「 Twitter 離れ」が加速する、酒造メーカーの広告主

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酒造メーカーのバカルディ(Bacardi)やペルノ・リカール(Pernod Ricard)のビフィーター(Beefeater)などによる「Twitter離れ」が加速している。

飲料専門のマーケティングエージェンシーのイエスモア(YesMore)の調査によると、スピリット・リキュール関連の100社の主要なTwitterアカウントのうち、上位10社中4社(42%)以上のアカウントは、ここ1カ月のあいだ音沙汰がない。また、3分の1(32%)以上の企業アカウントは3カ月間、5分の1(21%)の企業に至っては1年以上ものあいだ、何の書き込みもされていない状態だという。

この現象は、ほんの少しインターネットで調べればわかることだ。ビフィーターの最後のツイートは2017年の3月20日。バカルディやグレイ・グース(Grey Goose)、スミノフ・ヨーロッパ(Smirnoff Europe)、そしてベイリーズ(Baileys)などのアカウントも、2018年の年明け以来、数回しか書き込みを行なっていない。

慎重な酒造メーカー

企業方針としてTwitter以外のプラットフォームに注力したり、SNS以外の場所に力を入れるブランドがいるなかで、何の前触れもなく突然SNS上から姿を消すブランドも多いと、イエスモアでクライアントディレクターを新たに務めるトム・ハービー氏は語る。広告主にとって、これは単に「書き込むべき場所が増えすぎている」状態であり、インターンにその仕事を任せるというのも過去の話だという。

カスタマーサービスにおいて、Twitterがもっとも有益なプラットフォームであることは確かだ。だが、Twitterを主要なマーケティングチャンネルとして使うことに対して、酒造メーカーはこれまでも慎重な姿勢を保ってきた。その主な理由はターゲティングにある。

SNSで若い世代に向けたターゲティングを行ううえでは、Twitterというマーケットプレイスの有効性に対する疑問が強まっている。以前ペルノ・リカール向けに仕事をしていたアナログフォーク(AnalogFolk)でシニアソーシャルストラテジストを務めるマイク・ハリス氏によると、メディア投資が膨らむなか、インスタグラム(Instagram)やFacebookなどのプラットフォームは、どのオーディエンスに対してコンテンツを見せるかを自由にコントロールできる選択肢を提供しはじめているという。

ディアジオのケース

ディアジオ(Diageo)などの酒造メーカーの広告主は、ジョニー・ウォーカー(Jonnie Walker)やキャプテン・モルガン(Captain Morgan)などの大きなブランド向けのTwitter関連予算は取っておいてある(こうしたブランドは現在も頻繁にTwitterを更新している)。その一方、認知度の低いブランドのTwitterアカウントに対する企業努力は緩めはじめている。

ディアジオが所有しているウイスキーブランドのヘイグ・クラブ(Haig Club)を例にとってみると、Twitterの最後の書き込みは2018年の3月29日だが、インスタグラムとFacebookへの投稿はそれ以降も引き続き行なっている。さらに、それらのチャンネル向けに、共同設立者である元サッカー選手のデビッド・ベッカム氏とともに、オリジナルコンテンツも制作しているのだ。

ソーシャルベイカーズによると、ヘイグ・クラブは、Twitterへの最後の投稿のあとも379人のフォロワーを増やしたが、3月31日までの総フォロワー数は7100人。同時期に、ヘイグ・クラブは8回の書き込みを行ったが、得られたいいね! やリプライ、リツイートやコメントの数は計64回だった。

SNSの役割の再定義

市場リサーチ企業のIRIによると、アメリカでの15の主要な酒造メーカーのTwitterアカウントの大多数の更新頻度は、それと比べればまだ高いほうだという。その一方、スミノフ、クラウン・ロイヤル(Crown Royal)ウイスキー、ウォッカのスヴェドカ(Svedka)やスカイウォッカ(Skyy Vodka)、そしてグレイ・グースの5社の酒造メーカーは、2018年2月(またはそれ以前)以来、更新されていない。

スミノフのような酒造メーカーにとって、さらなる障壁となるのは、そのTwitterコンテンツが、書き込む前に時代遅れになることが多くなってしまう点だ。一方、インスタグラム上のコンテンツは、そこまでのスピード感が求められていないため、さまざまな市場に向けたコンテンツ制作により多くの時間がかけられる。

Twitterという場所は、酒造メーカーの広告主にとって「カスタマーサービスを行う場所」だと認識されている一方で、SNSでの役割を再定義しようとするものもいる。「広告という観点では、(酒造メーカーは)有料のメディアに重点を置きはじめている」と、アイプロスペクト(iProspect)でソーシャルアカウントディレクターを務めるキャサリン・チャペル氏は語る。「彼らの取り組みは、有機的に変化していく必要がある」。

Seb Joseph(原文 / 訳:Conyac