匿名と引き換えに率直に語ってもらう「告白」シリーズでは今回、Amazon Sparkを使ってフォロワーに商品をおすすめしている、あるインフルエンサーに話を聞いた。このプラットフォームがユーザーを引き込みインフルエンサーが集まる場所になるには、まだまだ進化する必要があると彼女は語った。
Amazonは7月に、インスタグラムに似たフィード機能「Amazon Spark」をリリースした。ショッピングできる写真や投稿で商品をおすすめしたり、コミュニティに質問したりできるプラットフォームだ。
Amazon Sparkは、Amazonが、4億点近い商品を中心にエンゲージメントを自社のエコシステム内に保持し、また商品の発見を促進できるように設計されている。ただ、ほかのソーシャルプラットフォームとは異なり、ブランドとインフルエンサーに優しいものではない。コレクティブ・バイアス(Collective Bias)の最近の調査では、400人近いインフルエンサーの74%が、来たるホリデーシーズンにSparkに進出するかについてはわからないとしている。
匿名と引き換えに率直に語ってもらう「告白」シリーズでは今回、Amazon Sparkを使ってフォロワーに商品をおすすめしている、あるインフルエンサーに話を聞いた。このプラットフォームがユーザーを引き込みインフルエンサーが集まる場所になるには、まだまだ進化する必要があると彼女は語った。
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――Sparkを使うようになったのはなぜ?
Amazonは4カ月ほど前、インフルエンサーだけでなく、相手を選ばず広くメールを送信した。「Amazon Spark」を新たにリリースするという内容だった。ブログをやっていると、できるだけ露出はしたいものなので、私はやってみることにした。でも、いま現在も、使っている人はあまり多くない。私はずっとスマートフォンで使っているが、どんなアプリケーションであっても、リリースしたらオーディエンスを構築する必要がある。しかしAmazonは、この分野に進出したばかりだからなのか、驚いたことにあまりプロモーションをしていない。これではまるで、人々に知られたくない小さな秘密のコミュニティだ。理解できない。
――ブランドは、スポンサードポストに一緒に取り組むことへ関心を示しているのか?
Amazonで、と言ってくるブランドはいない。ほかのソーシャルアカウントに関してはひっきりなしなのに。私は収益のだいたい50~60%がそうした仕事だ。さまざまなソーシャルプラットフォームで、あわせて20万人ほどのフォロワーがいて、ブログのページビューは1カ月あたり平均300万件ある。これまでのところ、そうした用途でAmazon Sparkを使っている人は、実際にはあまり見ない。いることはいるが、ほかのソーシャルメディアプラットフォームには到底及ばない。
――ほかのソーシャルプラットフォームだと認証プロセスがあるのに対し、Sparkは、エンゲージメントが十分なコンテンツを投稿すると誰でも認証される。インフルエンサーにとってこれはどうなのだろう?
信頼の価値を損なうものだ。Amazon Sparkでは、個人のSparkと、ビジネスのSparkを区別する術がほんとうにない。信頼を高めるために懸命にプレゼンスを高めていたのに、認証がないことで信頼が失われてしまうのだ。
――Sparkに寄稿するにも、ほかのユーザーの投稿にコメントするにも、年間99ドルのプライム会員にならなければならない。これは、このプラットフォームのエンゲージメントにどう影響している?
妨げになっている。というのも、これではAmazonにオーディエンスを制限されているようなものだ。私の場合は必要経費になるが、普通のユーザーだと、実際にそんなお金は出せないという人もいる。「ここのお菓子屋に入れるよ。欲しいものはなんでもあるよ。ただ、それを買うお金が必要」と言っているようなもの。Amazon Sparkは現在、自らを、窓の外から見るのはいいけど、なかに入りたいなら代価を払う必要があるという形で売り込んでいる。ドアのところにいる門番にお金を払わないといけない。Amazonのプライムデーのとき、セールになっている商品をFacebookに投稿して、ほかの人たちにおすすめした。するとたくさんの人から、余裕がなくてプライム会員ではないのだと言われた。
――ショッピングできる写真の機能についてはどう思う?
ショッピングできる点はいい。チリソースの写真をシェアするのなら、このフライパンを使ったとか、このスパチュラ(へら)を使ったとか見せることができる。ただ、私にとっていちばん大きい影響(大きいマイナス面)は、そうやってもアフィリエイトリンク報酬が一切入らないということ。私には、ROI(投資利益率)がまるでない。
――インフルエンサーに対して開いていくために、Amazon Sparkができることは?
Amazonは大好きだけど、AmazonがSparkの市場性を高めて人々を集めるためには、アフィリエイトリンク報酬と、APIによるWebサイトとの統合が必要だ。現在は、Pinterest(ピンタレスト)の最新ピンも、インスタグラムの最新投稿も、さらにはFacebookの最新投稿も見られるようになっている。でも、SparkはWebサイトとの統合ができない。Amazonで見たものについてほかのソーシャルプラットフォームで投稿を書くことに関しても、まだ制限がある。
Ilyse Liffreing (原文 / 訳:ガリレオ)