Facebook Watch(ウォッチ)は現在、プロの手によるシリーズものの動画専用から、あらゆる種類のクリエーターが制作した、あらゆる種類の動画を配信するプラットフォームへと改変中であり、作業はまもなく完了する。
Facebook Watch(ウォッチ)は現在、プロの手によるシリーズものの動画専用から、あらゆる種類のクリエーターが制作した、あらゆる種類の動画を配信するプラットフォームへと改変中であり、作業はまもなく完了する。
あるパブリッシャー幹部が見せてくれたeメールによると、Facebookは番組ごとの専用ページを包括的な動画ページに作り替えている。この数カ月のうちに、ショーページ(Show Page)をスタンドアローン型でなくし、すべてをこの新しいビデオページ(Video Page)に吸収させると、同社はWatchの動画制作会社各社に通達している。新サービスの名称は「シリーズ(Series)」となり、パブリッシャーをはじめとする動画制作者/会社は、ビデオページと通常ページの双方にアップロードできることになる(このニュースは最初、[ソーシャルメディアに精通するコメンテーター/コンサルタント]マット・ナヴァーラ氏がTwitterで報じた)。
「現時点で言えるのは、ショーページのテンプレートとビデオページのテンプレートを融合させている、ということだ。この改変は必ず、パートナーの皆様のパブリッシングプロセスの簡便化に役に立つと考えている」と、Facebookの広報は述べている。
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終わらないWatchの改変
大半は表面的なものだが、この改変は同社が2017年の米国におけるローンチ以来行なってきた、Watchに関する優先順位および戦略の見直しの一環でもある。Watchはもともと、パブリッシャーやエンターテイメントスタジオなどが制作した、プロの手による――そして、広告主に優しい――動画シリーズのための場として開発された。ローンチパートナーはAttn、マッシャブル(Mashable)、ハースト(Hearst)、テイストメイド(Tastemade)といったパブリッシャーだった。だが、2018年6月には早くも、同社はWatchを単発動画に開放していた。
今回の改変により、FacebookはWatchが――YouTubeと同じく――動画の作り手も種類も問わないプラットフォームであることを完全に認めたと、複数のパブリッシャー関係者は語る。
とはいえ、Watchの変更を終了するつもりは、Facebookにはないようだ。2018年12月の同社発表によると、Watchのデイリーユーザーは7500万人、ユーザー1人あたりの利用時間は1日最低1分間。数字だけ見れば依然、YouTubeの足元にも及ばないが、この数カ月間、FacebookはWatchをさらにYouTubeに近づける改変に注力している。たとえば、資金援助プログラムの導入もそのひとつで、同社は今後、パブリッシャーに資金を提供し、インフルエンサーが出演する番組を制作させていく――インフルエンサーには無論、いわゆるYouTuberも含まれる。
マネタイズへの影響は不明
この改変がオーディエンスに、そしてWatchで番組を配信するパブリッシャーの収益にどう影響するのかは、現段階ではわからない。Facebookのメールによれば、動画制作者/会社は今後、番組ごとにページを一から作る必要がなくなるため、作業が楽になるという――「ショーページにおいて新たなオーディエンスをゼロから確立するのがどれほど困難であるかは、承知している」。一方、ある情報筋によれば、今回の変更は、ポストパフォーマンスには影響を及ぼさないはずだという。
「マネタイゼーションが変わるかどうかについては、何も聞かされていない」と、あるパブリッシャー幹部は語る。「個人的には、そこに関心がある」。
Facebookは上述のeメールにおいて、ショーページは「この数カ月のうちに」確実に変わると断言しており、ページオーナーらに対し、改変に対する準備を促していると、複数の情報筋は語っている。
Sahil Patel(原文 / 訳:SI Japan)