Facebookは選ばれたメディアパートナーのコンテンツをニュースフィード上に流す仕組み「コレクション(Collection)」を開発している。Business Insiderが2日(現地時間)、関係者の談話と内部資料をソースとして報じた。
Facebookは選ばれたメディアパートナーのコンテンツをニュースフィード上に流す仕組み「コレクション(Collection)」を開発している。Business Insiderが2日(現地時間)、関係者の談話と内部資料をソースとして報じた。
報道によると、コレクションはSnapchatの「ディスカバー(Discover)」やTwitterの「モーメント(Moment)」のFacebook版のようだ。指定された一部のメディアパートナーが、ニュースフィード上にリスティクル(リスト記事)、ビデオ、ほかのコンテンツを陳列できるという。
Facebookは昨年、モバイルロード時間を高速化する「インスタント記事」を提供開始した。各媒体社がロード時間短縮で競争していたところに、その便宜を図ることで、自社内でのコンテンツ消費を促進する試み。Googleはモバイルウェブ高速化プロジェクト「AMP(アンプ)」で追随し、現在も媒体社の参画をめぐって激しく競争している。
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スナチャの「ディスカバー」をニュースフィードに
同時にユーザーベースを急拡大するSnapchat対策の意味もありそうだ。Snapchatは「ディスカバー」機能により各媒体がコンテンツを置くスペースを提供している。コレクションはこれをニュースフィードで提供することになりそうだ。
Facebook本体やインスタグラムは、Snapchatに似た機能を拡充している。Snapchatは来年上場予定で、時価総額は250億ドル(約2兆7500億円)程度を想定しており、上場後はFacebook追走のために大きな投資をするとみられている。
Facebookは以前、速報ニュースアプリケーションの「ノーティファイ(Notify)」を提供したが、7カ月で運用停止している。
パートナー指定により偽ニュース対策
コレクションの開発には偽ニュース問題の対応策という側面もありそうだ。現状は、一部の劣悪なコンテンツが、コンテンツ流通全体の確実性を損ねている状態だ。パートナー指定された信頼性の高いメディアによる情報流通により一部の劣悪なコンテンツを排除できる。偽ニュースの一時的な解決方法になるかもしれない。
ただ、偽ニュースをめぐる議論では、道具(Facebook)とその道具を利用してされた行為(偽ニュースの拡散)を分けずに、Facebookを叩いている部分がある。
Written by 吉田拓史
Photo by Andrew Feinberg