3月にコロラド州ベールで米DIGIDAYが主催したパブリッシングサミット(Publishing Summit)で、我々は米国のパブリッシャー幹部49人と顔を合わせ、Facebookのニュースフィード改変にどう対応しているかを尋ねた。
3月にコロラド州ベールで米DIGIDAYが主催したパブリッシングサミット(Publishing Summit)で、我々は米国のパブリッシャー幹部49人と顔を合わせ、Facebookのニュースフィード改変にどう対応しているかを尋ねた。
ポイント:
- 米DIGIDAYが調査したパブリッシャーのうち、53%がFacebookのニュースフィード改変を受けて方針転換をしていると回答した。
- パブリッシャーの60%が、改変によるオーディエンス総数への影響は軽微、あるいは皆無と回答した。
Facebookがパブリッシャー投稿の優先度を下げ、ユーザー投稿を優遇するニュースフィードのアルゴリズム改変を発表してから、はや数カ月。この改変は一部のパブリッシャーに壊滅的な結果をもたらし、多くが方針転換を迫られていることが、DIGIDAYパブリッシングサミットでの調査で明らかになった。
53%が方針転換を決意
調査に参加した米国のパブリッシャー幹部のうち、53%がFacebook戦略の転換に言及した。参考までに、欧州のパブリッシャーでは同じ質問に対して70%が方針転換中だと回答した(複数回答のため、パーセンテージの合計は100%を超える)。
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同調査では、Facebookからほかのソーシャルプラットフォームに重心を移すという回答も多かった。パブリッシャーがFacebookの参照トラフィックの後釜を探すなか、ほかのソーシャルプラットフォームはパブリッシャーに向けて、さまざまなオファーを行っている。インスタグラム(Instagram)やTwitter、LinkedIn(リンクトイン)だけでなく、Pinterest(ピンタレスト)でさえもパブリッシャー向けのトラフィックを強化した。一方、Googleは「Googleニュースイニシアチブ(Google News Initiative)」の一環として、検索結果において質の高いジャーナリズムを優遇する計画を発表している。
以前のDIGIDAYリサーチで、メディア企業幹部はFacebookのアルゴリズム改変を受けて今後力を入れるべきプラットフォームとして、Apple Newsを挙げた。だが、Apple Newsには利点もあるものの、現状では失われたFacebookのアドトラフィックを補うには不十分だという声もある。「いまのところ、完全にイメージ戦略でしかない」と、匿名希望のあるパブリッシングサミット参加者はいう。「リーチが増えたのは確かだし、編集部は気に入っているが、収益にはまだ何ひとつ貢献していない」
60%が影響は軽微・皆無
一部のパブリッシャーは、Facebookの動きをとりたてて懸念していないと述べる。調査対象のパブリッシャーのうち、アルゴリズム改変がオーディエンスの総数に重大な、あるいは劇的な影響をもたらしたと回答したのは9%にとどまった。忠実なオーディエンスを抱えるプレミアムパブリッシャーは、概して改変の影響は軽微だと答えた。トラフィックが大幅に減少しているパブリッシャーは懸念してしかるべきだが、回答した経営幹部の66%は、Facebookに依存するパブリッシャーであっても、トラフィック源を多様化するのはいまからでも遅くないと考えている。
Facebookのアルゴリズム改変をポジティブにとらえるパブリッシャーもいる。たとえば、LGBTに特化したパブリッシャーのピンクニュース(PinkNews)は、これを機会に長期的かつ効果的な編集方針を模索している。「Facebookが減ってくれたおかげでトラフィック多様化が大成功したように見えると、内輪でジョークを言っている」と、ある幹部は語った。
Mark Weiss(原文 / 訳:ガリレオ)