Facebookは9月26日(米時間)、Facebookストーリーズ広告の世界展開を発表。このFacebookストーリーズ広告、すでにベータ版が先行提供されている米国では、コストパフォーマンスの良さで広告主の注目を集めている。今後は、日本の広告主も、全世界のFacebookストーリーズユーザーへリーチできる。
Facebookは9月26日(米時間)、Facebookストーリーズ広告の世界展開を発表した。このFacebookストーリーズ広告、すでにベータ版が先行提供されている米国では、コストパフォーマンスの良さで広告主の注目を集めているという。今後は、日本の広告主も、このメニューを通して、3億DAUと言われる、全世界のFacebookストーリーズユーザーへリーチできる(FacebookとMessengerの両プラットフォーム合わせての数値)。
ストーリーズは、半永久的にアーカイブされるニュースフィードの投稿とは異なり、24時間で消去される画像また動画の投稿スタイル。スマートフォンにおいて、全画面表示されることも特徴のひとつで、深い没入感をユーザーに与えられることが広告主にとって大きな魅力だ。
もともとストーリーズは、欧米でZ世代を中心に支持されるソーシャルメディア、Snapchat(スナップチャット)の目玉機能だった。ユーザーの高齢化が進むFacebookでは、その若年層への影響力を狙い、Snapchatの買収が試みられたと言われている。だが実施に至らず、Facebookオリジナルの類似機能がFacebookとインスタグラム(Instagram)に実装されることになった。
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インスタグラムとの比較
インスタグラムにおけるストーリーズ広告は、すでに日本でも提供されている。インスタグラムのユーザーなら、すでにおなじみの存在だろう。広告主からも、インスタグラムのストーリーズ広告は、同ニューフィード広告の数倍の効果があるという声も聞こえている。
米DIGIDAYの報道によると、インスタグラムのストーリーズ、またはFacebookのニュースフィードで広告を運用していれば、Facebookストーリーズでも、その広告を運用できる。これにより、Facebook上の広告プラットフォーム内での運用実績の比較が可能になるという。
その結果、メディアエージェンシーにおけるFacebookストーリーズ広告への反応は良好のようだ。安い価格と高いエンゲージメントの維持に役立っているという。広告主も同様の見方をしている。以下、既出の記事から引用しよう。
航空券の予約サービスを提供するホッパー(Hopper)で顧客獲得部門を率いるサイモン・ルジェン氏によると、同時期に類似したターゲットやクリエイティブ向けに行った広告掲載におけるCPMは、インスタグラムストーリーがおおよそ5ドル(約556円)だったのに比べ、Facebookストーリーは2.3ドル(約256円)だったという。
残されている課題
なお、Facebookストーリーズ広告には課題も残されている。米DIGIDAYの報道によると、Facebookストーリーズの利用者は、インスタグラムやSnapchatのそれに比べて、まだまだ少ない。今年の5月段階では、全世界でFacebookストーリーズのユーザー数は、1億5000万DAUだったという。インスタグラムストーリーズのDAUはその倍以上も存在すると、その記事では触れられていた。だが、それから5月経って、26日のリリースによると、すでにFacebookストーリーズのDAUは3億に達しているという(Messengerも合わせての数)。
また、インスタグラムのストーリーズと比べて、利用できる機能はまだまだ少ない。リンクもタグも利用できない状況となっている。しかし、Facebookストーリーズ広告においては、ダイレクトレスポンスの機能はインスタグラム同様に利用できるようだ。
Written by 長田真