Facebookの最大の脅威は、ROI への広告主たちの疑念:ケンブリッジ・アナリティカではない

広告主たちはFacebookに関して、プラットフォーム上でのプライバシー保護における失態よりも、Facebookに無駄にお金を費やしているのではないかということを懸念している。広告に対して適切な金額を請求できていないことを公然と認めているFacebookでの広告掲載料が、高額であることに彼らは不満を抱いている。動画のような値の張るインベントリの投資対効果(ROI)が期待したよりも低いことも加わり、これらの企業のなかには、自分たちのメディアプラニングでFacebookがこれほどまでに大きな部分を占めていることに疑問を抱きはじめているものもいる。

いくつかの広告主は、同プラットフォームに対するメディアコミットメントを調べていることを報告している。ラディソン・ホテル・グループ(Radisson Hotel Group)、アディダス(Adidas)、Booking.com、O2は、Facebookが事業成長の促進を図る方法に対して責任を持つべきであること、およびFacebookが主張する同社の規模や幅広い到達率によってのみ広告を購入するのは見直してほしいことをマーケターやエージェンシーに対してすでに伝えている。これらの企業のエグセクティブの話では、ほかにもそう考える企業は多いという。これらの企業のそれぞれは、メディアプラニングやバイイングの方法を変更したり、変更しようとしており、Facebookの広告価値について疑問を持つようになるのは当然である。

ラディソンの基準

ラディソン・ホテル・グループは、ほかのプラットフォームと比較して自社広告の動向を常に気にしながら、引き続きFacebookに予算を充てている。同ホテルチェーンは、パフォーマンスマーケティングにすべてを賭ける取り組みのなかでソーシャルネットワークに重要な役割を果たしてもらうことを望んでいるが、今後は特定のメディアバイイングを減らすことが可能になる「試して学習する」やり方に立ち返る必要があることを認めている。

「うまくいかなければ、変えることだ」とラディソン・ホテル・グループバイスプレジデントのレミー・メルクス氏は述べた。Facebookがラディソンにより多くの運用益をもたらさなければ、「ほかのプラットフォームに予算を充てるだろう」と、彼はいう。

EUの一般データ保護規則(以下、GDPR)実施後には、Facebookがサードパーティデータの信頼できる情報源となるとメルクス氏は見ており、そのため、大きな規模でリーチするための手段がほかにない新規顧客獲得の取り組みにおいて不可欠なものとなる可能性がある。Facebookは、企業と共有するデータ量を調整してはいるが、広告主がメディアバイイングの計画ができるように豊富な行動データグラフを保有している。広告を業績モデルに移行したいラディソンのような企業にとって、その水準の個人データを失うことはできない。しかし、メルクス氏がいうように、Facebookが主張する規模と幅広い到達率だけを理由に、Facebook上の広告枠をラディソンが購入し続けることはできない。

アディダスの計画

アディダスもまた、ソーシャルネットワークとの関係の見直しをしている広告主だ。アディダスの計画に精通しているあるエグゼクティブによると、Facebookへの投稿がECサイトへのトラフィックを勢いづけていることを同社は知っているが、それ以外では、広告がどう機能しているのかについて、ほとんど知らないという。この状況は、Facebookがメディアプランの40%まで占める一部の市場では悪化していると、そのエグゼクティブは述べている。「計画がまずいからといって、それに比例してFacebookに効果がないとは決めつけられない」と、そのエグゼクティブはいう。

アディダスからその件について概要の説明を受けた別のエグゼクティブによると、アディダスはすでにFacebook上で動画広告枠購入を中止しており、ほかの費用削減の可能性も排除していないという。アディダスがメディアレビューを終えるまで決断はされないが、その後、採用したエージェンシーと一緒にFacebook広告への予算を決めていくことになる。

Facebook広告が安くなる動きはいまのところはない。Facebookによる最新の結果報告によると、今年の第1四半期には、Facebookの平均広告単価は49%上昇した。GDPR実施後にはFacebookでデータを共有する人々は減り、同ソーシャルネットワークが広告主と共有できる個人データを制限すると、ターゲティングがより困難に、かつ高くつくことになるだろう。

Facebookの打ち手

「Facebookがマーケターの照準器になるかもしれないということはずっと前からいわれている。Facebookで行われていることの多くはブランディングやエンゲージメントであり、ページですぐに商品を売ろうとする試みではない。問題は、費用対効果を示す調査がほとんどされていないことだ。というのも、Facebookに大きな予算を割いているブランドといったものは、テレビにもっと予算を割いており、チャンネル間の差異を示すのは難しかった。現在では、Facebookのようなプラットフォームへの出費は単純に無視できない規模になっている」と、コンサルタントであり、かつて価格比較サイト、Confused.comでパフォーマンスマーケティングの責任者を務めていたジョン・ブロートン氏は語った。

「企業が明確でわかりやすい報告を求めていることは認識しており、この分野に多額の投資をしている。我々はパートナーや測定審議会と密に相談し、そのことが最近のメトリックラベリングと削除の更新が行われたきっかけとなっている。また、業界検証も進めており、広告主が直接働きかけのできる測定パートナーの一覧も大きくなり、増え続けている。この投資は確かなものであり、我々のソリューションを改善するための助けとなるクライアントおよびパートナーの声を引き続き聞いていく」と、Facebookの広報担当者は述べた。

一部の広告主によると、Facebookは、1月のニュースフィードのアルゴリズムの変更のあと、大口顧客数社との打ち合わせにシニアエグゼクティブを派遣し、最近の四半期の測定ミスや値上げに関して話し合っているということだ。メトリクスを細かく精査することができるように、いくつかの事例でFacebookは、そのウォールドガーデンの一部を広告主に開放することまでしていると、昨四半期にクライアントがそこにアクセスできるようになったあるエージェンシーエグゼクティブはいう。

追随者は現れるか?

広告主たちが大挙してラディソンとアディダスに続くかどうかはまだわからない。Facebookの問題すべてに対して、Facebookが保有しているものほど規模が大きく、細かいオーディエンスにマーケターがリーチできる場所は多くはない。多くのマーケターの目には、FacebookにおけるROIは強力で、同プラットフォームに参入するためにさらに多くの費用がかかるようになっても、彼らのメディアプランに必要不可欠な要素となっている。

メディアエグゼクティブのひとりが言ったように、「インプレッション数1000に対するFacebookのコストは、そのマーケットプレイスの割に相当安く、最低価格が上昇したとしても、人々は継続してもっと購入する。なぜなら、彼らが購入している、ほかのメディアの多くのものよりもFacebookは依然として価値があると彼らは考えているからだ」。

Seb Joseph(原文 / 訳:Conyac)