サードパーティー出品者サービスと、マーケットプレイス全体の成長が、Amazonの第3四半期の業績を後押しした。
Amazonのオンラインストア事業は第3四半期決算で、前年同期比7%増の572億ドル(約8兆5800億円)に成長した。この数字は、2023年第1四半期と第2四半期のオンライン小売部門の成長率、それぞれ0%と4%を上回るものだ。また、Amazonのサードパーティー出品者サービスの収益は、出品者への手数料、フルフィルメント、配送、そのほかのサービスを含めて、第3四半期に前年同期比20%増の344億ドル(約5兆1600億円)に成長した。この成長率は、今年の第1および第2四半期に報告された18%の成長率を超えるものだ。また、Amazonのクラウドコンピューティングビジネスの成長はAWS(アマゾンウェブサービス)によって安定し、2四半期続けて前年比12%の成長を達成した。AWSは最新の四半期で230億ドル(約3兆4500億円)の収益を報告した。さらに、Amazonの広告収益もまた、前年同期比12%増の120億ドル(約1兆8000億円)に達した。
全体として、シアトルを拠点とする巨大テック企業であるAmazonの収益は、前年同期の1271億ドル(約19兆1000億円)から13%増の1431億ドル(約21兆5000億円)に達した。純利益も、9月30日までの3カ月間で29億ドル(約4350億円)から99億ドル(約1兆4900億円)と3倍以上増加した。
総合的にみて、Amazonはパンデミック後、以前の成長率を取り戻しつつある。同社は最新の数字を肯定的にとらえている。「第3四半期の数字は堅調だった。これは、ストア(Stores)事業のサービスコストと配送スピードがさらに進歩し、AWSが引き続き安定した成長をみせ、広告収益が着実に増加し、営業所得とフリーキャッシュフローが大幅に増えたためだ」と、CEOを務めるアンデイ・ジャシー氏は自社ブログの投稿に記した。
この記事は、小売業界の最前線を伝えるメディア「モダンリテール[日本版]」の記事です。
サードパーティー出品者サービスと、マーケットプレイス全体の成長が、Amazonの第3四半期の業績を後押しした。
Amazonのオンラインストア事業は第3四半期決算で、前年同期比7%増の572億ドル(約8兆5800億円)に成長した。この数字は、2023年第1四半期と第2四半期のオンライン小売部門の成長率、それぞれ0%と4%を上回るものだ。また、Amazonのサードパーティー出品者サービスの収益は、出品者への手数料、フルフィルメント、配送、そのほかのサービスを含めて、第3四半期に前年同期比20%増の344億ドル(約5兆1600億円)に成長した。この成長率は、今年の第1および第2四半期に報告された18%の成長率を超えるものだ。また、Amazonのクラウドコンピューティングビジネスの成長はAWS(アマゾンウェブサービス)によって安定し、2四半期続けて前年比12%の成長を達成した。AWSは最新の四半期で230億ドル(約3兆4500億円)の収益を報告した。さらに、Amazonの広告収益もまた、前年同期比12%増の120億ドル(約1兆8000億円)に達した。
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全体として、シアトルを拠点とする巨大テック企業であるAmazonの収益は、前年同期の1271億ドル(約19兆1000億円)から13%増の1431億ドル(約21兆5000億円)に達した。純利益も、9月30日までの3カ月間で29億ドル(約4350億円)から99億ドル(約1兆4900億円)と3倍以上増加した。
総合的にみて、Amazonはパンデミック後、以前の成長率を取り戻しつつある。同社は最新の数字を肯定的にとらえている。「第3四半期の数字は堅調だった。これは、ストア事業のサービスコストと配送スピードがさらに進歩し、AWSが引き続き安定した成長をみせ、広告収益が着実に増加し、営業所得とフリーキャッシュフローが大幅に増えたためだ」と、CEOを務めるアンデイ・ジャシー氏は自社ブログの投稿に記した。
高速配送の追求
同社は、無料かつ高速配送を改善するために行った努力の恩恵を受けている。Amazonは過去4年間、倉庫と流通ネットワークの見直しに資金とリソースを投入し、配送時間を2日から1日、またはそれ以下に短縮することをめざしてきた。全国規模のフルフィルメントモデルから、米国内を8つの小さな領域に分割し、地域ごとに施設を配置するモデルへと移行したことが奏功したと同社は述べている。インサイダーインテリジェンス(Insider Intelligence)の最新データによると、オンライン購入の配送時間は2019年12月の3.7日から、2023年6月には1.5日に短縮された。最近終了したプライムビッグディールデー(Prime Big Deals Day)の初日には、数千点の商品を購入から4時間以内に配達したと同社は述べた。
ウェドブッシュセキュリティーズ(Wedbush Securities)で普通株調査担当マネージングディレクターを務めるスコット・デビット氏は、この説明は、Amazonの小売状況が改善していることを示すと語った。「小売事業の利益率の改善、広告での堅実な成長、AWSの安定化など、従来の傾向に戻りつつある」と、同氏は述べている。
デビット氏は、迅速かつ無料の配送は、摩擦を減らし、顧客のウォレットシェアを引き下げるため、Amazonの小売事業の経済性を推進する大きな原動力であると付け加えた。「また、小売事業において、Amazonが保有しているファーストパーティーの在庫から、サードパーティーのサービスへと、ミックスシフトが自然に進行している」と同氏は付け加えた。
経済の不明瞭さが与える影響
米モダンリテールが以前に報じたように、かつてAmazonの1Pモデルに依存していたブランドが、同社の条件がもはや有利に働かないことに気づき、サードパーティーへの切り替えを検討するケースが増えている。結局のところ、この移行は、収益性を追求するAmazonがにとってプラスに働いている。
しかしAmazonは、金利の上昇や、今年最後の3カ月における企業の支出傾向の不確実性から、消費者需要が弱まる可能性があり、負の影響を受ける可能性があるとデビット氏は述べた。「この2つはマクロ的な要因によるもので、Amazonが十分にコントロールできない部分だが、今年最後の3カ月におけるビジネスの要因となる可能性がある」と同氏は述べている。
[原文: Amazon’s marketplace business is growing once again]
Vidhi Choudhary(翻訳:ジェスコーポレーション、編集:戸田美子)
Image via Ivy Liu