2015年も12月8日(火)から14日(月)まで、1週間に渡って大々的に展開されていた、アマゾンジャパンのセールイベント「サイバーマンデー」。日本でも「歳末大感謝祭」やら「年末大セール」というものはあるが、特定の日を設け、横文字のタイトルを付け、同社に限らない「ネット通販の日」と位置づけた意味合いは大きい。
アマゾンジャパンが、毎年12月の第2月曜日を「サイバーマンデー」として日本記念日協会に申請し、受理されたのは2012年のこと。それから3年が経ち、このイベントを根付かせた経緯を、同社のコンシューマーマーケティング本部長である紣川謙氏が、ギズモード・ジャパンの取材に応えている。
ちなみによく耳にする「ブラックフライデー」は、アメリカの小売店における慣習的なセール日で、感謝祭(11月の第4木曜日)の翌日の金曜日のことを指す。本家「サイバーマンデー」は、「ブラックフライデー」の翌週の月曜日に、なぜかオンラインショッピングが盛り上がる傾向を受け、同国で始まったeコマースのセール・イベントだ。
2015年も12月8日(火)から14日(月)まで、1週間に渡って大々的に展開されていた、アマゾンジャパンのセールイベント「サイバーマンデー」。日本でも「歳末大感謝祭」やら「年末大セール」というものはあるが、特定の日を設け、横文字のタイトルを付け、同社に限らない「ネット通販の日」と位置づけた意味合いは大きい。
アマゾンジャパンが、毎年12月の第2月曜日を「サイバーマンデー」として日本記念日協会に申請し、受理されたのは2012年のこと。それから3年が経ち、このイベントを根付かせた経緯を、同社のコンシューマーマーケティング本部長である紣川謙氏が、ギズモード・ジャパンの取材に応えている。
ちなみによく耳にする「ブラックフライデー」は、アメリカの小売店における慣習的なセール日で、感謝祭(11月の第4木曜日)の翌日の金曜日のことを指す。本家「サイバーマンデー」は、「ブラックフライデー」の翌週の月曜日に、なぜかオンラインショッピングが盛り上がる傾向を受け、同国で始まったeコマースのセール・イベントだ。
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時期が異なる「日本版」
本家アメリカの「サイバーマンデー」が発生したのは、2005年頃。その理由として、紣川氏は「ネットショッピングそのものが段々と利便性が高まり、利用が拡大し始めた」時期だからと推測する。
また、あくまで伝聞であると前置きしながらも、「米国では2000年代の早い段階から有線回線による高速インターネットが普通のオフィスにも導入されてきた」。だから、「オフィスに行くと高速ネット回線にアクセスできたことから、感謝祭の週末空けにオフィスからECサイトにアクセスする人が非常に増えていった」のだろうという。
毎年12月の第2月曜日と、本家とは少し時期がズレる、日本版の「サイバーマンデー」。あえてこの日をアマゾンジャパンが選んだのは、日本においてネットショッピングの売上が急激に上がる時期だったからだと紣川氏は語る。どうしても気になって調べたところ「『冬のボーナス』が12月第2週あたりに出ることと関係している」ことが分かってきたという。
大いに盛り上がるTwitter
また、このイベントをローカライズした理由として、米国のネットショッピングイベントを日本でも開催することで、ネットユーザーが喜ぶであろうと考えたことを紣川氏は挙げる。実際、2015年のイベントでもTwitterでは「#サイバーマンデー」というハッシュタグが立てられ、大いに盛り上がっていた。
ただ、大量の商品が安価で購入できるというツイートだけではない。「サイバーマンデー」が「サイバイマンデー」に空目してしまうということでも話題になっていた。「サイバイマン」とは、「栽培マン」のことで、マンガ「ドラゴンボール」に登場していた生物兵器のことである。同社では、それをうまくプロモーションに利用していたほどだ。
奇跡的な僅差で「#サイバイマンデー」となりましたが正式名称は「#サイバーマンデー」なのです。12/14まで⇒ https://t.co/e1R2xh7Xl1
サイバイマンはこちら⇒ https://t.co/lZTvjmMWDF pic.twitter.com/n0oqUXDamJ
— Amazon.co.jp (アマゾン) (@AmazonJP) 2015, 12月 10
日本独自のマーケティング
セール品の品揃えでは、「アマゾンの主力製品カテゴリーはほとんど出品」したという紣川氏。2014年の人気カテゴリとしてはゲームコンソール、デジタル一眼レフカメラ、高級腕時計などを挙げた。やはり日本ではボーナス時期、クリスマス商戦前というタイミングに合致した売れ筋の傾向も見える。
また、期間中はLINEのAmazonアカウントを追加したり、LINEビジネスコネクト(LINEとAmazonアカウントを連携させるサービス)利用者にオリジナルのLINEスタンプを配信するといった、日本市場のトレンドを押さえた施策を実施。ビデオや音楽のサービスで会員数増加に猛プッシュを仕掛ける「Amazonプライム」会員向けにも、ポイント付与などの優遇策を展開していった。
「サイバーマンデー」は米国発祥のショッピングイベントだが、日本市場にフィットさせるべく、独自の土壌に合わせたマーケティング要素をミックスしている。当初より紣川氏は、「感謝祭の文化やブラック・フライデーなどあまり日本人につながりがないものをそのまま持ってくるのは、ネット文化の違いもあってあまり現実的ではない」と、考えていたという。
中国「独身の日」は売上1.7兆円
なお、この日本版「サイバーマンデー」の売上金額について、紣川氏はギズモード・ジャパンの取材で触れていない。また、アマゾンジャパンも公式のリリースを出していないようだ。
「SankeiBiz」の報道によると、2015年のアメリカにおける「サイバーマンデー」(11月30日)の売上高は、前年比18%以上。総額30億ドル(約3700億円)となり過去最高を記録すると予測されていた。ちなみに、アメリカにおける「サイバーマンデー」とは、米Amazonだけの売上ではなく、オンライン通販全体の売上となる。
また、アマゾンジャパンの日本版「サイバーマンデー」と同様に、中国のネット通販大手アリババは、毎年11月11日を「独身の日」と定めている。1が4つ並ぶその日は、独身者が自分に贈り物をする日とし、いまでは世界最大のネット通販イベントとなっているという。「ウォール・ストリート・ジャーナル日本版」の報道によると、6年目にあたる2015年の同イベントでは、前年を54%上回り143億ドル(約1兆7600億円)を売り上げたという。
継続し続けることが大事
アマゾンジャパンが実施する、この取り組みは2015年で4回目だ。以前は、同社の社員にさえ、あまり知られていなかった「サイバーマンデー」。その過去と未来について話す際、枠川氏は「継続」というキーワードを用いる。
「継続することがお客様の期待を高めるためには必要」で、年々盛り上がってきたこともあり「当初私たちが考えていた企みは実現できている」という。さらに「日本のネットショッピング文化の中でお客様に継続して期待して頂けるイベントとして根付かせたい」、そして「これからも大きくしていきたい」と語った。
毎年12月の第2月曜日は、日本版「サイバーマンデー」。その認知が広まり、アマゾンジャパンのみならず、他社も一同に乗り出してくれば、さらに楽しい未来が見えてきそうだ。
Written by ワタナベダイスケ(参考記事)