QRコード がついに、米国で日の目を見ようとしている:インスタグラムやペイパルも導入へ

QRコードが、米国で日の目を見ようとしている。

QRコードはスマートフォンのカメラで読み取れる2次元バーコードで、ユーザーに情報を送信するために利用できる。この技術が登場したのは20年以上も前のことだ。だが、今になってこの非接触型ソリューションの人気が米国企業のあいだで高まっている。特に採用が進んでいるのは、営業を再開したレストランやバーなどのローカルビジネスだ。彼らはメニューの注文からデジタル決済まで、あらゆる店舗体験を非接触で提供しようとしている。

新型コロナウイルスのアウトブレイクの前から、QRコード技術は今後数年間で普及が進むといわれてきた。ジュニパーリサーチ(Juniper Research)は2018年に公開したレポートで、2022年にはQRコードのスキャン数が53億回に達すると予測していた。北米の消費者のあいだで利用が急増している今、この数はさらに増える可能性が高い。

インスタグラムがQRコードを採用

実際、高度な決済システムを持つ大手ブランドまでもが、QRコードを導入し始めている。たとえば、ドラッグストアチェーンのCVSは、独自のQRコード決済システムを8月に立ち上げる予定だ。そして、インスタグラムがこの動きに加わろうとしている。Facebook傘下のインスタグラムは先日、個人アカウントとビジネスアカウントのQRコードをスキャンできる独自の機能を米国などで導入すると発表した。同社によれば、今回の動きは「ユーザーが新たな方法で自分のアカウントを発見してもらい、人々とつながりやすくするツールを構築する継続的な取り組み」の一環だという。このような形でQRコードの採用が広がれば、大勢のユーザーがQRコードを使うようになるかもしれない。Facebookや個人間送金のベンモー(Venmo)といったソーシャルメディアチャネルでは、特にそうなる可能性が高い。

この新機能により、ユーザーはインスタグラムのアプリで企業のQRコードをスキャンするだけで、その企業のインスタグラムページを表示し、営業時間、販売商品、カスタマーサービス情報などを確認できるようになる。Facebookによれば、インスタグラムのストーリーズカメラ、QRコード読み取り用カメラ、スマートフォンの内蔵カメラのいずれを使用することもできるという。さらにこの機能には、コロナ禍で生き残りをかける中小企業のインスタグラムアカウントにトラフィックを呼び込み、エンゲージメントの獲得につなげるという狙いもある。

インスタグラムがこのタイミングでQRコード機能を導入したのは、理にかなったものといえる。最新情報やプロモーションにおいて、顧客にリーチしたいと考えている多くのローカルビジネスと大手ビジネスのあいだでインスタグラムのビジネスハブ化が急速に進んでいるからだ。Facebookによれば、インスタグラムアプリやFacebookアプリなど、Facebookが手がけるアプリ全体で、ビジネスの月間アクティブアカウント数は1億8000万に達しているという。

小売業者のあいだでも利用が増加

一方、小売業者のあいだでも、非接触での取引を簡単にするために、QRコードに対応した決済パートナーに目を向けるところが増えている。CVSは7月末、ペイパル(PayPal)とその子会社であるベンモーと複数年にわたるパートナーシップ契約を締結したことを明らかにした。これにより、全米8200カ所にあるCVSの店舗で、QRコードをスキャンするだけでペイパルアカウントを使って商品を購入できるようになるという。今年の第4四半期から実施されるこの取り組みは、ウォルマート・カナダ(Walmart Canada)が4月に発表した同様の取り組みに続く動きだ。

また、5月にはやはりペイパルが、QRコードに対応したP2P決済ツールを積極的に市場に投入し始めた。主なターゲットは、農産物を販売するマルシェやリサイクル商品を販売するショップだ。

このような取り組みと同時に、簡単に非接触決済ができる新たな手段を見つけようとする動きが急速に進んでいる。実際、米疾病管理予防センター(CDC)は、非接触方式を「可能な限り」導入することをガイドラインで推奨している。店舗の顧客や従業員に対し、メニューやクレジットカードのような物を手渡しすることを控え、非接触決済システムなどのデジタル的な手段で情報をやり取りするよう呼びかけているのだ。そして、このような衛生を念頭に置いたアドバイスが、QRコードに新たな潜在的用途をもたらし、大手企業に物流やマーケティングでのQRコードの利用を促している。

二重の効果があるというQRコード

QRコードには二重の効果があると、決済技術を手がけるNMIの最高戦略責任者で共同創設者でもあるニック・スタライ氏はいう。QRコードは企業にとって実装しやすく、消費者にとって利用しやすいからだ。

スタライ氏によれば、消費者が公共の場に出ることに慎重になるほど、ウイルスの広がりに対する不安を和らげるために、QRコードの実装に乗り出す企業が増えている。「(QRコードは)実店舗を運営するビジネスに実店舗からオンラインに転換する力を与える」と同時に、インスタグラムショッピングでのオンライン決済処理を効率化するだろうとスタライ氏はいう。

「QRコードを利用する消費者はこれまでにないほど増えている」とスタライ氏は語った。

[原文:Big platforms like Instagram are increasingly using QR codes

Gabriela Barkho(翻訳:佐藤 卓/ガリレオ、編集:長田真)