ホリデーシーズンを前に、Shopify(ショッピファイ)はより大手のエンタープライズ企業のクライアントを獲得し続けている。
バナナ・リパブリック(Banana Republic)の家具・インテリア部門であるバナナ・リパブリック・ホーム(Banana Republic Home)はこのほど、オムニチャネル体験を推進するためにShopifyと協力することになった。バナナ・リパブリックがバナナ・リパブリック・ホームを立ち上げたのは9月のことだ。
その一環として、バナナ・リパブリック・ホームは十数店舗の小売店をShopifyのPOSシステムに移行した。Shopifyは、バナナ・リパブリック・ホームのeコマースウェブサイトを運営し、同社のPOSプラットフォームで米国におけるバナナ・リパブリック・ホームの小売店舗を管理して、店舗での販売を強化すると述べた。ショップペイ(Shop Pay)を利用する1億人の買い物客も、バナナ・リパブリックのロイヤルティプラットフォームの一員となることができる。
この記事は、小売業界の最前線を伝えるメディア「モダンリテール[日本版]」の記事です。
ホリデーシーズンを前に、Shopify(ショッピファイ)はより大手のエンタープライズ企業のクライアントを獲得し続けている。
バナナ・リパブリック(Banana Republic)の家具・インテリア部門であるバナナ・リパブリック・ホーム(Banana Republic Home)はこのほど、オムニチャネル体験を推進するためにShopifyと協力することになった。バナナ・リパブリックがバナナ・リパブリック・ホームを立ち上げたのは9月のことだ。
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その一環として、バナナ・リパブリック・ホームは十数店舗の小売店をShopifyのPOSシステムに移行した。Shopifyは、バナナ・リパブリック・ホームのeコマースウェブサイトを運営し、同社のPOSプラットフォームで米国におけるバナナ・リパブリック・ホームの小売店舗を管理して、店舗での販売を強化すると述べた。ショップペイ(Shop Pay)を利用する1億人の買い物客も、バナナ・リパブリックのロイヤルティプラットフォームの一員となることができる。
大手企業が続々導入
Shopifyの最高収益責任者のボビー・モリソン氏は、このパートナーシップがバナナ・リパブリックの主力事業であるファッションおよびアパレル事業にも拡大する可能性があると、米モダンリテールに語った。「バナナ・リパブリック・ホームとの提携に期待を寄せている。Shopifyの力をとてもユニークな形で体験する機会が得られるだろう。また、これによってバナナ・リパブリックとShopifyが共同でビジネスを行う機会がさらに増えるだろうことを確信している」。
両社の提携は、エンタープライズ系企業の顧客への注力を強化するための大きな戦略的取り組みの一環だ。Shopifyは11月2日木曜日に行われた第3四半期の決算発表で、POS加入者数が34%増加したと報告した。「当社のユニファイドコマース・プラットフォームの強さと、小売チャネルの拡張性により、バナナ・リパブリック・ホーム、プリンセスポリー(Princess Polly)、サクラメントキングス(Sacramento Kings)など大手のオムニチャネル小売業者が続々と参入している」と、Shopifyのプレジデントを務めるハーレイ・フィンクルスタイン氏は決算説明会で語った。
第3四半期には、オークアンドフォート(Oak + Fort)、ペイジデニム(Paige Denim)、バイバイベイビー(Buybuy Baby)などのブランドも、小売店舗でShopifyを使いはじめたとShopifyは明かした。モリソン氏によれば、エンタープライズ系企業の顧客は、非常に高い割合でShopifyに殺到しているという。「これまでになかったほどの高い割合だ」。
Shopifyの価値を証明する方法
さらに多くのエンタープライズ系企業の顧客を呼び込む試みとして、Shopifyは5月にコンサルティング企業の「大手3社」が行った調査を発表し、Shopifyのコンバージョン率がセールスフォースコマースクラウド(Salesforce CommerceCloud)やビッグコマース(BigCommerce)などの競合他社を、それぞれ36%と12%超えていることを示した。
eコマース開発代理店のネタリココマース(Netalico Commerce)の創設者マーク・ウィリアム・ルイス氏は、ShopifyのPOSシステムはこれまでの歴史を振り返ると、在庫カタログが小規模なブランドに適していると語る。同氏は、これをバナナ・リパブリックが小規模な子会社で新しい事業に挑戦するためにとった方法だと見ている。
「巨大ブランドが、メインブランドには巨大なエンタープライズシステムを使用し、小規模な子会社では何かを試したいと考えるケースをよく見る。そして、Shopifyを使用すれば、はるかに簡単にサイトを立ち上げることができる」と同氏は述べた。
ウィリアム・ルイス氏は、これは究極的に、Shopifyが子会社を通してエンタープライズ市場に参入し、そこから大規模な親組織に対してその価値を証明することができる方法だとも語った。「Shopifyはこれらの機会を、プラットフォームとそのコンセプトを小売業者に紹介するための足掛かりに使用していると思われる。小売業者がプラットフォームに慣れ親しんでいれば、将来売り込むのがはるかに簡単になるだろう」。
Vidhi Choudhary(翻訳:ジェスコーポレーション、編集:戸田美子)
Image via Shopify