オンラインアパレルブランドは、新しいサイズフィッティング技術を少しずつ受け入れはじめている。
Shopify(ショッピファイ)は今夏、トゥルーフィット(TrueFit)をアプリ群に加え、開発者が商品詳細ページにサイズフィッティングツールを追加できるようにした。トゥルーフィットはルルレモン(Lululemon)やギャップ(Gap)などのブランドですでに使用されており、顧客に対して身長、体重、およびほかのブランドで買っているサイズを入力してもらう。そして、それらの情報をもとに、顧客が買おうとしているアイテムに最適なフィット感を判定するというものだ。
アパレルブランドは長いあいだ、オンラインの買い物客をサイズフィッティング面で支援する方法を模索してきたが、Shopifyにアプリが追加されたことは、この分野全体が盛り上がってきていることを示している。フィットテクノロジーは、パンデミックで外出禁止令が出た時期に、多くの買い物客が衣服を直接試着できなかったために一躍脚光を浴びた。トゥルーフィットは2019年から2020年にかけて、このツールを使用する顧客が40%増加し、それ以後は前年比で平均20%増加したという。
ほかのブランドは社内でツールを開発するか、買い物客が適切なサイズを見つけられるよう支援するため、より仮想現実(VR)に基づいた方法を模索している。エクスプレス(Express)のような一部のブランドは、顧客からのレビューに基づいて「小さめ」や「大きめ」を示すインジケーターバーを採用している。デニムブランドのアンスパン(Unspun)などのカスタム企業は、ボディスキャン技術を導入している。ワービーパーカー(Warby Parker)は自社アプリにバーチャル試着機能を搭載し、リボルブ(Revolve)はバーチャル試着の実験を行っている。ドレスショップのアザジー(Azazie)などほかのブランドは、顧客がサイズチャートをより的確に使えるように、ハウツー動画などで詳細な測定のヒントを紹介している。
この記事は、小売業界の最前線を伝えるメディア「モダンリテール[日本版]」の記事です。
オンラインアパレルブランドは、新しいサイズフィッティング技術を少しずつ受け入れはじめている。
Shopify(ショッピファイ)は今夏、トゥルーフィット(TrueFit)をアプリ群に加え、開発者が商品詳細ページにサイズフィッティングツールを追加できるようにした。トゥルーフィットはルルレモン(Lululemon)やギャップ(Gap)などのブランドですでに使用されており、顧客に対して身長、体重、およびほかのブランドで買っているサイズを入力してもらう。そして、それらの情報をもとに、顧客が買おうとしているアイテムに最適なフィット感を判定するというものだ。
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アパレルブランドは長いあいだ、オンラインの買い物客をサイズフィッティング面で支援する方法を模索してきたが、Shopifyにアプリが追加されたことは、この分野全体が盛り上がってきていることを示している。フィットテクノロジーは、パンデミックで外出禁止令が出た時期に、多くの買い物客が衣服を直接試着できなかったために一躍脚光を浴びた。トゥルーフィットは2019年から2020年にかけて、このツールを使用する顧客が40%増加し、それ以後は前年比で平均20%増加したという。
ほかのブランドは社内でツールを開発するか、買い物客が適切なサイズを見つけられるよう支援するため、より仮想現実(VR)に基づいた方法を模索している。エクスプレス(Express)のような一部のブランドは、顧客からのレビューに基づいて「小さめ」や「大きめ」を示すインジケーターバーを採用している。デニムブランドのアンスパン(Unspun)などのカスタム企業は、ボディスキャン技術を導入している。ワービーパーカー(Warby Parker)は自社アプリにバーチャル試着機能を搭載し、リボルブ(Revolve)はバーチャル試着の実験を行っている。ドレスショップのアザジー(Azazie)などほかのブランドは、顧客がサイズチャートをより的確に使えるように、ハウツー動画などで詳細な測定のヒントを紹介している。
ブランドからのニーズと技術の向上
トゥルーフィットの技術は2011年に公開された。それ以来、顧客やブランドとの取引から膨大な量のデータを収集してきたため、ブランドの衣服を手作業で調べて入力する必要なくフィット感を測定できるようになったと、グローバルマーケティング担当ディレクターのヘザー・テリエ氏は語る。これによって、小規模なブランドでも、アプリでこの技術を使えるようになった。
「これらのブランドからのニーズは高いと考えている。顧客体験の観点から、なんらかの方法で抜きん出る必要があるからだ。我々が解決しようとしてる問題に関していうと、サイズチャートは初歩的なもので変化がない。カテゴリーによって異なるものではない」と、同氏は米モダンリテールに語った。
顧客がオンラインでの注文をはじめて以来、フィット感の問題を解決することはオンライン小売業者の抱える問題だった。これまで、バーチャルのサイズフィッティングソリューションは、買い物客が写真をアップロードしたり、身体の情報を共有したりすることを望まなかったり、あるいは、小規模の新興企業が統合するには面倒すぎたため、普及しなかった。しかし、技術が向上し、買い物客の習慣が進化するにつれて、それも変わりつつある。トゥルーフィットの場合、同社の企業向けソリューションは一定量の過去のデータ販売が必要だったため、これまでは新興ブランドと連携することができなかったが、現在ではその条件が満たされたという。
コンバージョン率向上にも期待
金融サービス会社BTIGのアナリストであるジャニーヌ・スティッチャー氏は、Shopifyにトゥルーフィットのようなツールが追加されることは、この分野が「サイズサンプリング」の予防策として勢いを増していることを示す例だと語る。サイズサンプリングとは、顧客がいくつものサイズを注文し、自宅を試着室代わりにして、合わなかったサイズは返品するという行為を意味する。
さらに、ブランドがフィッティングテクノロジーを提供すれば、顧客が衣服を注文するとき、自分にフィットすることを確認できるため、安心して「購入」をクリックでき、コンバージョン率も高くなると、同氏は述べている。
「自分に似合う服を自信を持って選ぶことができれば、顧客のコンバージョン率は高くなるし、返品も減るため、ブランドはリバースロジスティクスの費用を払わなくてよくなり、一石二鳥だ」と、同氏は述べている。
なかには、アルゴリズムによるツールだけでなく、仮想現実ツールを使用して、アイテムのフィット感や、服のカラーが特定の肌色とどのようにマッチするかを見せる実験を行っているブランドもある。また、各ブランドは、アイテムがどのようにフィットするかを示すために、異なるサイズのモデルを見せるなど、よりリアルな写真や動画のコンテンツを追加している。
「各企業はより基本的な部分に取り組み、ユーザー生成コンテンツを増やしている。消費者が、さまざまな画像を見比べて『自分と似た体形の』誰かを見つけることができれば、その商品を購入する可能性が高くなる」と、スティッチャー氏は述べている。
フィット感に関する細かいニーズにも対応
トゥルーフィットのようなツールがアドオン機能を提供する一方で、リーバイス(Levi’s)など一部のブランドは、自社固有のニーズに応じてカスタマイズされたサイズフィッティング機能を社内で開発することを選んでいる。
ケイリー・ヘルナンデス氏は、オーダーメイドで特別なイベント用の服やブライダルウェアを販売しているアザジーのマーケティングマネージャーだ。同ブランドは2017年に、レビューのデータに基づいて、アイテムが小さめか大きめかを示す機能を取り入れた。それから2年間で、返品は50%減少した。
アザジーはまた、顧客が自宅で試着できるよう、サイズやスタイルの異なるドレスを1着10~20ドル(約1450〜2900円)で注文できるサンプル試着プログラムも実施している。この注文にはメジャーと指示書が付いてくるため、買い物客は標準のサイズがフィットしない場合、カスタムの測定結果を提出することができる。ウェブサイトのサイズ関連ページでは、測定方法をハウツー動画で紹介している。
「特別なイベント用の服やブライダルウェアは、既製服とは違う。このような服については、常に教育的な要素が必要になる」と、同氏は述べている。
しかし、この分野は進化し続けており、アザジーは新しい技術を実験している。顧客がサイトでショッピングをしているときにサイズフィッティングの支援ができるよう、仮想コンシェルジュツールを開発中だと、ヘルナンデス氏は述べた。また、買い物客に写真をアップロードしてもらうことで、色やスタイルがどのように見えるかを確認できる機能にも取り組んでいる。
「常にテストを行い、次なるビッグテクノロジーの機能やパートナーを探している」と、同氏は述べている。
[原文:Brands are increasingly testing out virtual sizing tools]
Melissa Daniels(翻訳:ジェスコーポレーション、編集:戸田美子)
Image via TrueFit