Twitterの荒らし行為はやっかいだが、ある意味ネットの自由さを象徴している。だが、10月下旬、ディズニー(Disney)とセールスフォース(Salesforce)が同社の買収から身を引いたとき、やはりそれは問題視されたようだ。今回は、Twitterでの荒らし行為を数値データで表す6つのグラフを紹介する。
Twitterにおける荒らし行為はやっかいなものだが、ある意味ネットの自由さを象徴するものでもある。だが、10月下旬、ディズニー(Disney)とセールスフォース(Salesforce)が同社の買収から身を引いたとき、やはりそれは問題視されたようだ。
Twitterの買収に、荒らしがマイナス影響を与えるのは明らかだが、その蔓延ぶりを数値化するのは難しい。なにしろ、そうした悪意は、皮肉めいた表現やポップカルチャー的な表現だけでなく、一見、親愛を示すような表現に潜んでいることすらあるからだ。そのため、こうした行為を追跡するのは困難を極める。
荒らしがどれだけはびこっているのか判断するのは難しいが、調査からは女性を蔑視する言葉が非常に多く使われていることが明らかになっている。また、何人かのユダヤ人ジャーナリストが、おびただしい数の暴言を浴びせられており、現在の状況はTwitterで外国人嫌いを誘発する可能性を見せている。本記事では、そうしたTwitterの荒らし行為を数値データで示した、6つのグラフを紹介する。
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女性差別
ヘイトスピーチは複数の種類に分類されるが、ソーシャルメディア分析企業のブランドウォッチ(Brandwatch)は、いくつかの中傷ツイートがこの1カ月間にどれほど多く見られたかを分析した。女性差別的な言葉は、1日あたり1万5000件ほど使われており、ほかの口汚い言葉と比べてはるかに多かった。
こうしたツイートの多くには、おそらく明らかな煽り投稿などは含まれていないと思われる(ボットによって送信されたと思われる投稿はあるだろうが)。だが、このデータは少なくとも、女性を蔑視するような投稿がTwitterでどれほど多いかを示している。ブランドウォッチで調査担当マネージャーを務めるエドワード・クルーク氏によれば、英語では女性を蔑視する言葉が「日常的に使われている」ため、ほかの中傷と比べてツイートの数が多くなるという。
ただし、多少明るい話題もある、ブランドウォッチが4年間にわたって実施した分析によると、ここ数年は、女性差別に関する議論の数のほうが、女性差別的な発言より増えているという。興味深いことに、女性差別的な発言する人の数は、男性と女性で同じだそうだ。
ユダヤ人差別
名誉毀損防止同盟(以下、ADL)は10月19日(米国時間)、ユダヤ人差別的なツイートを調査したレポートを公開した。ADLによれば、2015年8月1日から2016年7月31日までの1年間で、ユダヤ人差別的な表現を含むツイートは、およそ260万件投稿されたという。また、800名のジャーナリスト狙った「あまりにもひどいユダヤ人差別のツイート」が、1万9253件見つかったと述べている。さらに、こうしたツイートのなんと83%が、わずか10名のジャーナリスト(全員がユダヤ人)に向けられたものだった。
下のグラフを見ればわかるように、それらのジャーナリストに向けられたユダヤ人差別的なツイートの多くが、大統領選挙に関するものだった。ワードクラウドの図は、どのような言葉が差別的な投稿のなかで、もっとも多く使われたかを示している。
イスラム嫌悪
シンクタンクのデモズ(Demos)が実施した調査によると、ブリュッセルでのテロや英国のEU脱退といった世界的な出来事によって、英国ではイスラム嫌悪の議論が急増したという。
幸いなことに、これらのツイートの大半は友好的な内容で、差別的なものではなかったという。ただし、2016年7月の段階でも、英国では1時間当たり289件のイスラム差別的なツイートが投稿された。
相関関係
また、ブランドウォッチは、米国の州ごとの差別的発言の状況を調査。それによると、女性蔑視の度合いが高い州ほど、人種差別の度合いも高いことがわかった。また、自分を共和党支持者だと認識している人が多い州ほど、トランスフォビア(トランスジェンダーを嫌悪する言葉)の度合いが高い傾向も示されている。なお、相関係数が0.5を超えれば、強い相関関係があると、一般的に考えられている。
Ross Benes(原文 / 訳:ガリレオ)