広告主が広告の視聴秒数にこだわるなか、Facebookは広告に3秒ルールのようなものは無いと証明しようとしている。若者のデジタルネイティブ化も進むなか、広告視聴傾向はどのよう変化しているのか。若者と年配層を比較することで、Facebookは新しい広告視聴の定義とブランディングについて考察した。
同社にて広告商品のマーケティングを担当するグラハム・マッド氏は、時間に重点をおいた指標や、インパクトを軸とした指標の研究を続けていると、Advertising Weekにおけるインタビューで語った。たとえ、広告の視聴時間が3秒以下であっても、多くのユーザー、特に若い世代は、そのブランドメッセージを理解することに問題はないという。
Facebookは「広告に3秒ルールはない」と、必死に証明しようとしている。少なくとも「数秒は広告が見られる」という保証が欲しい多くの広告主たちとは相反して、「価値のあるインプレッション」について独自の定義を構築した。
Facebookの広告には、ユーザーたちの画面スクロール速度が大きく関わってくる。それが早かれ遅かれ、そのユーザーが「通常」どのくらい広告閲覧に時間をかけているかが問題だという。
同社にて広告商品のマーケティングを担当するグラハム・マッド氏は、時間に重点をおいた指標や、インパクトを軸とした指標の研究を続けていると、Advertising Weekにおけるインタビューで語った。たとえ、広告の視聴時間が3秒以下であっても、多くのユーザー、特に若い世代は、そのブランドメッセージを理解することに問題はないという。
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また、スクロールスピードは、同社がブランドに伝えたいメッセージの重要なポイントだ。それを応用して、広告主のブランド認知度を高める、新しいキャンペーンも用意していることも明かした。通常より長く広告を視聴したユーザーを自動的に探知し、そのユーザーと同じような属性をもった別のユーザーに広告を当てていくというものだ。
本記事では、マッド氏の見解として、スクロールの速いユーザーと、ブランド認知度を向上するためのFacebookの能力、そしてなぜ広告主は広告閲覧時間にこだわるのをやめるべきかについて紹介する。
Facebookの企業認知度の最適化は、実際に機能しているのか?
基本的に、Facebookは誰が通常より長い時間を広告閲覧に費やしているかを見ているため、スクロール速度との関連性がとても高い。とあるスクロールの遅いユーザーがいて、コンテンツを理解するのも遅いとすると、それがその人の基準となる。そしてあるキャンペーンのなかで、そのユーザーが通常よりも2倍ほど長く広告を見ていたとすると、この広告はその人に対して関連性が高いと判断される。そうすると、Facebookはユーザーのプロフィールなど、もっているすべての情報を使って、同様のオーディエンスを探すのだ。
ブランドメッセージ理解に必要な時間に関して、どんな発見があった?
私たちは2つのことを発見した。1つ目は、ブランド価値は一瞬で作られるものだということだ。2つ目は、広告閲覧に時間を費やすことで、その価値が増加するということ。広告に費やす時間と、その広告を記憶することには明確な関連性がある。
若者たちはどれくらい早く広告メッセージを理解する?
興味深いことに、コンテンツを理解する方法は人によってとても異なるということです。ティーンエイジャーたちは60代の人たちと比べると2.5倍ほど早く理解している。
広告閲覧時間は2秒以上欲しいと考える広告主に言いたいことは?
2秒以上の閲覧によって、広告が注目を得たという指標とするのならば、若い世代は何にも注目していないことになる。すると、年配層のほうが若者よりも注意を払っていることになるが、今回のケースには当てはまらない。若者たちは年配層に比べ、コンテンツを理解するのがとても速いからだ。私たちはすべてについて関連性をもとに調べている。もしユーザーが通常よりも長く時間を広告に費やした場合、私たちはそれを「注目した」と判断する。
なぜミレニアル世代はスクロールや理解が早いと思う?
考えてみると、彼らは生れながらモバイル機器と接している世代だ。多くの時間をモバイル機器に使用している。それらの機器から情報を素早く得ることが上手になっているのだ。
Garett Sloane(原文 / 訳:小嶋太一郎)
photo by Thinkstock / Getty Images