然だったのでは?

広告の透明性を高めるツールの公開は長く待たれていたことだった。Facebookはこのツールを4月に発表し、カナダでテストを重ねてきた。Facebookのツールは6月28日に世界に向けて公開された。Twitterは、2017年10月の米議会公聴会でそうしたツールを作ると約束し、Facebookのツールと同じ日に公開した。両社の広報担当者によると、公開のタイミングを調整したわけではないようだ。

2. Facebookの広告透明性ツールの機能の仕方は?

すべてのFacebookページに「情報と広告(Info and Ads)」という新しいボタンが用意された。これを押すと、Facebookやインスタグラム(Instagram)、メッセンジャー(Messenger)、その他Facebookのパートナーネットワークで現在ページに掲載されている広告が表示される。Facebookは、それぞれの広告について報告するボタンも用意する。さらにページについてより多くの情報を広く共有するつもりだという。ページは、それが作成された日付とともに名前の変更を表示するようになるだろう。これからの数週間でさらに情報を追加すると、Facebookは言っている。

Facebookは5月に政治的内容の広告のアーカイブを導入し、手はじめに米国の広告を集めた。同社は6月28日、2018年10月に行われるブラジルの総選挙向けに、政治広告のラベリングとアーカイブを開始すると発表した。ブラジルで政治広告を出したい広告主は、7月から登録をはじめることができる。アーカイブ化された広告は7年間保存される。

3. Twitterの広告透明性ツールの機能の仕方は?

Twitterでは、特定のハンドル名を検索することで、誰でも広告を見ることができる。検索結果には、そのハンドル名が過去7日間に行ったすべてのキャンペーンの広告が表示される。米国内で掲載される政治広告については、ユーザーは課金情報、広告費用、インプレッションデータ、ターゲットになっている人口層データも見られるだろう。

4. ふたつのツールの大きな違いは?

FacebookのツールにアクセスするにはFacebookアカウントにサインインする必要がある。TwitterのほうはユーザーがTwitterアカウントを持っていなくてもいい。Facebookは、広告が政治関連でない限り、プロパティー全体を通じて現在掲載されている広告だけを表示し、広告はその後7年間アーカイブに保存される。Twitterは、過去7日間の政治と関係のない広告をすべて表示する。Twitterの透明性センターはいまのところ、米国内の政治広告のみで国際的なものは含まれない。

5. 広告主の情報を誰もが確認できるのは悪い知らせ?

Facebookの最高執行責任者(COO)シェリル・サンドバーグ氏は、そうは思わないだろう。

サンドバーグ氏はツールの公開イベントで、「広告主の大多数は、(このアップデートについて)非常に好意的に受け止めていた。出稿された広告の背後に、彼らは常に存在してきた。それらの広告に、懸念をもつ人、競合の人も、世の中には必ず存在する」と述べた。

グループ・エム(GroupM)で米国のソーシャル部門を率いるアマンダ・グラント氏は、この動きはプラスに働き、エージェンシーによるプラットフォーム運用法に劇的な変化はないと思うと話した。

「この種類の透明性に向けての動きは、プラスのサインであり、ユーザーや広告主にとってはよりブランドセーフな戦術や行動を維持する方法になると思う。こうした変更はスケールやパフォーマンスに影響しないので、支出やクリエイティブに関する予測に変化があるとは想像しない」と、グラント氏はいう。

6. 予期せぬ結果は?

競争相手が何をしているか、マーケターが簡単にチェックできるようになったことだ。

「競争力のあるインサイトは全体的なプランニングの一要素に過ぎず、我々はクライアントの目標や、目標を達成するための戦術に主にフォーカスして計画を立てているので、我々のアプローチは一貫している」と、グラント氏は語る。

7. ひとつのブランドの支出がすべて見られるのか、あるいは投稿ごとに確認しなければならないのか?

現状では、投稿ごとに確認しなければならない。Facebookの製品管理ディレクターであるロブ・レザーン氏は、これは将来的には変更されるだろうという。Facebookは2018年夏の後半にアプリケーションプログラミングインターフェースを公開する予定なので、人々は情報を集約できるようになるだろう。

8. Facebookはそれに多くの費用をかけ、同時にストレスもかけられる?

たぶんそうなる。

「我々はシステムの遅れをよしとしない。手作業によるレビューやさらなるチェックは、一層の遅れを意味する」と,サンドバーグ氏はいう。「人間のレビューの仕方は機械とは違う。我々が投入しているシステムの抑制と均衡にかかるコストの一部は、そうした遅れに関係している。遅れを最小限に留めるために、できることは何でもする」。

9. パブリッシャーはこうした変更に苛ついていない?

パブリッシャーがお金を払ってニュースフィード内で政治関連ストーリーをPRしているなら、Facebookはその広告を政治関連のアーカイブに入れるだろう。世界新聞・ニュース発行者協会(WAN-IFRA)のマイケル・ゴールデン会長は、この行為は「ジャーナリズムと政治的主張との間の区別を混乱させる」と言った

サンドバーグ氏は報道向けイベントの中で、Facebookの選択を弁護した。

「我々には選択肢がひとつあった。我々の目標は透明性だと決めた。失敗をするとしても、透明性をより追求する立場にいたい。人々がすべてを見られるようになるので、より広範囲で包括的にするほうがよいと決めたが、それは難しい決断だった」と、サンドバーグ氏は述べた。

10. この変更はすべてすぐに実現されるか?

FacebookとTwitter、両方のツールで変更があると思ってよい。FacebookもTwitterもそれぞれ、7年とか7日とか、広告を保存する選択が理にかなっているかどうかを、まだ評価している段階にすぎない。

さらに、どちらのツールも世界に拡大されていく。ブログ投稿にあるように、Twitterは「政治キャンペーンと政策課題の広告の両方に適用できて、世界に通用する方法を試している」ところのようだ。

Kerry Flynn(原文 / 訳:ガリレオ)