Amazon ワンデーデリバリー、8億ドル投資に手応え

何度もいうが、Amazonは小売業界に対して驚異的な配達スピードを設定しようとしている。オンラインで注文された何百万もの商品が2日以内に配達されることをプライムカスタマーが期待していると想定し、Amazonはプライムの在庫出荷をワンデーデリバリーにまで短縮することに取り組んでいる。

2019年第1四半期の投資家向け業績発表時、Amazonは同社がワンデーデリバリーに8億ドル(約876億円)を投資した結果はすぐに明らかになるだろうと発表した。(決算発表の手元資料の全容確認はこちらから。)ワンデーデリバリーの利用が可能になる地域、そしてそのスピードで配達が可能な商品に関する質問に対し、Amazonはあまり詳しい回答はしていない。しかし、CFOのブライアン・オルザブスキ氏は、同社がすでにワンデーデリバリーに向け、「4月に大きく舵を切った」こと、そしてすぐに効果が出ると予想していることを明らかにした。

また、オルザブスキ氏がその8億ドルの投資が次の四半期以降に増えるかどうかは明らかにすることはないだろうが、Amazonはその方策を可能にするためにあらゆる手を尽くしていると述べている。Amazonが保有し、運営する配達システム、Amazonロジスティクス(Amazon Logistics)と、UPS、USPSとフェデックス(FedEx)を含めたサードパーティパートナーが、その達成のために参画している。

ワンデーデリバリーの狙い

Amazonの賭けは、この投資により、さらに売上を促進すると同時に、より多くの顧客のプライムメンバーへの転換を推進することだ。

「それは価格、選択、便利さと同様に、シンプルだ。ワンデーデリバリーは、利便性を高めるとともに、顧客が享受できるように用意された見返りの選択肢の幅を拡げるものだ。配達期間を半分に短縮することで、注文増の可能性と顧客の利便性を押し拡げる」と、オルザブスキ氏は語ったうえで、現時点でAmazonは、1時間で商品を準備し、同日出荷できる商品があるが、商品の大多数は2日で配達されていることをつけ加えた。「顧客が我々を必要とする際、その顧客に対してそれを達成するために多くの要素が関わってくる。これは革新的なものになると我々は考えているし、我々にはその能力がある。なぜなら、20年以上も前からこれに取り組んでいるからだ。我々はロジスティクスに投資し、微調整を続けている」。

2日で配達することは業界標準となっており、ターゲット(Target)やウォルマート(Walmart)といった小売業者は、Amazonが配達に設定したそのペースに追いつこうと急いでいる。Amazonが配達日数短縮に取り組んでいることで、システム全体がより速く機能していると、オルザブスキ氏はいう。これまでと比べて、さらに多くの商品が2日で配達できるようになり、投資によって、Amazonはワンデーロジスティクスを可能にしている。

強まるAmazonの影響力

標準の配達期間を半分にすることで、すでにAmazonの影に恐れおののいている業界全体に波及効果がもたらされるだろう。Amazonのエコシステム内では予期しない結果も生まれるだろう。売り手は、Amazonが予算を支出している部門に従う必要がある。現時点では、流通戦略を把握することがAmazonでの販売で成功をおさめるための第一歩であり、サードパーティのマーケットプレイスセラーは、自身で商品を配達するか、またはフルフィルメント by Amazon というフィルフィルメントプログラムにお金を払い、Amazonが手掛ける2日のプライム配送ロジスティクスを利用する。出品者が2日で注文品を届けることができるならば、売上の30%をAmazonに渡すことが不要なプライム配送者として認められる。もしプライムがワンデーデリバリーが運用の標準となった場合、その要求を満たせないがためにAmazon経由で配送する以外に選択肢がなくなる出品者がさらに増えるだろう。

「Amazonは顧客を重視する。彼らは顧客にとって最善の商品オファーとカスタマーサービスを提供したいと願っている。そして、常にそうでなければならない」と、マーズ・エージェンシー(Mars Agency)の電子商取引バイスプレジデントであり、かつてAmazonでカテゴリー立ち上げのスペシャリストを務めていたセリーナ・ヘッケンドルフ氏は述べた。「やがて出品者たちの運用方法における自由裁量の余地は失われていき、Amazonのルールに従わざるを得なくなるだろう」。

Hilary Milnes(原文/ 訳:Conyac)