[ DIGIDAY+ 限定記事 ]Amazonが、Amazon.com内のディスプレイ広告で商品購入者にレビューを促す新しい広告プロダクトに取り組んでいるらしい。このレビュー広告では、一部の商品を購入したことのある人を対象に、星の数をタップしてフィードバックを残すように求める。これは「レビューあたりの費用」に基づいてフランドに販売されるという。
[ DIGIDAY+ 限定記事 ]Amazonが、Amazon.com内のディスプレイ広告で商品購入者にレビューを促す新しい広告プロダクトに取り組んでいるらしい。説明を受けたエージェンシー幹部3人の情報だ。
このレビュー広告では、一部の商品を購入したことのある人を対象に、星の数をタップしてフィードバックを残すように求める。バイヤーのひとりによると、「レビューあたりの費用」に基づいてフランドに販売されるという。
レビューはAmazonの大きな注力ポイントであり、肯定的なレビューは売り上げの増加につながることがある。パワー・レビューズ(Power Reviews)のデータによると、売り上げの約20%はレビューが要因であり、オンラインでの買い物客の3分の1が、肯定的なレビューがなければ購入しないとしている。
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ワンダーマン・コマース(Wunderman Commerce)のエージェンシーであるマーケットプレイス・イグニション(Marketplace Ignition)のCEO、エリック・ヘラー氏は、「Amazonに戻ることを思い出させ、しかもそれがレビューを残すためとなると、新たな購入の検討が増える可能性は高い。素晴らしいアイデアで、誰もが待ちにまったものだろう」と語った。
なお、本件に関して、Amazonはコメントを拒否した。
Amazonだからできるもの
既存の広告プロダクトにレビュー広告が加わると、ブランドを中心に素晴らしい循環ができる。ブランドはAmazonにお金を払ってレビューの協力を得られるようになり、これは販売の増加につながる。すると、ブランドがAmazonで買える広告も増える(Amazonにはほかにも無数に広告プロダクトがある)。この新しい広告プロダクトは、ある意味、Amazonの影響力を証明している。いまや検索は50%以上がAmazonが起点であり、発見から実際の購入まで、すべてをコントロールしているAmazonだからできるものなのだ。
Amazonはレビューポリシーに厳格で、お金を払ってレビューさせることを禁じている。さらに最近は、レビューと引き換えに無料商品やディスカウントをカスタマーに提供する、「インセンティブ付き」とAmazonが表現するレビューも禁止するようになった。
その例外が2つある。書籍とVineプログラムのレビューだ。Vineはレビューのインフルエンサープログラムで、ブランドはAmazonにお金を払うと、商品の提供と引き換えに有名レビュアーに商品を届けることができる。
フォーマットのバリエーション
今回のレビュー広告は新しいフォーマットだが(バイヤーたちによると、現在、一部のエージェンシーパートナーを選んでデモが進められている)、ディスプレイ広告にはすでに「カスタマーレビュー」というフォーマットがある。星による評価とレビュー総数が表示され、クリックするとその商品の「すべてのレビューを読む」ページに移動する。ディスプレイ広告にレビュー文を表示するものなど、このフォーマットにはいくつかバリエーションがある。以下はその例だ。
「カスタマーレビュー」フォーマットは、評価が星3.5以上で、最低15件のカスタマーレビューがある商品しか使えない。
これはAmazonではよくあることで、Amazonは評価が低いブランドがディスプレイ広告を購入できなくしている。これは賢明な措置だ。そうしないと広告費の費用対効果(ROAS)が低くなってしまうだろう。今回のレビュー広告は、循環を生み出す方策になっている。レビューを必要としているブランドに販売することで、ブランドはAmazonの売り上げを伸ばすことができ、さらには、広告をたくさん買えるようになる。
過去の類似事例もある
これは必ずしも新しいフォーマットではない。eコマースの評価とレビューをホスティングするバザールボイス(Bazaarvoice)が約5年前に、プラットフォームの内外でレビューを求めるディスプレイ広告でCPGブランドと組んだことがある。
Shareen Pathak (原文 / 訳:ガリレオ)