ステイシー・ミネロ氏は、Twitterのコンテンツプランニングおよびクリエイティブエージェンシー開発チーム責任者として、ブランドやエージェンシーとTwitter向けコンテンツの調整を行っている。一番の課題は、Twitterに特化したコンテンツをブランドに考えてもらうことだ。そんな同氏の、とある1日を紹介する。
ステイシー・ミネロ氏は、Twitterのコンテンツプランニングおよびクリエイティブエージェンシー開発チーム責任者として、ブランドやエージェンシーと共同でTwitter向けコンテンツの調整を行っている。
米DIGIDAYの取材に対して、ミネロ氏は「我々は社内コンサルタント。我々はコンテンツの監査や評価をし、何が効果的で何がそうでないかをクライアントに伝える」と語った。同氏によれば、自分のチームは制作に重点を置いているわけではないので、エージェンシーとは競合しないという。むしろ、クリエイティブエージェンシーのアイデアをもとに、彼らと協力してTwitterに最適な形に仕上げていくのが仕事だ。
いちばんの課題は、Twitterに特化したコンテンツをブランドに考えてもらうことだと、ミネロ氏は言う。というのも、ブランド側はこれまでテレビ中心に考えてきたからだ。ブランドに発想の転換を促すことについて、「短いテキストや、音声の有無が選択式のコンテンツを、相当の規模で展開するのは簡単なことではない」と、同氏は述べた。
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エージェンシーのマインドシェア(Mindshare)のコンテンツ戦略部門や、アメリカンエクスプレス(American Express)のコミュニケーションプランニング部門を経て、ミネロ氏は2年半前にTwitterに入社した。
そんな同氏の、とある1日を紹介しよう。わかりやすさを優先し、多少編集を加えた。
06:50 am フィリップス(Philips)の照明がアラームで点灯する。朝型人間ではないが、このライトのおかげで元気に目覚められる。7:20までに家を出る。
07:30 am ホーボーケン駅からの通勤途中にTwitterのモーメントをチェック。話題ごとにツイートをまとめたもので、わたしの朝刊がわりだ。ナイキ(Nike)の自動靴ひも調整スニーカーの話題を見つけ、ツイートする。
07:40 am 今日は提携しているクリエイティブエージェンシー最大手のひとつ、マッキャン(McCann)との「プランニングスタジオ(Planning Studios)」開催日だ。プランニングスタジオとは、モバイルフィードに最適なコンテンツ戦略とクリエイティブなストーリーについて掘り下げる、双方向性ワークショップのこと。マッキャンが担当するブランドは、マイクロソフト(Microsoft)、マスターカード(Mastercard)、MGMなどで、今日はさまざまなアカウントを担当するクリエイティブ戦略責任者が20人以上集まる。
07:52 am 頭のなかでプレゼンを予習してみて、消費者を動かすために大切なものが足りないと気づく。私のチームでTwitter用コンテンツの戦略を担当しているケリー・スミスにメールを送り、今日のスライドを作ってくれるよう頼む。
08:00 am オフィスに向かう途中、スターバックスに寄ってアイスラテを買う。コーヒーは飲んできたけど、まだカフェイン不足だ。
09:30 am 上司のジャンフィリップ・マウのすばらしい挨拶でプランニングスタジオが始まる。彼は自然体で場を温め、舞台の幕を開けた。
09:50 am コンテンツ戦略の策定について基調講演。語るべきブランドストーリーと、利用すべき消費者中心の力学を明確化した。
10:30 am 「参加をデザインする」のテーマで、消費者を見る側から行動する側に変える方法の議論を開始。ブランド戦略担当のトム・キリコが素晴らしいプレゼンを披露。
10:50 am チームはコンセプトごとにわかれて議論中。場は活気とエネルギーにあふれ、いい雰囲気だ。
12:10 pm 「フィードファースト」のコンテンツデザイン方法についてプレゼンを行い、プランニングスタジオは終了。マッキャンのグローバル最高デジタル責任者、ショーン・マクドナルド氏と意見交換し、グローバル展開について話す。マッキャンのソーシャルおよびモバイルの責任者ジェマ・クレイブン氏とは、次の一手について作戦会議。
12:30 pm オフィスに戻ってメールチェック。3時間職務を離れていたので、緊急案件に目を通す。戦略会議の問い合わせと、コンテンツ成功事例案件の要望に返信。
12:45 pm 社内のカフェテリアでサラダとピザの昼食。
02:15 pm マスターカードのソーシャル担当バイスプレジデント、グレッグ・ワイス氏のツイートを確認。彼はプランニングスタジオのニュースを見て、「早く報告を聞いて、大きなアイデアが知りたい!」とツイート。わたしの大好きな、Twitterの会話的特性がすべて凝縮されたようなツイートだ。
02:30 pm 個人ブースに入って、西海岸地区担当のコンテンツプランニング責任者、ジーナ・バレンジャーと毎週恒例の進捗報告。彼女がネットフリックス(Netflix)と共同で試験運用中の、すぐれた新戦略について意見交換。この新しい戦略フレームワークを使いはじめるのが本当に楽しみだ。
03:00 pm ロレアル(L’Oréal)との提携を担当している当社側の責任者エリン・マットに連絡。ロレアル側の担当チームとの今後のミーティングの予定をすりあわせる。
03:30 pm エージェンシー開発担当グローバルディレクターのデイブ・ローターに連絡。ブランドパートナーに役立ちそうな動画コンテンツ最適化用リソースについて話し合うのが目的だったが、すぐに話がそれる。「ライブブランド」であるとはどういうことか、ライブストリーミングから、作りこんだコンテンツを使ったリアルタイム会話のターゲット化まで、突っ込んで議論。
04:00 pm クリエイティブリーダーの女性比率向上を目標に掲げる「3パーセント会議(3 Percet Conference)」の発起人、キャット・ゴードン氏とミーティング。秋の大会が11月に開催予定で、Twitterはキックオフイベントを主催する。プログラミングを多少追加して、目標についてのソーシャルな会話を盛り上げられるか、ゴードン氏と話す。
04:30 pm 食堂で開かれる「ローカルティータイム」に出席。これは2カ月に1回の全員参加イベントで、今後のボランティア事業にはじめて参加する社員の報告を聞くというもの。Twitterは、全社員が年に2回、数時間オフィスを離れてボランティア活動をする「いいことの金曜日(Friday for Good)」などの事業を行っている。
05:30 pm 東海岸地区担当のコンテンツプランニング責任者、ニナ・ミシュキンと意見交換。彼女はいつも違う街にいるので、プランニングスタジオの結果報告をして、彼女が次はどこに行くのか訊く。
05:50 pm 社内でもずばぬけて頭がよくて面白い人物のひとり、ボー・ハンと打ち合わせ。彼は最近、最高財務責任者アンソニー・ノトのチームに移り、パートナーとのライブストリーミング契約を扱っている。パートナーのプログラミング戦略の開発に役立つ戦略的リソースについて話す。
06:18 pm 15分後にマディソンスクエアガーデンで夫と待ち合わせしているが、すでに遅刻確定。夫が数週間前にサプライズで取ってくれた、アデルのコンサートに行く予定で、その前に何か食べるつもりだ。
06:45 pm 食事のあいだくらい仕事から離れたいとは思うけれど、片付けるべき案件がいくつか。最高マーケティング責任者のレスリー・バーランドに、戦略書類を添付したメールを送信。
07:15 pm #TNF(Thursday Night Football:木曜夜開催のアメリカンフットボールの試合)のライブストリームをチェック。最初の試合への反応が全世界で好評だったので、今週の会話の様子が知りたかったのだ。テレビとセカンドスクリーンが一点に収束するのをみんな楽しんでいて、そんな体験についての好意的なツイートをたくさん見ることができた。
08:18 pm ステージに登場したアデルに、わたしは釘付けになる。彼女の美しい声、すばらしい歌詞のおかげで、どうしてもできなかったネット離れをようやく実現できた。
12:15 am 帰宅。愛犬のゴールデンドゥードルのデイジーにあいさつし、メールをチェックして、ベッドに入る。電源を切る前にもう1回だけTwitterをチェック。Twitterは眠らないが、わたしは寝る時間だ。
Jemma Brackebush(原文 / 訳:ガリレオ)