動画マーケティング 、次のステージは「ガバナンス」が鍵 :ブライトコーブ・北庄司英雄氏の主張

動画マーケティングの目的は、もはや広告だけにとどまらない。

「ストーリーテリング」をテーマとした、DIGIDAY[日本版]主催のクローズドイベント「DIGIDAY BRAND LEADERS 2018」が2018年9月11・12日、ウェスティン都ホテル京都にて開催された。ストーリーテリングにおいて動画は、欠くことのできない重要な要素だ。日本でも、大手企業を中心に動画マーケティングへの取り組みが本格化してきた。だが、「現状の日本企業の動画活用は画一的すぎる」と、動画配信プラットフォームベンダーであるブライトコーブでヴァイスプレジデントを務める、北庄司英雄氏は評する。

「動画を幅広く定義してディープダイブするアメリカ、動画コンテンツを自社できちんとコントロールするという意識の強いヨーロッパ。それと比べ、日本では動画を自社で活用するという思想がまだ定着していない」。

北庄司氏は、これから動画は人材採用や人材育成などにも必要不可欠なものとして、ますます当たり前の存在になっていくだろうと指摘する。本記事では、北庄司氏が登壇したセッション「動画マーケティングは『次のステージ』へ:ブライトコーブの目指す世界」をダイジェストでお届けする。

「理解は進んでいない」

「動画元年と何度も言われ続けている現状にはうんざりしている」、と切り出して会場を沸かせた北庄司氏。動画マーケティングが隆盛を誇っている昨今においても、動画に関する理解や関心は、まだまったく進んでいないと感じるという。

「いまだに、動画と言えば広告やクリエイティブ関連の提案に終始することが多く、動画配信はYouTubeチャンネルさえあれば十分という認識を持っているマーケ担当者も多い」と北庄司氏は続ける。「『動画=広告とYouTube』というイメージで固まっている現状には、警鐘を鳴らしたい」。

動画の管理・運営を制作会社や代理店に任せてしまい、明確なガバナンスの下に自社で運用する意識の低い会社が多いことも問題視している。日本市場ではまだ動画の種類や活用方法は画一的であり、定型的なものに留まっている状況を踏まえて、北庄司氏が日本市場に提案したいことは、次の2点だという。

北庄司氏は「現状の動画イメージに警鐘を鳴らしたい」と語った

北庄司氏は「現状の動画イメージに警鐘を鳴らしたい」と語った

日本市場へふたつの提案

ひとつは、SNS――YouTube、Facebook、Twitterなどで動画配信を行う際、それらの動画を一元管理するツールとしてブライトコーブを活用してほしいという点だ。「今後増え続けるソーシャルメディアに対応し続けるために、自社の保有する動画全体のガバナンスを強化するのは、これからの動画マーケティングにおいて基本思想となるはず」だと北庄司氏は強調する。

「ただ自社サイトやオウンドメディアに動画を置いておきさえすればいい、という時代はとうに終わっている。これからはどう見せるか、見てもらうかという『思想』が、当たり前になってくる。動画を適切にマネージしようとする思想のひとつひとつが、ブランドイメージに好感を抱かせ、ロイヤリティの向上に寄与するはずだ」。

一元管理のメリットは、動画配信のコントロールを自社で行うことで、ブランドイメージのコントロールが可能になることだ。実際、グッチやロールス・ロイス、BOSEといった欧米の名だたるブランドの多くは、ブライトコーブを採用し、オウンドメディア上でシビアなコントロールを実施している。北庄司氏も、日本市場の成熟に期待を寄せているという。「こうしたブランドの動画運用思想を、ぜひ日本の会社にも持ってもらいたい」。

人材育成のためのツール

もうひとつは、「インターナルマーケティング」の取り組みに、動画を活用してほしいという点だ。インターナルマーケティングとは、いわゆる従業員満足度(ES)を高めるための一連の施策を指す。社内で働く人すべてに、取扱商品やサービスへの正しい知識と愛着、その会社で働く喜びや誇り、やりがいを持ってもらうためのこの取り組みは、昨今のビジネスの大きな潮流だ。

「社長メッセージ、研修、教育、社内イベントのライブ配信、社内広報などは、これまでは紙ベース、テキスト主体で社内発信されてきた」と北庄司氏は指摘する。だが、むしろ動画との相性も良く、エンゲージメントの効果も高い。

事実、日本でも徐々にインターナルマーケティングのための動画活用事例も増えている。ブライトコーブは2014年から毎年、動画に特化したカンファレンス「Brightcove PLAY」を開催しているが、2018年の同カンファレンスでは「Supercharge Your Workforce インターナル・マーケティングのススメ」というセッションを実施。日本マクドナルドのオペレーション&テクノロジー本部コアテクノロジー部長である四ツ谷信之氏が登壇し、どういった動画を使って従業員のエンゲージメントを高めるか、といったインターナルマーケティングに関するプレゼンを行った。同セッションには資生堂グローバル広報部、社内・デジタル広報グループの丸山鉄臣氏も登壇している。北庄司氏は、「肌感覚的にも、インターナルマーケティング用途としての動画活用が増えている実感はある」という。

その反面、イベントなどでさまざまな企業と接するたびに、「いまだに人材育成・人材採用と動画を切り離して考えている人も多い」と北庄司氏は続ける。「人材育成と動画は非常に親和性が高く、切り離せない関係だということを、改めて強調したい。むしろ、動画とは、人材育成のためのツールだと思ってもらいたい」。

とはいえ、インターナルマーケティングにおける動画活用は、まだハードルが高い印象があるのも事実だ。北庄司氏も、「活用の入り口としては、やはりコンテンツ管理という点から始めてもらうのがいいと考えている」と語る。企業における動画ガバナンス事例として北庄司氏が紹介したのは、ブライトコーブを利用し、効果的な動画活用に成功している2社だ。

「動画という資産」の管理

まず、大手衣料品メーカーのワコールを見てみよう。以前よりYouTubeを中心とした動画マーケティングを実施し、複数のオウンドメディアで動画を展開するなど、先駆的な取り組みを実践してきた企業でもあるが、それゆえに保有する動画コンテンツの量は膨大だ。それらを整理する必要に迫られていたことや、モデルの契約期間による各動画の期限管理も課題となっていたため、一元管理に取り組んだという。整理された動画コンテンツは、同社のオウンドメディア上に設けられた動画コンテンツページで公開されている。

ネスレ日本でも動画の管理によって、同社のオウンドメディア「ネスレアミューズ」における訪問者のエンゲージメント最大化を図っている。その方法は、同じ動画であっても訪問者の特性に合わせて表示する場所を変え、ブランドページや製品情報の閲覧につなげるというもの。動画を視聴すれば終わりではなく、その後のアクションを促そうという狙いだ。同社では視聴機会を増やす意味でYouTubeなども利用しているが、そこだけに留まっていない。適切なガバナンスに基づく管理と配信面のコントロールによって、さまざまな場で目的に応じて動画を活用することに成功している。

「会社の資産である動画コンテンツをどのように管理し活用していくべきか。まずはこの視点から検討することで、広告にとどまらず、幅広くビジネスに寄与する動画活用への理解が深まるのではないかと考えている」。

記事内でご紹介したワコール様の導入事例シートはこちら
数年前に比べて膨大に増えている動画資産を最大限活用するために、なぜブライトコーブを導入しているのか? 担当者様のインタビュー記事も一緒にご覧いただけます!

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Written by 内藤貴志