知っておきたい、 Twitch の インフルエンサー 5名

ライブストリーミングプラットフォームのTwitch(ツイッチ)は、フォートナイト(Fortnite)やオーバーウォッチ(Overwatch)をプレイする様子をライブストリーム配信しているゲーマーに特に知名度が高い。そのため、ゲームに夢中な若い男性オーディエンスに広告を打ってはどうかと、広告主に売り込み攻勢をかけている。同プラットフォームを利用している影響力のあるゲーマーも、同じ方法により、独力でマウンテンデュー(Mountain Dew)やミラークアーズ(Miller Coors)、20世紀フォックス(20th Century Fox)などのブランドとの取引を獲得することが可能だ。

2011年に設立されたTwitchは、ゲーマーがさまざまなゲームをプレイしているところをリアルタイムで見たいと思っている、ゲーマー自身のファンとなるオーディエンスを作ることを可能にした。Amazonは2014年、9億7000万ドル(約1022.6億円)を投じてTwitchを買収。そして、そのTwitchは現在、平均デイリービジター数約1500万人、そのうちユニークストリーマー数300万人を獲得している。同社はちょうど8月第2週に、ユーザー向けに独自の配信ソフトウェアを発表したところだ。

インフルエンサーに関して言うと、ニンジャの名で知られるリチャード・タイラー・ブレビンス氏がもっとも成功した例と言えそうだ。彼は、フォートナイトをプレイして1カ月あたり50万ドル(約5271万円)を稼ぎ、Twitch上での自身の知名度を利用して、レッドブル(Red Bull)やウーバーイーツ(Uber Eats)、そのほか多数のブランドとの取引を獲得したと言っている。直近のスーパーボウルでは、NFLのビッグゲームの場でゲスト出演も果たした。しかし、今年は、ブレビンス氏は、視聴された時間をもとにすると、視聴回数最多のストリーマーではなかったと、TwitchやYouTubeを利用しているストリーマーとブランドを結び付けているプラットフォームであるストリームエレメンツ(StreamElements)は発表している。同氏は8月第1週、Twitchの利用をやめて、マイクロソフト(Microsoft)が運営する競合サービスであるミキサー(Mixer)へ移った。

若年層とのつながりが魅力

最初は、このTwitchとそのインフルエンサーに投資していたブランドは、そのほとんどがゲーム機を持っているゲーマーを対象にしていた企業だった。ここ2年間のあいだに、同プラットフォームのリーチや人気が高まり、利用者の範囲が広がったため、トヨタ(Toyota)やフォックスからマウンテンデューに至るまでの大手企業が、このプラットフォームを利用してオーディエンスに売り込むようになった。現在、食品や飲料、自動車、アパレルやエンターテイメント業界のブランドの多くが、Twitchに資金を投じている。

「Twitchは双方向的な性質があり、強固なコミュニティを築いており、インフルエンサーの人数が多い。そのため、リーチしたいと切望しているものの、なかなか訴求できないミレニアル世代やZ世代とつながろうとしているブランドにとって、このプラットフォームは理想的なものだ」と、ストリームエレメンツでブランド提携を統括するシニアバイスプレジデントを務めるスコット・クラーク氏は言う。

このキャッシュフローの一部は、Twitchにおけるゲーマーのストリーム配信やバナー広告よりもプレロール広告に直接流れているが、インフルエンサーにも流れるだろう。通常、Twitch上でのブランドとインフルエンサーの取引は、3つのカテゴリに分かれ、短期間の広告キャンペーンあるいは長期間のスポンサーシップ、アフィリエイトプログラムがあると、クラーク氏は説明する。

Twitch広告 3つのカテゴリ

インフルエンサーとの短期間のキャンペーン契約は、従来の広告インベントリを使用する代わりにインフルエンサーを期せずして使用して推進した一般的な広告キャンペーンと同じようなものだ。たとえば、フォックスが、映画『アリータ:バトル・エンジェル(Alita: Battle Angel)』を発表した2月には、同社はTwitchを利用している多数のインフルエンサーと協力し、予告編のストリーミング配信あるいは映画に関する宣伝をはじめ、映画の発表ができる限り多くの人の目に留まるように情報を届けたと、クラーク氏は言う。

スポンサーシップ取引は、もっと長期的なもので、アスリートのスポンサー契約と同じようなものだが、インフルエンサーはスポーツをするのではなく、ビデオゲームをするというところが違うだけだ。その違いがどのように表示されるかは、ブランドやインフルエンサーによって変わるが、通常は、インフルエンサーのストリーム配信画面上に、当該ブランドとスポンサー契約を結んでいることが何らかの形で示される。

アフィリエイト取引については、Twitchのストリーマーがブランドと協力して特定の製品を自分のオーディエンスに売り込み、売買契約を結ぶための具体的なリンクのコードを使用するように伝える。そのあと、インフルエンサーはこの取引からコミッションを受け取る。Twitchはアフィリエイトプログラムを利用しており、十分に大きな影響力を持つインフルエンサーには、次の段階のパートナーシッププログラムを用意している。

ブランドが懸念すべき2点

インフルエンサーと直接協力することによって、ブランドはインフルエンサーを利用したライブストリーム配信を介して、よりオーガニックに差別化を図ることが可能だ。たとえば、インフルエンサーにブランドについてオーディエンスに尋ねてもらったり、意識調査を行ってもらったり、景品を配ってもらったり、抽選に参加してもらったり、ほかにも数多くのことをしてもらい、オーディエンスとのエンゲージメントを強化できるとクラーク氏は言い、これこそが成長領域だと付け加えた。

「Twitchあるいはプラットフォームを利用しているインフルエンサーに直接アプローチする場合に、すべてのブランドが考える必要がある重要なことは、主に次の2点だ。ゲーマーはどのような性格か/ゲーマー自身のコミュニティのフォロワーとどのように関わっているか、そして、どのようなゲームやゲームのジャンルで影響力がもっとも大きいか、だ」と、国際的なクリエイティブエージェンシー、コミュニティ(The Community)でグループ関係担当のディレクターであるビリー・ボウリア氏は、電子メールで回答してくれた。

「ブランドにとっての真のチャンスは、オーガニックに製品を統合し、ゲームのプレイ中にオーガニックに使用してもらうことにかかっている」と、ボウリア氏は付け加えた。「オーガニックであることが、Twitchプラットフォームでは非常に重要だ。なぜなら、ゲーマーオーディエンスあるいは保守的な愛好者は、フォローしているインフルエンサーが明らかに製品を自分たちに売り込もうとしていることを知りたいと思っているわけではないからだ」。

5人の著名インフルエンサー

以下は、ブランドと協働した著名なインフルエンサー5人である。

インフルエンサー:Shroud(別名:Michael Grzesiek)
フォロワー数:670万人
取引ブランド:マドリナスコーヒー(Madrinas Coffee)、ジンクス(Jinx

インフルエンサー:Tfue(別名:Turner Ellis Tenney)
フォロワー数:670万人
取引ブランド:Tfueが取引しているブランドは、はっきりとはわからない。だが、Tfueはeスポーツ組織のフェイズクラン(Faze Clan)との訴訟で係争中となっており、同組織と収益を折半すると言っている。

インフルエンサー:TimTheTatman(別名:Timothy John Betar)
フォロワー数:390万人
取引ブランド:モンスターエナジー(Monster Energy)、インテル(Intel)、ハーシー(Hershey’s

インフルエンサー:pokimane(別名:Imane Anys)
フォロワー数:320万人
取引ブランド:ハイパーエックス(HyperX)、インテル(Intel)、ガイコ(Geico)、NFLAmazon、ホットポケッツ(Hot Pockets)

インフルエンサー:Annemunition (実名は非公表)
フォロワー数:55万人以上
取引ブランド:ジンクス、デザインバイヒューマンズ(Design by Humans)、Amazon

Kristina Monllos(原文 / 訳:Conyac