Amazon 、独自の アトリビューションツール を試験運用:GoogleとFacebookに対抗姿勢

Amazonは、競合他社よりも広告効果が優れていることをマーケターに示すことで収益を増加させようとしている。

Amazonが現在試験運用中のAmazonアトリビューション(Amazon Attribution)ツールでは、Amazonと競合他社のどちらに広告を載せたほうが効果的か広告主自身で比較できるようになっている。この無料トライアルの参加条件は、Amazon上で商品が販売されているだけでなく、直接販売している広告主であることだ。参加する広告主の増加にともない、Amazonの検索ランキング争いは日増しに激しさを増している。結果としてほかのサービスを利用する広告主も出てきた。

広告主はAmazon以外でのディスプレイ広告や検索広告、動画広告の効果を測るため、コンバージョン指標のなかでもページ閲覧数や購入率、売上といった指標を参照している。

検索広告プラットフォーム、ダウンストリーム(Downstream)のファウンダーであるコナー・フォーリー氏は、このAmazonアトリビューションツールについて「アトリビューションが把握できるようになり、ブランドはさらにAmazonに広告を投入することになるだろう」と予測し、その理由として「Amazonに出している商品の詳細ページからのコンバージョン率が、ブランド自社サイトのコンバージョン率と比べていかに高いかが明らかになるからだ。ROI(投資利益率)の観点からもほかのトラフィックへの投資を正当化するのは難しくなるだろう」と指摘している。

GoogleやFacebookと同様、Amazonは競合他社やパブリッシャーのサイト上の広告すら自社プラットフォームの広告効果の高さを示す材料として利用しようとしている。

自社の広告効果を誇示

実際、現時点ではGoogleがAmazonに対して有利な立場にある。それは大半の広告主がGoogle上のキャンペーンだけでなく、Amazon上のキャンペーンにすらGoogleアトリビューションを使っているためだ。だが、今回Amazonは、広告主に自社製アトリビューションツールを提供しはじめた。Amazon以外のウェブサイトでも広告効果を測れるようにしようという試みだ。

「自社製アトリビューションシステムとは、いわば自分自身で自分のやった宿題を採点するようなものだ」と、たとえるのはアドテク企業ナニガンス(Nanigans)で収益部門のシニアバイスプレジデントを務めるベン・トレゴー氏だ。同氏は「プラットフォーム各社は自社でアトリビューションシステムを用意しようとしている。それはライバルのプラットフォームが自社プラットフォーム以外の広告を適正評価するわけがないと分かっているからだ。Googleは絶対に自社プラットフォームの広告が一番コンバージョンに効果的だと言うだろう。FacebookやAmazonだって、自社プラットフォームが一番というに決っている」と指摘する。

Amazon上の広告に興味を持つ広告主は多い。だが、最新の四半期発表で広告主の支出が289億ドル(約3180億円)だったのに対し、 広告への支出はたった22億ドル(約242億円)に過ぎなかった。各社に財布のひもを緩めてもらうため、Amazonは今年のはじめにアトリビューションのテストを実施した。

期待するクライアントの意見

酒造会社のペルノ・リカール(Pernod Ricard)は、Amazon上での広告効果に満足している広告主のひとつだ。酒造会社として世界で第2の規模を誇る同社だが、eコマースでの販売ははじめたばかりだ。同社はAmazon上の商品ページから売上を伸ばすため、これまでよりも多額の広告費用を投じている。

英ペルノ・リカールでマネージングディレクターを務めるローラン・ピレー氏は、米DIGIDAYの取材に対して次のように語った。「ペルノ・リカールにとってAmazonは販売と広告のためのプラットフォームだ。昨年、我が社はAmazon上で購入するメディアの数を大幅に増やした。メディアの購入以外にもAmazon上での販売を増やしていくつもりだ。2017年、我が社のAmazon上での売上は100%の伸びを記録した。現在Amazonでのスピリッツの売上として第2位になり、マーケットのシェアも10%となっている。これは従来のマーケットよりはるかに高い数字だ」。

Amazonの広報担当は、今回のアトリビューションのピクセルについて、8月初頭の発表に記載されている以上のことは明かせないとしている。

Seb Joseph(原文 / 訳:SI Japan)