CBSスポーツ、ロイヤルティ構築に Google Home を活用:ファンタジーフットボール向けアクション発表

ファンタジーフットボール(Fantasy Football:現実の選手の情報を使い、ウェブ上で架空のチームを運営して競い合う、アメリカで人気のゲーム[参考:CNET])の自分のチームに誰を入れるべきか? これからは友人や従兄弟に相談する代わりに、Googleアシスタントに聞いて欲しい。それが米3大ネットワークの1社、CBSのスポーツ中継などを扱う制作部門CBSスポーツ(Sports)の願いだ。

CBSはファンタジースポーツのファンに狙いを定めたGoogleデバイスの音声操作アプリ、Googleアシスタントアクションを発表した。ファンタジードラフトシーズンに向けて、NFL選手の選択に頭を悩ませるユーザーに手を貸すアクションだ。10月の導入以降、ユーザーはこのアクションを利用して、最新スコア情報の入手、移籍情報に記載された選手を取るべきか否かの質問に対するパーソナライズされた回答の受信、そしてトレードの評価もできるようになる。また、広告支援のOTTチャンネル、CBSスポーツHQはファンタジーフットボールプレーヤーに向けて、レイバー・デーに7時間にわたるファンタジーフットボールの「テレソン(長時間のテレビ番組)」配信を予定しており、配信中、視聴者はドラフト有力候補者に関する質問ができる。

アクション開発の狙い

このアクションに何をさせたらいいのか。その答えを見つけるため、オッズ情報を提供するCBSスポーツライン(Sportsline)のチームは、NFLシーズン中、ファンタジースポーツプレーヤーの間でもっとも人気の高かったコンテンツを徹底的に調査した。「本当にベーシックな質問に的を絞った」と、CBSスポーツ・デジタル(Sports Digital)のエグゼクティブVP兼ジェネラルマネージャー、ジェフ・ガートゥラ氏は言う。「もっとも人気の高い検索用語が何なのか、それでどんな問題を解決しているのか、我々はすべてを把握している」。

音声作動式デバイスの収益化はまだ先の話だが、パブリッシャーはエンゲージメントの向上とロイヤルティ(忠誠心)の構築にこれを利用している。CBSスポーツのファンタジー視聴者はもともとロイヤルティがかなり高い。CBSスポーツのファンタジープレーヤーは非プレーヤーに比べ、CBSスポーツのサイトを平均で5倍多く訪れ、閲覧ページ数も10倍多いという。自社のファンタジースポーツプレーヤーの人数については、CBSは公表を控えている。

業界団体ファンタジー・スポーツ・トレード・アソシエーション(Fantasy Sports Trade Association)によれば、北米およびカナダにおけるファンタジースポーツのオーディエンスは、この10年で2倍以上増え、2017年に5900万人を越えている。

音声デバイスの現況

ファンタジースポーツ向けアプリ開発に手を出したのは、CBSスポーツが最初ではない。Yahooスポーツ(Sports)は2016年、ユーザーが自身のスコアをモニターしたり、登録選手の健康状態をチェックしたりできるようにするファンタジーフットボールAlexaスキルを開発した。デイリーファンタジーブランド、ドラフトキングス(DraftKings)は、プレイヤーの獲得ポイント数を確認できるAlexaスキルを導入している。

コンシューマー・インテリジェンス・リサーチ・パートナーズ(Consumer Intelligence Research Partners)によると、北米には現在、音声作動式スピーカーデバイスが5000万台以上設置されており、音声デバイス市場の約70%をAmazonが占め、Googleが約 24%で後を追っている。

Googleの音声プラットフォームとAmazonのそれを分ける機能のひとつがパーソナライゼーションだ。だが、両者のプラットフォームの違いは今後、最小化されることが予想される。「ある意味、均質化への競争だ」と、音声市場の動向を追うVoicebot.aiの創設者にして編集者、ブレット・キンセラ氏は言う。

ガートゥラ氏はこの新アクション利用者の見込み人数を口外せず、それよりもまずは、再利用数とセッションごとのユーザーの質問数を重要視していると語る。このアクションが相応の結果を残せば、CBSスポーツは引き続き、これをコアなファンタジースポーツファン以外にもマーケティングしていくという。

Max Willens(原文 / 訳:SI Japan)