ソーシャルプラットフォームを運営する企業は数多く存在するが、Facebookとその他の企業では影響力に大きな違いがあることは確かだ。DIGIDAYリサーチによると、メディアの買い手と売り手両方にとってFacebookが、群を抜いてもっとも価値のあるソーシャルプラットフォームだという結果が出ている。
ソーシャルプラットフォームを運営する企業は数多く存在するが、Facebookとその他の企業では影響力に大きな違いがあることは確かだ。
Facebookとインスタグラムというふたつの広告サポートプラットフォームを運営するこの大企業に対して、パブリッシャーやマーケターたちはどちらも頻繁に不満を表明し、ときには抗議活動を行うことすらある。しかし、DIGIDAYリサーチによると、メディアの買い手と売り手両方にとってFacebookが、群を抜いてもっとも価値のあるソーシャルプラットフォームだという結果が出ている。
今年の初め、米DIGIDAYはメディアとマーケティングの専門家を対象に、ソーシャルメディアプラットフォームが彼らのビジネスで果たす役割について調査した。パブリッシャー、エージェンシー、ブランドにまたがる220人以上の人々が回答した。
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Facebookが勝ち組として突出
DIGIDAYが回答者に、8つのプラットフォームのうちどれが使われているか尋ねたところ、集計したときに全体のうち重要な割合を占めるとして示すことができるプラットフォームは4つだけで、そのなかでも明確に勝ち組として突出していたのがFacebookだった。調査に回答したパブリッシャー勤務の回答者の半分と、Facebookを利用しているバイヤー側の回答者の過半数(ブランドと代理店ともに約60%)が、Facebookのことを少なくとも「価値のある」収益源だと答えた。代理店勤務の回答者の3分の1が、Facebookは彼らのクライアントにとって「非常に価値のある」収益源だと答えている。
インスタグラムに関しても代理店およびブランドの回答者の大多数が少なくとも「価値がある」と答え、同様の結果を示した。それと比較すると、パブリッシャーのインスタグラムに対する収益源としての期待は、はるかに小さかった。
それ以外で、この数字に近づいているのは、YouTubeだけとなっている。FacebookとYouTubeを除くと、26%以上のスコアを記録したプラットフォームはほかにない。
差をつけられる新興プラットフォーム
SnapchatやTikTok、Twitch(ツイッチ)といった若者向けのプラットフォームを利用していると回答した人はそれほど多くはなく、これらのプラットフォームを収益上有用だと回答した割合はわずかだった。たとえば、Snapchatが「価値のある」収益源であると答えたのは、(Snapchatを利用している)エージェンシー勤務の回答者23人のうちわずか2人だった。Twitchをクライアントのために利用した12人のエージェンシー勤務の回答者のうち、「価値のある」収益源だとTwitchに関して回答したのは1人だけだった。
「ブランド構築」という曖昧な基準においても、企業としてのFacebookは競合他社を上回った。代理店の回答者の90%近くは、インスタグラムをブランド構築にとって少なくとも「価値がある」と述べ、40%以上が「非常に価値がある」と述べた。バイヤー側の回答では、Facebookはブランド構築で3位にランクされており、YouTubeに数ポイント及ばないが、YouTubeよりもFacebookを利用している回答者の方がはるかに多い。
これらの数字は、同調査における新興プラットフォームが得た数字に大きく差をあけるものだ。しかしTikTokは、パブリッシャー回答者の2/3が使っていると回答しており、観測的には挽回する点もあった。しかし実際には、今回の調査結果で一部の新興プラットフォームに対する懐疑的な見方が明らかになった。Twitchを使っていると答えたブランド側の4人の回答者のうち、半分はTwitchがブランド構築に「まったく価値がない」と答え、残りの半分はTwitchを「いくぶんか価値がある」と答えた。クラブハウス(Clubhouse)を利用していると回答したパブリッシャー勤務の回答者9人のうち4人は、ブランド構築に「あまり価値がない」か、それ以下だと述べた。
今回の調査が明らかにしたプラットフォーム間の差だが、これがパブリッシャーやブランド、代理店がこれらのプラットフォームの利用を減らすことを意味するのかどうかは不明だ。パブリッシャー、ブランド、エージェンシーはどこでも、あらゆるチャンネルに投入するリソースを正当化する必要性がどんどんと高まっているものの、ソーシャルメディア部門やオーディエンス開発を統括するエグゼクティブが予算を削減する可能性は低い。
MAX WILLENS(翻訳:塚本 紺、編集:長田真)
Illustration by IVY LIU