今週の注目ニュースは「Amazon プライムデー 2017」でスマートスピーカー「Amazon Echo」が最も売れた商品だったことだ。平常時からベストセラーを記録していたEchoシリーズ。Amazonはプライムデー特価 […]
今週の注目ニュースは「Amazon プライムデー 2017」でスマートスピーカー「Amazon Echo」が最も売れた商品だったことだ。平常時からベストセラーを記録していたEchoシリーズ。Amazonはプライムデー特価として179.99ドル(約2万円)の「Amazon Echo」を89.99ドル(約1万円)と半額で販売したのが、功を奏したという。
マーケティングリサーチ企業eMarketerは、2017年内に3760万人(前年比128.9%増)がスマートスピーカーを利用すると予測した。Amazon Echoは70.6%のユーザーを確保し、Google Homeは23.8%という構図。eMarketerは、翌年はAmazon Echoがわずかにシェアを落とし、Google Homeがシェアを伸ばすが、Amazonが支配的なプレイヤーにとどまると予測する。Amazon Alexa、Google Assistant、AppleのSiri、マイクロソフトのCortanaなど広義のバーチャルアシスタントカテゴリーも23.1%伸びるという。
eMarketerは、それらのユーザーの中心はミレニアル世代になると予測、Z世代が二番手でベビーブーマーはあまり伸びないとみている。
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スキル VS 質問応答
ではパフォーマンスはどうなのか?
Voicebot.aiによると、Amazon Alexaのスキル数は15000を超えたのに対し、Google Assistantのスキル数は378に留まったという。英国やドイツ固有で、米国のものに互換していないスキルを加えると、Alexaのスキル数は2万程度と推測されている。
360iによる音声認識の精度調査では3000件の質問に対し、認識率はGoogle Assistant 72%、Amazon Alexa 13%で、Googleが約6倍精度が高かった。
プライムデーで明らかになったのは、Amazonは自らAmazon Echo販路を持っている部分がアドバンテージだ。市場を先に占拠すればEchoが「トロイの木馬」となり、音声データやユースケースに関するインサイトを確保できる。人工知能研究者の囲い込みや論文数、AIを利用した製品群、検索などの各種サービスによる膨大な行動データなどでGoogleは他社を寄せ付けていないが、ユーザーが好む「プロダクト」を提供できているのは、現状はAmazonだと考えてよさそうだ。より汎用な方向性で人工知能を目指している風に感じられるコンピュータサイエンス企業Googleと、より実質的な物事を実現するアシスタントをつくり、パートナーシップを拡大するAmazon、まだ闘いの火蓋は切られたばかりだ。
今週はこの争いのなかでコンテンツプロバイダーがどう生き残るかについてカカクコム執行役員 宮島 壮洋氏のインタビューを公開した。
以下、今週のその他のトピック。
▼WhatsAppがインドでUPIの認可を取得
WhatsAppはインド政府主導のペイメントの共通インターフェイスである「UPI(Unified Payments Interface)」への参画がインド政府より認可された。WhatsAppはモバイルアプリを利用した、QRコードなどのペイメントサービスをインドの金融機関と提携して行えることになった。
▼SoundCloudに深刻な危機
先週40%の社員をレイオフ。創業者は「コストを減らすことで第4四半期まで時間を稼ぐため」と説明。残された時間は50日。
▼1時間あたりの平均アプリ支出額、日本が世界トップ:AppAnnie
AppAnnieによると、日本は2016年、ユーザー1人あたりの1時間の平均支出額が13.98ドル、アプリ利用時間の総計が680億時間超にのぼり、世界をリード。
- アプリストア収益:中国の購買力のあるモバイルファーストな消費者が世界の成長を牽引
- アプリ内広告:アジア地域が急成長、2021年までに25%成長で770億ドルに達する見込み
- モバイルコマース:世界の総支出額は2021年に6兆100億ドルに達する見込み
▼Amazonプライムデー 2017が過去最高売上
Amazonのセールイベント「プライムデー 2017」の全世界の売上総額は20億ドル(約2200億円)。プライム会員の1日あたりの増加数も過去最大。
▼LINE Ads Platform、フリークエンシー上限設定とブランドリフト調査が可能に
プレスリリースによると、1ユーザーあたりの広告表示回数(フリークエンシー)の上限設定をしつつ、通常配信よりも優先的に広告配信が可能。広告接触の有無でユーザーを分類抽出し、それぞれのユーザーに対し、連携する調査会社によるブランドリフト調査を行う。
▼ニンテンドースイッチにニコニコ動画公式アプリ
人気のゲーム機にライブストリーミングアプリが載る。アプリが充実すれば、プラットフォームとしてのポテンシャルが増しそうだ。
Wriiten by 吉田拓史