Facebook Live の人気再燃!:美容ブランドとインフルエンサーたちが気づいた、その魅力とは?

2015年秋の登場から間もなく、Facebook Live(ライブ動画)はその競争力を失った。 ビューティブランドおよびインフルエンサー間の人気競争において、インスタグラムの一連の機能、つまりストーリーズ(Stories)やライブ(Live) 、さらには IGTVにも負けたからだ。だが、新型コロナウィルスがビューティ勢の全ライブ化を加速させるなか、Facebook Liveに対する注目度が再び高まっている。

ブランド勢は創設者が直接指導するものを含めたチュートリアル動画という、YouTubeやインスタグラムでおなじみの手法を採る一方、クリエイター勢はコメディやソーシャルグッドに傾倒、というのが現在の傾向だ。

たとえば、ヘアカラー剤メーカーで、専門サロンの運営も手がけるマディソン・リード(Madison Reed)は4月前半、全サロンの一時閉鎖から間もなく、女性に自宅での髪染め方法を教えるFacebook Liveシリーズ「Colorist on Call(カラリスト・オン・コール)」を立ち上げた。テレビショッピング専門チャンネルQVCは一方、ブルームエフェクツ(Bloomeffects)やアルピン・ビューティ(Alpyn Beauty)、ビークマン(Beekman)1802といったナチュラルスキンケア/コスメブランドの商品紹介にFacebook Liveを利用したリモート収録を導入し、大反響を呼んだ。たとえば、QVCへの登場は今回が初となるブランド、ブルームエフェクツがテレビ放送に先駆け、去るアースデイ(4月22日)にFacebook Liveに登場すると、過去のQVC Facebook Liveの平均を6倍近く上回る23万2000人がこれを視聴した。ブルームエフェクツは3月にQVC.comでの販売を開始したが、ショッピングチャンネルへの登場は4月下旬が初だった。

ブルームエフェクツの共同創設者/CEOキム・ファン・ハスター氏は、Liveのソーシャルシーディング力に注目し、再度のQVC出演を決めたという。QVCは2018年、ビューティ部門ではFacebook Liveを多用していたが、 2019年にインスタグラムに移行した。だが、QVCやHSNが有する、主に35歳以上からなる大勢のオーディエンスへの新設ブランドや新人創設者の紹介という点においては、Facebook Liveのライブ配信が非常に効果的であることがわかっている。米コスメブランド、メンテッド(Mented)のアマンダ・ジョンソン氏とKJミラー氏も、同社のHSNデビューに合わせ、この1月にFacebook Liveに登場した。

つながりを保持するのに有効

Facebook社の最近のアーニングコールにおいて、CFOデイヴ・ウェナー氏はFacebook Liveの利用数増大に触れ、「1日8億人がFacebook Liveにエンゲージ[している]」と述べた。

Facebookアプリ部門の責任者フィジー・シモ氏によれば、この2月から3月にかけてFacebook Liveのオーディエンス数は50%増を記録した。「人々が以前にも増してつながりを求めるなか、Facebook Liveの視聴数は全体として大幅に増えており、なかでも新型コロナの影響がもっとも大きい分野において顕著な伸びが見られる」とシモ氏。「クリエイターたちはLiveを使ってダンスパーティを催し、DJを楽しみ、結婚式を開くなどしている。彼らはそのようなFacebook Liveの定期的利用により、自らが築き上げたコミュニティとのつながりを保持している」。

そうした新たなクリエイターコンテンツの場合、あからさまな販促/チュートリアルものよりも、含みや幅を持たせたもののほうがFacebook Liveでは機能するようだ。理由は、この隔離期間中、インフルエンサーらが自身の生活のさまざまな側面をコンテンツに取り込むようになった点にある。たとえば、ビューティ好きを自認し、笑える投稿で人気を博すインスタグラム界のスター、ベニート・スキナー氏は、Facebook Liveを普段とは違うオーディエンスにアピールするためのツールと考えている。

「プラットフォームにはそれぞれ長所がある」と、カーダシアン一族の物真似メイク&ヘアで知られるスキナー氏は語る。「友人のメアリー・ベス・バローンのLiveに出ているんだけど、コンテンツにはそれぞれ、オーディエンスごとにふさわしい作り方があることがわかった。Facebookを使ってみて気づいたのは、Liveではテキストを多く入れたほうがいいということ。そのほうがオーディエンスにコンテクスト(背景)が伝わりやすいから」。

カテゴリーの枠を越えた交配

ソーシャルインフルエンサーマーケティングエージェンシー、デジタル・ブランド・アーキテクツ(Digital Brand Architects)のブランドパートナーシップ部門でパートナー兼EVPを務めるリーサ・レイク氏によれば、Facebook Liveはこれまで、他プラットフォトームのコンテンツのシンジケーションツールとして利用されていたが、それが変わりつつあるという。この4月、同社はテックサポート会社クロエデジタル(Chloedigital)と共同でユア・ライブ・ガイド(Your Live Guide)を立ち上げた。全ソーシャルメディアで配信中のライブコンテンツを紹介する、いわばテレビガイド的プラットフォームだ。現在、同プラットフォームで配信されているLiveの大部分――約90%――を占めるのがインスタグラムで、残り10%がFacebook Liveとなっている。Zoom(ズーム)、TikTok(ティックトック)、YouTube Liveは依然ごく少数であり、1桁台の割合に留まっていると、レイク氏は言う。

「インスタグラムは、主なビューティブランドやクリエイターはどこもすでに利用しており、DMやコメントを介してそれぞれのコミュニティと相互に交流しているし、それはこの先も続いていくだろう。一方、Facebookは商品の販促やローンチに強い」とレイク氏。「どちらも必要なものだが、インスタグラムにはLiveをIGTVに変えるパワーがあり、より高い持続力を有している」。

また、新型コロナウィルスはソーシャル・グッド・クラブ(Social Good Club)の誕生も後押しした。これはFacebookおよびFacebook Live上に設立されたインフルエンサー主導のプラットフォームで、アクティビストのブランドン・カウファー氏、トラベルインフルエンサーのルイス・コール氏、ビューティクリエイターのカンディ・ジョンソン氏をはじめ、多くのインフルエンサーが関わっている。

「当初は、2カ月にわたるコンテンツのソフトローンチを実施し、5月にバハマでイベントを開催するつもりだったんだが、3月にデジタルオンリーへの変更を決めた」と、ソーシャル・グッド・クラブの共同創設者コール氏は語る。「Facebook Liveは、普段いる場所、つまり自宅で人々と出会える場となった。我々のオーディエンスの多くが孤独/セルフケアを話題にしている」。この約2カ月間で、ソーシャル・グッド・クラブは3900人のFacebookフォロワーを獲得した。

「視聴者を呼び込む一助となる」

このように、Facebook Liveにおけるカテゴリーの枠を越えた交配こそがFacebookの成功につながると、レイク氏は期待する。

「たとえライブ配信であっても、コンテンツは教育的要素があり、娯楽性があり、刺激を与えるものでなければならない。手当たり次第、とりあえず壁に向かって放り投げ、何が張り付くのかを見る、というやり方はありえない。ブランドは既存の仕事の枠にライブという新たな選択肢を加えているし、それはジャンルを問わない。ビューティ、フィットネス、料理、いや、そのすべてを網羅する場合だってある。インフルエンサーは同時に2つ以上のものを取り込めるからであり、それが見る者に本物感を抱かせる。そうした手法は間違いなく、オーディエンスを呼び込む一助となる」。

PRIYA RAO(原文 / 訳:SI Japan)