2018年の第4四半期において、Facebookは169億ドル(約1.85兆円)の四半期収益と69億ドル(約7500億円)の利益を報告し、投資家たちの予測を裏切った。これには多くの人々が感心している。最大手の広告主からの警告を受けても、Facebookはダメージを受けないレベルにまで達している。
プライバシー関連のスキャンダルが、Facebookの成長を阻んだという話も、そこまでではなかった。
2018年の第4四半期において、Facebookは169億ドル(約1.85兆円)の四半期収益と69億ドル(約7500億円)の利益を報告し、投資家たちの予測を裏切った。これには多くの人々が感心している。アメリカとカナダではユーザーあたり平均して34.68ドル(約3800円)の収益を生み出しており、これは前年と比べて30.3%の上昇となっている。Facebookによると、すべての地域においてユーザーあたりの収益の伸びは顕著だという。
プライバシー関連のスキャンダルには膨大な量の批判が集まった。それにもかかわらず、Facebookにとってのもっとも重要なユーザーと広告主はFacebookを去らなかった。むしろこの四半期にユーザーベースを拡大している。Facebookに関する懸念をトップマーケターが何人も表明したが、Facebookへの広告支出を停止することはしなかった。
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11月にDIGIDAY+が行った調査ではブランドやエージェンシーにおける広告バイヤー182人のうち、Facebookの最近のスキャンダルは支出において影響はないだろうと答えたのが62.1%だった。11月に行われた別の調査では対象となった363のメディアバイヤーのうち、50%がFacebookにおける支出を増加させると答えており、79%がインスタグラム上での支出を増加させると答えている。
要点は以下だ。
- 23.2億MAU、15.2億DAU(どちらも前年と比べて9%増加)
- Facebook、ワッツアップ(WhatsApp)、インスタグラム(Instagram)、そしてメッセンジャーも加えると、27億MAU(前四半期の26億から増加)、そしてこのプラットフォームのうち、どれかひとつでも毎日使用しているユーザーは20億以上
- 前四半期と比べて、DAUは2000万追加(これはFacebookが第2四半期から第3四半期にかけて増やした数と同じ)
- 四半期収益は169億ドル(約1.85兆円:前年から33%増加)
- 利益は69億ドル(約7500億円:前年から61%増加)
- 広告収益の93%はモバイル由来(前年は89%、前四半期では92%だった)
- ユーザーからの平均収益はアメリカとカナダにおいて34.86ドル(約3800円)、世界規模では7.38ドル(約810円)
投資家たちが持っていた期待とは
Facebookはウォールストリートの収益予想を打ち負かした。予想されていた164億ドル(約1.8兆円)に対して、今四半期の収益は169億ドル(約1.85兆円)だ。株価は報告が発表されたあと、立会時間外取引において7%も飛び上がった。
Facebookは700万の広告主を抱えている
Facebookの広告ビジネスのベースは新たなレベルへと突入した。アクティブ広告主が700万に達したのだ。最高オペレーティング責任者であるシェリル・サンドバーグ氏が明らかにした。この成長は、小規模なビジネスをサポートするというFacebookの目標に貢献するだろう、そしてその結果また、Facebookは彼らからの広告収入を増やすことになる。2017年4月にFacebookは500万の広告主を発表しており、2017年11月には600万に達した。ここから言える確かなことは、「広告主によるボイコット」がFacebookのマネージメントに影響を与えることはないだろう、という点だ。最大手の広告主からの警告を受けても、Facebookはダメージを受けないレベルにまで達している。
ストーリーズは200万の広告主を抱えるものの、まだ新しいプロダクト
CEOのマーク・ザッカーバーグ氏によると、Facebookの目標は「人々の生活を改善するような意味のある改善を届けること、そしてコミュニティが『Facebookやワッツアップでこんなに新しいことができてる』と気づけるような改善だ」と述べている。この種のリアクションはストーリーズに対して集まっていると、ザッカーバーグ氏は語っている。ザッカーバーグ氏もサンドバーグ氏も、ストーリーズは消費者が一斉に集まったものの、広告主による利用は、まだ本来のスケールに達していないとのことだ。サンドバーグ氏によると、ストーリーズ上には200万の広告主が存在するという。広告バイイングはボタンをクリックするだけ、というシンプルさにまで作り上げている。
Facebookはコマース、特にインスタグラム上のコマースに賭けている
インスタグラムはDTC(Direct to Consumer:ネット直販)ブランドにとって、お気に入りの広告プラットフォームかもしれない。しかし、Facebookは、ユーザーによる新しいビジネスの発見や商品取引の性能を改善させることで、リテール体験も進化させたいと考えている。「(ユーザーによる新しいプロダクトの)発見という側面を完成させたい。人々はすでにコマース活動に興味を持っており、ビジネスをフォローしている。そして、ここには商品取引を可能にさせる大きなビジネスチャンスが存在していると思う。販売者を信頼し、良い体験を提供してくれると、ユーザーが理解しているという状況だ」と、ザッカーバーグ氏は言った。この体験はFacebookのマーケットプレイス、そして、ワッツアップでも適応できる。
Watchは消えることはない
Facebook Watch(ウォッチ)の戦略は、とにかく変わり続けている。しかし、ザッカーバーグ氏はまだ、動画を欲しいと思っている。そして、Watchがビジネスとして、もっと大きくなって欲しいと考えている。Facebookは、ニュースフィードにおける動画の数を減らし、代わりにユーザーたちをウォッチのタブへと導くよう取り組んできたと、彼は述べている。受け身になって視聴するのではなく、いいね! やコメントといったエンゲージメントをニュースフィードで促しているとのことだ。しかし、Facebookの動画がよりインタラクティブであって欲しいとも述べている。Watchパーティ(Watch Party)やプレミアーズ(Premieres)といった機能を通して、Facebookはこの側面を強化しようとしている。
Kerry Flynn(原文 / 訳:塚本 紺)