Facebookは「ライブ動画」の人気を高めるためにリソースをつぎ込んでおり、ライブ動画の使い道を教える屋外広告まで実施しているほどだ。そのFacebookがいま、ブランドやパブリッシャーが、人々にライブ放送を通知するのに使える、リアルタイム広告をテストしている。
Facebookは「ライブ動画」の人気を高めるためにリソースをつぎ込んでおり、ライブ動画の使い道を教える屋外広告まで実施しているほどだ。そのFacebookがいま、ブランドやパブリッシャーが、人々にライブ放送を通知するのに使える、リアルタイム広告をテストしている。
ブランドとパブリッシャーは現在、放送前や、ライブ動画の終了後に、スポンサー投稿を通じてFacebookライブ動画のコンテンツを宣伝するしかない。ソーシャルメデイアエージェンシーのムーブメント・ストラテジー(Movement Strategy)でディシジョンサイエンスのディレクターを務めるリアム・コープランド氏によると、今回の新しい広告は、ライブストリーミングの最中にニュースフィードに表示されるため、その瞬間に人々の心をつかむチャンスを、ブランドとパブリッシャーの両者にもたらすという。
この広告はまだテスト段階だとコープランド氏は語った。あるFacebook関係者は、Facebookがライブ動画の広告の「小規模なテストを実施している」ことは認めたが、現時点で機能をテストしている広告主やパブリッシャーに関する詳細の説明は拒否した。
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時間のずれがもらたす問題
エージェンシーであるRPAのデジタル戦略担当マネージャー、マイク・ドーセット氏は、ライブ動画の価値がタイミングに大きく依存するのに対し、有料プロモーションはどういったものでも拡散に時間がかかると説明する。
「ストリーミングの配信とそれを支援するプロモーションの実施に時間のずれがあると、特有の問題が生じる」と、ドセット氏。
たとえば、化粧品のベネフィット・コスメティックス(Benefit Cosmetics)は、8月23日に放送された「ブローアワー(Brow Hour)」というライブ動画の宣伝投稿を、9月19日~25日に実施した。同社のデジタルブランドマネージャー、ローリン・ヒックス氏によると、このキャンペーンは同社のほかのFacebookライブ動画よりはるかにうまくいき、100万人へのリーチ、39万2000件のエンゲージメント、38万9000件の視聴を生み出したという。
同氏は次のように述べている。「2カ月前にオーガニックでパフォーマンスの高いライブ動画を確かめ、そのうえで、それを中心にリーチを拡大するための宣伝投稿を実施した。2017年にはしっかりとした戦略を策定するつもりだ。たとえば、Facebookの類似オーディエンス(Lookalike Audiences)をテストしたうえで、2~3週間後ではなく1週間後にライブ動画を宣伝することを計画している」。
スケジュール機能は導入済
Facebookは現在テストしているリアルタイムプロモーション機能とは別に、先月、ライブストリーミングのスケジュール機能を導入し、広告主とパブリッシャーが今後の放送を発表する投稿を可能にした。
化粧品ブランドのインスタナチュラル(InstaNatural)の最高マーケティング責任者(CMO)、エセルバート・ウィリアムズ氏は、「もしブランドが関心を示すに足るオーディエンスのリーチと規模を、Facebookが示し、保証できれば、(ブラントは)必ずやライブ形式のコンテンツ制作への投資を喜んで増やすだろう。ライブ動画のリーチを拡大するための戦略は現在もあるが、ブランドが実際に獲得できるものをもっと目に見えるようにして、説明責任を改善できるなら、非常に魅力的であり、投資の正当化につながるだろう」と、語った。
Yuyu Chen (原文 / 訳:ガリレオ)