DTC ERA

Snapchat を軸に広告予算を模索するD2Cブランド:「Facebookに次ぐ候補となっている」

2021年に入って、Snapchatに広告を出すD2Cブランドが増えている。この背景には広告チャネルの多様化というトレンドがある。そのなかでもSnapchatは時流を牽引するかのように成長を続け、出稿額は前年比でおよそ10%増加しており、業界全体の予算に占める割合も10~25%にまで達している。

このトレンドを支えているのが、これまでのFacebookやインスタグラムといった一部のプラットフォームへの過度な依存についての反省だ。それに加え、Appleをはじめとするプラットフォーマーたちがプライバシー保護強化に乗り出したことで、Facebookやインスタグラムをとりまく広告環境は大きく変わると考えられており、あらかじめ代替となるプラットフォームについて理解を深めておきたいという広告主の事情も重なる。

もっとも伸長しているプラットフォーム

Snapchatは、ターゲティングやダイレクトレスポンスといった機能面においてはTikTokを凌ぎ、広告主からの関心が非常に高まっている。それと同時にSnapchat自体も、D2Cブランドに対して同プラットフォーム上のコマース機能を利用することのメリットを説き、上手く採用へとつなげている。そう語るのは、パフォーマンスマーケティングエージェンシーであるテイク・サム・リスク(Take Some Risk)の創設者で、戦略部門のトップを務めるデュアン・ブラウン氏だ。

パフォーマンスマーケティング企業、デジショップ・ガール(Digishop Girl)のCEO、カチャ・コンスタンティン氏も「今後数カ月のあいだに、Snapchatへの広告出稿量は今よりさらに増えるはずだ」と語る。「特にSnapchatのキャンペーン機能はコンバージョン面で最適化されており、非常に魅力的だ。Snapchatを採用する企業は今後しばらくは増加の一途をたどるだろう」。

米DIGIDAYが以前報じたように、男性向けD2C石鹸ブランドであるドクター・スコッチ(Dr. Squatch)をはじめ、広告チャネル多角化戦略の一環としてSnapchatを組み込んでいるブランドは少なくない。

多数のD2Cクライアントを抱えるホームステッド・スタジオ(Homestead Studio)の創業者兼CEO、ザック・スタック氏は「Snapchatは、現在もっとも急速に伸びているプラットフォーマーと言えるだろう。私と顧客との会議中にもたびたび話に上がっている」と評価する。「投資に対し、大きなリターンが期待できるプラットフォームと言える。競争は少なく、CPMも低い。Facebookの対応の悪さにストレスを抱える企業は多いが、Snapchatの担当者は素早く、親身に取り組んでくれている」。

Facebookに匹敵する可能性は?

ホームステッド・スタジオの顧客によるSnapchatへの広告出稿額は2020年を境に大きく増え続け、今や多くの顧客で広告予算全体の10~15%を占めるに至っている。2020年の開始時点では、この割合は0~10%に過ぎなかった。

このように、パフォーマンスマーケティング分野でもてはやされているSnapchatだが、メディアエージェンシーのあいだではまだまだ賛否両論となっている。すでにSnapchatへの広告出稿している企業では、多様化の一環としてAR機能の充実が評価されるケースもあるようだ。

電通インターナショナルでペイドソーシャル担当責任者を務めるステフ・スミス氏は「多角化を掲げる企業にとって、高度なダイレクトレスポンス機能とターゲティング機能を有するSnapchatは、Facebook(およびインスタグラム)に次ぐ候補となっている」と語る。「それだけでなく、SnapchatはARに対して非常に積極的だ。これに惹かれる企業も少なくない」。

このように勢いを強めるSnapchatだが、Facebookに匹敵するプラットフォーマーになれる可能性は、実際のところでは低いというのがバイヤーの見立てだ。そのような情報が流れようとも、パフォーマンスエージェンシーがSnapchatについて強気の見方を崩さないでいることに疑いの余地はない。

‘More ad dollars move to Snapchat’: Why direct-to-consumer brands eye the platform as they diversify from Facebook

KRISTINA MONLLOS(翻訳:SI Japan、編集:分島 翔平)