Facebook 、インフルエンサーの「電子タバコ」広告を禁止

Facebook(フェイスブック)がインフルエンサー向けのルールを変更している。

12月18日、Facebookはインスタグラム(Instagram)のビジネスブログに「情熱で生計を立てるクリエイターのために(Helping Creators Turn Their Passion into a Living)」と題する「お知らせ」を投稿し、このメッセージの一番下の部分で、インフルエンサー向けの新しいルールを公表した。それによると、今後インスタグラムでは、電子タバコ、従来のタバコ製品、武器を宣伝するスポンサード投稿は禁止となる。さらに、アルコール類やダイエット補助食品を宣伝する投稿に関しても、特別な制限を設ける予定という。

Facebookとインスタグラムはずっと以前からタバコ関連の広告を禁止してきたが、今回のルール変更で、これまでこの広告規制の抜け穴となってきた、インフルエンサーたちによるスポンサード投稿も禁止の対象に含められる。Facebookの広報担当者は、発表以上のコメントを差し控えた。

代理店関係者はおおむね賛成

多くのプラットフォームは、インフルエンサーとブランドが広告として投稿できる内容、またはできない内容に関する制限事項を広げる一方で、コンテンツへのアクセスを年齢で制限できるようにするなど、投稿や広告をより効果的にターゲティングするための機能も充実させている。

インフルエンサーマーケティングのエージェンシーであるインフルエンシャル(Influential)のライアン・デタート最高経営責任者(CEO)は、「インフルエンサーとペイドメディアに対する縛りは容赦なく強化されるだろう」と述べている。デタート氏の説明によれば、ネイティブにしろペイドにしろ、多くのプラットフォームにおいて、いまやインフルエンサーたちは広告ビジネスを担う大きな一翼であり、その分、規制も厳しくなる。デタート氏はこの状況を、どのインフルエンサーにとっても平等な競争環境が形成されるという理由から、歓迎するとしている。

デタート氏はこんな喩えを引いた。ある小さな町の、フォロワーが5000人しかいないカナビス(大麻)のインフルエンサーが、500万人のフォロワーを持つインフルエンサーを差し置いて、企業のスポンサーシップを獲得した。なぜなら、この人は大麻の娯楽的な使用が合法である地域に暮らしていたからだ。

インフルエンサーマーケティングエージェンシーのヴィレッジマーケティング(Village Marketing)の設立者であるヴィッキー・シーガー氏も、今回のルール変更を歓迎しており、こう述べている。「インフルエンサーたちには豊富な機会がある。これまでにないほど正規のメディアレートにノーと言い、自分たちのフォロワーの目に触れる投稿に神経を尖らせる。これは単純に需給の変動の問題で、インフルエンサー頼みのブランドが増えるにつれて、彼らの選り好みはいっそう激しくなるだろう。実のところ、それは誰にとっても悪い話ではない」。

Facebookやインスタグラムなどのプラットフォームで行われる、CBD(カンナビジオール:大麻草成分)関連製品のプロモーションは、その大部分がグレーゾーンだ。Facebookに近い筋の話によれば、現在、CBD関連の正規のポリシーについて、「詳細を詰めている」段階という。だが現状、通常の広告は規制されているため、CBDブランドはインフルエンサーマーケティングに傾きがちだ。

「特にCBDに関する限り、経験に照らして言えば、インフルエンサーたちは投稿前に数週間から数カ月をかけてしっかりと製品をテストしている」と、シーガー氏は明かす。「我々はこの行いを奨励する。ブランドにとってはマーケティングのプロセスに遅れが出るかもしれないが、業界の公正さは担保される」。

インフルエンサーたちの反応

電子タバコのインフルエンサーたちは「覚悟はしていた」という反面、広範な禁止には落胆を隠さない。

「結局、危惧していた通りになった」と、カリフォルニア州在住の電子タバコのインフルエンサー、マニュエル・ウルスア氏は明かす。ウルスア氏は一時、インスタグラムでのスポンサード投稿で5000ドルから7000ドル(約54万円から約76万円)も稼いだという。「規制は大幅に強化すべきだが、全面禁止となると、それはちょっと厳しすぎる」。

インフルエンサーのディヴィッド・ローズ氏は、規制をしても、電子タバコや従来のタバコ、あるいは武器を宣伝するスポンサード投稿から、すべてのインフルエンサーが手を引くとは思えない、と言っている。「短期的な調整期間はあるにしても、インスタグラムも、単なるペイドメディア以外で、自分たちにとってもクリエイターたちにとっても、長期的にうまくいく方法を模索しているようだ」。

ウルスア氏は、すでにひと月前からインスタグラムの使用を減らしている。そして、今後もスポンサード投稿を続けるとしたら、電子タバコかCBD製品の投稿になるだろうと言っている。また、電子タバコの楽しみ方のコツなどを紹介する動画の制作や投稿は、その大半をYouTubeに移動しており、月額7000ドルから8000ドル(約87万円)の稼ぎになるという。

将来的に、電子タバコ関連の広告やスポンサードコンテンツに対して、YouTubeでも同様の規制が課される可能性について問われると、ウルスア氏は「インフルエンサーとして覚悟しておくべき事態だし、コンテンツの配信先を再び多様化させるつもりだ」と応じた。ウルスア氏の言葉を借りるなら、「収入源は複数あるに越したことはない」。

Deanna Ting(原文 / 訳:英じゅんこ)
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