Facebookのブランドセーフティ監査が延期された。Facebookは業界団体メディア・レーティング・カウンシル(Media Rating Council;以下、MRC)に対し、コンテンツ収益化とブランドセーフティコントロールの監査を6月末までに開始すると約束していた。しかし、その期限は過ぎてしまった。
Facebookのブランドセーフティ監査が延期された。
Facebookは数十年前から測定データの検証・認定をおこなってきた業界団体メディア・レーティング・カウンシル(Media Rating Council;以下、MRC)に対し、コンテンツ収益化とブランドセーフティコントロールの監査を6月末までに開始すると約束していた。しかし、その期限は過ぎてしまった。監査がまだ開始されていないだけでなく、6月前半に米DIGIDAYが報じた通り、監査の詳細に関する正式な契約すら交わされていないことを双方の広報担当者が認めている。
「認定の時期は予測できない」
Facebookは1年前、MRCの監査を受けることを公に約束した。広告メッセージがヘイトスピーチ、誤報、ポルノといった不適切なコンテンツに隣接して表示され、結果的に資金援助してしまうことを懸念した広告主がFacebookを一斉にボイコットしたさなかのことだ。
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MRCはそれ以降、Facebookが監査の準備プロセスを完了するのを何カ月も待ち続けている。準備プロセスの中身についてはほとんど知られていないが、Facebookは進行中だと述べている。
Facebookの広報担当者は米DIGIDAYの取材に対し、「7月には準備が完了し、監査を始められる予定だ。年末までにMRCの認定を受けることを目指している」と説明した。
FacebookはMRCの監査を「年末までに」完了するという約束を変更していないが、「約束を守ることができるかどうか」は不明だ。MRCの広報担当者によれば、「(Facebookが)7月に監査を始めることになった場合、第4四半期中に監査委員会によるレビューがおこなわれる可能性は十分ある。ただし、監査の結果に大きく左右されるため、認定の時期は予測できない」という。
両者とも詳細を語らず
そもそも両者のあいだで正式な契約が交わされていないため、監査の具体的な内容も不明だ。「(Facebookが)何の認定を受けられるかは、監査の範囲によって変わってくるが、この点については、実際に彼らと契約を交わさなければ説明できない」とMRCの広報担当者は述べている。
MRCはこれまで、Facebookが監査を受ける約束を撤回していないかどうかを確かめるため、両者間の電子メールのような非公式なコミュニケーションに頼ってきた。監査の目的はインストリーム、インスタント記事、Facebookオーディエンスネットワークといったパブリッシャーコンテンツ内の広告に対するブランドセーフティコントロールの評価、ブランドセーフティスタンダードに基づくコンテンツ収益化ポリシーの評価だ。だが、MRCがFacebookのブランドセーフティを評価するために使用するこの業界標準も完全には確立されていない。
正式な契約が遅れている理由について、両者ともDIDIDAYに詳細を語らなかった。そのため、監査の基準、監査プロセスのタイミングやロジスティクス、Facebookが監査人に認める技術へのアクセスレベルなど、何が障害になっているかは不明だ。MRCの広報担当者は「活発な議論を続けること以外、何も付け加えることはない」と述べている。
[原文:Facebook delays its brand safety audit a year after ad boycott raged]
KATE KAYE(翻訳:米井香織/ガリレオ、編集:分島 翔平)