TikTok For Business Japan が5月に公開した「BuzzVideo ユーザー白書」によると、ミドル世代の男性はデジタル購買力において大きなポテンシャルを秘めているという。オンライン消費が加速するなか、今後さらに注目されることが考えられるのだそうだ。
広告・マーケティング用語で「M2・M3層」となる、いわゆるミドル世代の男性たちは、どちらかというと業界において陰日向の存在だ。
いつも話題になるのは、美容や自己投資などへの消費意欲が強い「F1層」や、家庭における商品購入の決定権を持つ「F2層」ばかり。さらには今後を占う存在として、スマホネイティブと呼ばれ、まったく新しい消費行動を取る「T層」、つまりZ世代も最近は注目を浴びている。だが、昭和のイメージがつきまとう、ミドル世代の男性については言及されることが少ない。
しかし、TikTok For Business Japanが5月に公開した「BuzzVideo ユーザー白書」によると、ミドル世代の男性はデジタル購買力において大きなポテンシャルを秘めているという。オンライン消費が加速するなか、今後さらに注目されることが考えられるのだそうだ。
「スマートフォンといえば、若者のものと思われがちだが、もはやそんな時代ではなくなってきた」と、TikTok For Business JapanでCreative Strategy Directorを務める廣谷亮氏は語る。同氏は「BuzzVideo ユーザー白書」を主導した人物だ。「いまやミドル世代の男性でも、若者たちと遜色ないくらいに、スマートフォンを使いこなしている」。
ミドル世代の男性たちの実像
2020年1月、調査サービスのマクロミルを利用して、20から69歳の男女1030人のサンプルに対して実施された、この「BuzzVideo ユーザー白書」。サンプルの内訳は、BuzzVideoユーザーが515人、BuzzVideoノンユーザーが515人だ。ちなみにBuzzVideoとは、クリエイターが投稿する短尺の面白動画を閲覧できるプラットフォーム。TikTokと同様に、機械学習によりおすすめの動画を自動的にピックアップしてくれ、際限なく再生し続けてしまう中毒性の高さが、ミドル世代の男性の人気を集めているという。
通常のユーザー調査なら、ユーザーとノンユーザーの比較で終わる。しかし、この「BuzzVideo ユーザー白書」では、一旦ユーザーであるかどうかは棚に置き、世代別で比較しているところが興味深い。その視点から、ミドル世代の男性に対する、上述の結論にたどり着いたと廣谷氏は語る。
「ミドル世代の男性は、若者たちに比べて金銭的に余裕があり、オンライン消費にも意欲的になっている」と、廣谷氏は説明する。「今回の調査では、20代以下に対して、30代以上は、オンラインショッピングに対しても、アプリ課金に対しても積極的であることが示された」。
実際、今回の調査をして、30代の10人に8人は、平日にECサイトでショッピングしていることがわかったという。「その数は、20代以下だと10人に7人程度になる」と、廣谷氏は補足する。「アプリ課金については、30代の方が20代の3倍以上も月々支払っているようだ」。
大人に愛されるBuzzVideo
今回の調査は、SNSだとかニュースアプリなど、5つの競合プラットフォームを比較対象に行われた。その結果、「BuzzVideoのユーザーはかなり年齢層があがってきている」ことがわかった。特に40代ぐらいの男性がボリュームゾーンとなっているという。
BuzzVideoは、2020年5月7日段階でAppStoreのダウンロード数6位。2020年1月1日週から4月12日週までの期間で、アクティブユーザー数が117.7%、再生回数が140.6%、エンゲージメント数が157.1%、視聴時間/日が42分から49分へと、大幅に伸びている。「短尺動画プラットフォームで、機械学習がおすすめコンテンツを自動的にピックアップする仕組みは、TikTokと同様だ。だが、TikTokはZ世代に、BuzzVideoはミドル世代の男性にウケている」。
TikTokとBuzzVideoの違いは、縦型動画と横型動画、ユーザー生成コンテンツとクリエイター中心のコンテンツなど、いろいろある。だが、もっとも大きな違いは、UIだろう。限りなくシンプルなつくりとなっているTikTokは、いまのトレンドに対する熱量をダイレクトに感じることができ、若者の絶大な支持を獲得した。その一方、「BuzzVideoは、カテゴリー分けされたニュースアプリのようなUIになっている。主体的にコンテンツを選ぶ必要がないながらも、流行に敏感な若者とは異なり、自分の趣味嗜好を理解しつくした大人たちには、居心地の良いつくりになっているのだ」と、廣谷氏は説明する。
ストレスを解消する動画サービス
しかも、BuzzVideoのユーザーは、既婚者・子有率が、主要プラットフォーム5社に対して、一番多い。平均年収についても、BuzzVideoのユーザーは435万5000円をマークし、主要プラットフォーム5社に対して、一番高かった。役職別に分類しても、BuzzVideoのユーザーは『経営者・役員クラス』の割合が主要プラットフォーム5社に対して、トップだったという。
なぜこんなにミドル世代の男性に支持されるのか? それは、おそらくストレスとか自分時間の量に関係があるのではないかと、廣谷氏は語る。実際に本調査データを分析したところ、20代男性に比べて、30代以上の男性は、ストレスを感じている割合が1.7倍も多いという。
「ミドル世代の男性は、いろんな顔をもって生活している。会社にいれば、中間管理職として、上と下に違う顔を使い分けなくてはいけない。家庭にいても夫として父親として、また別の顔を使い分ける必要がある。つまり自分自身として過ごせる時間が限りなく少なくなっているのだ」と、廣谷氏は分析する。「ホッとひと息つける、スナック菓子のような動画コンテンツを楽しめるBuzzVideoの利用シーンは、夜の帰宅後が圧倒的に多く、79.8%となっている。就寝前やちょっとした夜の空き時間に楽しまれているようだ。それは誰にも邪魔をされない『一人リラックスタイム』といえるだろう」。
広告に対してもかなり好意的
比較的裕福でありながら、人知れずストレスを抱えている、BuzzVideoのミドル世代の男性ユーザー。ハードな一日をこなして、やっとたどり着いた「一人リラックスタイム」に利用されるサービスだからこそ、そこに掲出される広告にもかなり好意的な行動を見せるという。
「BuzzVideo ユーザー白書」で示された数字をあげると、BuzzVideoの「興味のないコンテンツでも見てしまう」割合は、主要プラットフォーム3社の平均に比較して143%。広告視聴完了後にエンゲージメントを示す行動に出た割合も、BuzzVideoは55.5%となり、主要プラットフォーム5社に比較してトップとなっている。
「BuzzVideoのコンテンツの特徴は、短尺であること、選ばれたクリエイターだけのものであること、そして真面目すぎないネタ的な要素が強いことが挙げられる」と、廣谷氏は語る。「そうしたコンテンツによって、素の自分を楽しめる時間を提供できているからこそ、広告に対する感度も高くなるのではないか」。
「一人リラックスタイム」が決め手
広告に対するエンゲージメントの高さだけがトピックではない。実際にBuzzVideoのユーザーは、ノンユーザーとの差分でオンライン消費に積極的であるという数字も出ている。たとえば、アプリ課金はノンユーザーに対して最大15.6%、ECサイトでのショッピングは最大4.5%も高い。ネットショッピングに利用する金額に至っては月平均1万1527円と、ノンユーザーに対して111%も上回っている。
「ミドル世代の男性の心を掴みたいのなら、彼らが素の自分を取り戻せる場所が効果的であるということが、ある意味、この調査によって証明されたのではないか」と、廣谷氏は締めくくる。「オンオフを切り替えることが難しいいまだからこそ、『一人リラックスタイム』がミドル世代攻略の鍵を握る」。
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Written by DIGIDAY Brand STUDIO
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