Facebookは12月13日、NYのブライアントパークにポップアップストアを設け、まるでAppleのGenius Bar(ジーニアスバー)のように、Facebookに関する質問や相談を受け付けた。米DIGIDAYは、同社のキャロリン・エバーソン氏にインタビューし、このポップアップを開設した理由を尋ねた。
Facebookは2016年、ニューヨークのブライアントパークに、サムスンの「Gear VR」をフィーチャーしたポップアップストアを開設した。ホリデーシーズンの買い物客に、仮想現実(VR)製品を紹介するためだ。しかし、2018年のホリデーシーズンで同社がフィーチャーしたのは、もっと現実世界に寄り添ったものだった。それはプライバシーだ。12月13日、同社はブライアントパークのホリデーマーケットにポップアップストアを設け、まるでAppleのGenius Bar(ジーニアスバー)のように、Facebookに関する質問や相談を受け付けた。
米DIGIDAYは、Facebookでマーケティングソリューション担当VPを務めるキャロリン・エバーソン氏にインタビューし、このポップアップストアを開設した理由を尋ねた。また、多くのスキャンダルに見舞われてきた同社が、2018年に入ってからマーケターにどのようなメッセージを伝えているのか話を聞いた。
以下はそのインタビューの要約だ。読みやすさを優先して、一部編集してある。
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――このポップアップを開設した理由は?
我々はケンブリッジ・アナリティカ(Cambridge Analytica)の一件から多くの教訓を学んだ。なかでも重要な教訓は、顧客向けにプライバシー設定を管理できるツールをたくさん用意しているのに、ほとんどの顧客とまではいわないまでも、多くの顧客がその使い方を知らないということだ。つまり、彼らがプライバシーを簡単にチェックできるようにするための我々の取り組みが、まだ十分ではないということになる。我々はプライバシーを真剣に受け止めており、一企業としてできる限りのことをしている。プライバシーは我々の会社の基盤であり、我々がそのために取り組んでいることを知ってもらいたいのだ。我々が構築したツールを使ってもらい、我々がどれほど真剣なのか知ってほしいと考えている。
――あなたはそうした話を毎日広告主にしているようだが、ケンブリッジ・アナリティカの一件など、広告主に不信感を抱かせる事例が起こってから今日に至るまで、どのようなメッセージを広告主に伝えているのだろうか。
私はすべてのマーケターと真摯に向き合うことができるし、そうする必要がある。彼らの多くは、私が25年前から知っている人たちなのだ。そして、彼らにこう話している。私は現在進めている取り組みが正しいと信じており、そうした取り組みをきわめて真剣に行い、大きな責任を引き受けていると。もちろん、これで完璧だというつもりは毛頭ない。25億人がひとつのプラットフォームを利用しているというのは、きわめて難しい状況なのだ。完璧というわけにはいかないが、マーク(・ザッカーバーグ)やシェリル(・サンドバーグ)、そして我々の誰もが、私が入社してからの8年間で取り組んできた以上に、この問題に真剣に対処していると確信をもっていえる。これが私が主に伝えたいメッセージだ。とても感情的なメッセージかも知れないが。
――しかし、あなたが述べたように、Facebookユーザーにプライバシーのことを理解してもらい、その設定方法を教えるというのは、Facebookにとって新しい試みではない。あなたは数年前、プライバシー設定の確認を求める恐竜を表示する取り組みをはじめたが、しかし明らかに、誰もが耳を傾けてくれたわけではなかった。そこで、次はどうするつもりなのだろうか。プライバシーの大切さを強調する取り組みにおいて、どのような責任を果たしていくのだろうか。
そのことについては、何度も考えている。Facebookのプライバシーの話からちょっと外れるが、マーケティングに取り組むとき、我々はどうするだろうか。大企業であれ規模の小さな会社であれ、リーチすることとリーチの回数を増やすことが必要になる。多くの人にリーチし、自社のメッセージを何度も伝えなければ、そのメッセージを十分に理解してもらうことはできない。また、メッセージの内容によっては、人々に3回でも7回でもメッセージを見てもらう必要があることが、さまざまな調査でわかっている。それでも、リーチとその回数がマーケティングの基本だ。プライバシーに関しても、同じようにする必要がある。さまざまなメッセージを何度も発信して、できる限り多くの人々にリーチしなければならないのだ。
Kerry Flynn(原文 / 訳:ガリレオ)