Amazon の「広告売上げ」は順調、ただし伸び率は鈍化:要点まとめ

Amazonが第1四半期決算を発表し、一連の戦略的プロパティの進化を浮き彫りにした。

だが、ジェフ・ベゾス氏の真の流儀では、Amazon独自の奨学金制度「Amazonフューチャー・エンジニア(Amazon Future Engineer)」の最初の対象者にまつわる逸話など、小売りビジネス以外の領域で取り上げるべきものが多くあった。Amazonは、100人の高校3年生に4万ドル(約440万円)の奨学金と同社でのインターンシップを提供している。これは、ストリーミングや映画スタジオビジネスのアップデートとともに、セラーセントラル(Sellter Central)を超えてAmazonブランドを刻み込むうえで、いいリマインダーになる。

重要な数値

  • 純売上高は1年で17%増加し、第1四半期は590億ドル(約6.5兆円)だった。
  • オンライン売上は10%増加し、295億ドル(約3.3兆円)だった。
  • 実店舗売上は2018年第4四半期には3%減少したが、今期は1%増加し、43億ドル(約4800億円)になった。
  • Amazonがマーケットプレイスの大幅成長を目指して強化してきたサードパーティセラーサービスは、1年で23%成長し、110億ドル(約1.2兆円)になった。
  • マイクロソフト(Microsoft)やGoogle、ショッピファイ(Shopify)のような企業との競争が激化しているにも関わらず、AWSの成長は続いていて、売上は1年で42%増加し77億ドル(約8530億円)になった。
  • Amazonの広告売上の成長は鈍化している。今四半期の売上は合計27億ドル(約2990億円)で、前年同期比で36%増加した。
  • 前四半期にはすべてのビジネスの収益がはじめて30億ドル(約3320億円)を超え、過去4四半期連続で年間約100%の成長率を維持している。

Amazonの広告ビジネスで起こっていること

2社独占を3社独占にうまく持ち込みたいなら、Amazonの広告ビジネスには市場から盗むべきものがたくさんある。過去1年の成長は著しいが、この四半期の結果は、業界にとってAmazonの広告製品がもはやピカピカの新しいオモチャではなくなってきたなかで、初期のゴールドラッシュが終わりつつあることを示している。マークル(Merkle)の第1四半期の「2019年デジタル・マーケティング・レポート(2019 Digital Marketing Report)」によると、Facebookの広告支出は昨年の同四半期との比較で2%減少し、Googleでの有料検索への支出も1年の増加が16%にとどまった。

Amazonはまだ、アルゴリズムと闘っているセラーにとってリーチしやすいブースターである、セルフサービス型の広告製品にまだ成長の余地があると考えている。スポンサードプロダクツ(Sponsored Products)の広告支出は前年同期比で19%増加しただけだが、スポンサードブランド(Sponsored Brands)の支出は1年に77%も増加している。これは、Amazonのマーケットプレイスでブランドが優先されていることを示すもうひとつのサインだ。

ホールフーズはまだ伸び悩んでいる

Amazonの実店舗の販売は、今四半期にかろうじて赤字を脱したところで、売上を増やそうとする同社の取り組みは高くつく。Amazonは決算発表のなかで、ホールフーズ(Whole Foods)が3度目の値下げを行ったことを指摘している。価格に敏感なAmazonプライム(Prime)の会員に、この食料品店はもはや高い商品を置いている場所ではないと納得してもらうことを期待してのことだ。Amazonとホールフーズは、ホールフーズの店舗を通じてプライム会員を対象にした2時間配送の拡大を進めている。第1四半期には新たに9都市でサービスを開始し、サービス提供地域は合計75となった。だが、すぐにドル箱にはなりそうにない。

セラーが自立できる設定に

Amazonは前四半期に、セラーに揺さぶりをかけてAmazonの小売りビジネス全体で事業を展開させる取り組みを進めてきた。小規模ベンダーをベンダーセントラル(Vendor Central)からセラーセントラルへと誘導するにともない、Amazonはセラーが(無料で)利用できるツールを多数用意し、彼らがAmazonの助けなしにビジネスを行えるようにした。Amazonは第1四半期に50の新しいセラーツールを出し、同社が毎年、そうしたリソースに「数十万ドル」を注ぎ込んでいることを決算発表を読んだ人々に思い出させた。さらに重要なことに、Amazonは4月、詳細なデモグラフィックデータなどがわかる高度な顧客分析ツールをマーケットプレイスでセラー向けに密かに公開した。

Hilary Milnes(原文 / 訳:ガリレオ)